話題株ピックアップ【夕刊】(3):三菱UFJ、ソフトバンクG、INPEX

注目
2022年1月19日 15時20分

■三菱UFJ <8306>  690.7円  -13.2 円 (-1.9%)  本日終値

三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>をはじめメガバンクが揃って続落スタートとなった。米長期金利上昇を背景とした運用環境の改善期待を追い風に、PER、PBRともに割安感が際立ち、高配当利回りにも着目した買いが続いていたが、足もとでは利益確定を急ぐ動きが表面化している。ここにきてインフレに対する懸念からFRBの金融引き締め前倒しに対する思惑が一段と強まり、米国債券市場では長期金利の上昇基調が強まっている。金利上昇は大手金融株にとって基本的にプラス材料だが、前日はゴールドマン・サックス<GS>が発表した21年10~12月期決算が不調だったことで、株価は7%安と急落し、他の金融株も軒並みこれに追随して売り込まれるリスク回避色の強い地合いとなった。米国ではインフレに伴う賃金上昇圧力が警戒されており、金利上昇が金融株の買いに直結しない状況となっている。東京市場でもリスクオフの連鎖でメガバンクの上昇に歯止めがかかっている。

■ソフトバンクグループ <9984>  5,412円  -96 円 (-1.7%)  本日終値

ソフトバンクグループ<9984>は売りに押される展開ながらも下値では押し目買いが観測される。個人投資家の信用買い残の多さは需給面での重石となっているが、一方で最大1兆円規模とする自社株買いに対する思惑が根強い。きょうは、同社が出資するインドのオヨ・ホテルズが新規公開で90億ドルの評価額を目指していると伝わったことも株価に影響を及ぼした。市場の想定よりは低い水準ながら、日本円にして1兆円強の評価額となり、含み益に対する思惑がソフトバンクGの株価にポジティブに作用している。

■INPEX <1605>  1,129円  -13 円 (-1.1%)  本日終値

INPEX<1605>や石油資源開発<1662>、ENEOSホールディングス<5020>といった石油関連株は朝高後、値を消す展開。18日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の2月限が前日比1.61ドル高の1バレル=85.43ドルに上昇した。一時、86ドル台に上昇し7年ぶりの高値圏に値を上げた。ウクライナ情勢が緊迫していることに加え、アラブ首長国連邦(UAE)に親イラン武装組織からとみられる攻撃があり中東の地政学リスクが高まっていることも原油価格の上昇要因となった。ただ、INPEXの株価が18日に昨年来高値を更新するなど、ここ石油関連株は上昇基調を強めていることもあり上値では売りに押される展開となっている。

■バーチャレク <6193>  1,367円  +300 円 (+28.1%) ストップ高   本日終値

バーチャレクス・ホールディングス<6193>がストップ高。18日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、売上高を61億5000万円から62億円(前期比10.1%増)へ、営業利益を3億円から4億8000万円(同2.9倍)へ、純利益を2億4000万円から3億8000万円(同3.5倍)へ上方修正したことが好感された。同社はコールセンターの運営受託やシステム開発などを手掛けるが、各事業セグメントが順調に伸長しプロジェクト利益率の向上や、販管費を含めた継続的な経費削減が想定を上回る見込みとなったことが要因としている。

■シックHD <7365>  610円  +100 円 (+19.6%) ストップ高   本日終値

シック・ホールディングス<7365>がストップ高。18日の取引終了後、光通信<9435>が子会社を通じ、同社に対して完全子会社化を目的にTOBを実施すると発表した。TOB価格を1株730円としており、これにサヤ寄せする格好となっているようだ。光通信は現在、シックHD株の51.85%を所有している。買い付け予定数は1127万6529株(下限626万6500株、上限設定なし)で、買い付け期間は19日から3月3日まで。なおTOB成立後、同社は所定の手続きを経て上場廃止となる予定で、これを受けて東京証券取引所は18日付で監理銘柄(確認中)に指定している。

■アピリッツ <4174>  707円  +100 円 (+16.5%) ストップ高   本日終値

アピリッツ<4174>はストップ高。同社は18日取引終了後、22年1月期単独業績予想について、売上高47億5400万円(前期比22.2%増)は据え置いたものの、営業利益を8600万円から2億4300万円(同6.1%増)へ、純利益を2500万円から1億3300万円(同6.4%増)へ上方修正すると発表した。また、未定としていた年間配当予想は5円(前期は無配)と開示しており、好感されている。Webソリューション事業、オンラインゲーム事業で人員配置の適正化や外注費抑制などの原価低減策を実施したことにより、費用低減が図られたため。あわせて、22年1月期連結業績予想を売上高47億5400万円、営業利益2億4300万円、純利益1億3300万円と開示した。ムービングクルーの完全子会社化に伴って連結業績予想を算出したとしているが、1カ月のみであることから影響は軽微であり、個別業績予想との差異はないとしている。

■アサヒ衛陶 <5341>  636円  +72 円 (+12.8%) 一時ストップ高   本日終値

アサヒ衛陶<5341>が大幅反発。きょうは21年11月期決算の発表を予定しており、決算への期待から買いが入ったもよう。21年11月期は最終利益2000万円を見込むが、第3四半期累計(20年12月~21年8月)決算で同2100万円を計上しており上振れ期待が強い。また、22年11月期業績への期待も高い。

■川本産業 <3604>  1,386円  +123 円 (+9.7%)  本日終値

川本産業<3604>が全体地合い悪のなか大幅続伸と気を吐いている。今年に入り短期資金の流入で急騰を演じ12日には1845円の高値をつけたが、その後は東証が信用取引規制などを発表したことなどを受け急反落を余儀なくされていた。しかし前日に売り一巡感の出たところで下値を買い直す動きが観測され、株価は急速なリバウンドに転じている。同社はガーゼなどの医療用衛生材大手でマスクやアルコール消毒液を製造しており、国内で感染拡大が加速する新型コロナウイルスのオミクロン株に対応した防疫関連株としての側面で物色人気化している。18日、国内の新型コロナ新規感染者数が初めて3万人を超えたこともあって、投資資金攻勢が加速した形だ。

■北川精機 <6327>  601円  +46 円 (+8.3%)  本日終値

北川精機<6327>が全般波乱相場に逆行して上値追い継続。同社株は昨年4月以降、一貫して下落トレンドとなっていたが、年明けから動きが一変している。中長期波動では依然として底値圏にあるが、年初来でみれば連日で高値更新基調となっている。プリント基板の真空プレス機のメーカーで世界的にも高い商品競争力を誇る。プリント基板に対するニーズは増大する半導体需要に比例して伸びており、同社の収益環境に吹く追い風は強い。週明け17日に22年6月期上期(21年7~12月)業績予想の修正を発表、営業利益は従来予想の1億1000万円から1億8000万円で増額したことも、業績面での不安後退につながっている。PER9倍前後と割安であることも追随買いを誘っているもようだ。

■三光産業 <7922>  344円  +25 円 (+7.8%)  本日終値

三光産業<7922>が3日ぶりに反発。この日、同社のナノAG+AIRマスク「SILKY FIT Premium」が、中国の美容やファッションアイテムを紹介するサイト「Only Lady」の「BEAUTY AWARD」を受賞したと発表しており、これが好材料視された。同マスクは、肌に直接触れる内側層に人工シルクとヒアルロン酸を配合し、飛沫防止性能と通気性、肌触りを実現。中国国内では新型コロナウイルスの感染が再拡大しているもようであり、今回の受賞により需要が増加するとの思惑から買われているようだ。

●ストップ高銘柄

アミタホールディングス <2195>  1,573円  +300 円 (+23.6%) ストップ高   本日終値

MITホールディングス <4016>  875円  +150 円 (+20.7%) ストップ高   本日終値

など、5銘柄

●ストップ安銘柄

キャンバス <4575>  319円  -80 円 (-20.1%) ストップ安   本日終値

以上、1銘柄

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