話題株ピックアップ【夕刊】(2):任天堂、住友鉱、トヨタ

注目
2022年1月20日 15時14分

■任天堂 <7974>  54,780円  +1,490 円 (+2.8%)  本日終値

任天堂<7974>が反発。前日に全体波乱相場のなかでソニーグループ<6758>の急落が話題となったが、一方で任天堂の下げはわずか0.2%にとどまった。米マイクロソフト<MSFT>による大手ゲーム会社の買収が注目を浴び、これに絡み家庭用ゲーム機でマイクロソフトと競合するソニーGにはネガティブ材料とみなされた。しかし市場では、「今回の買収がIP(知的財産)に対する企業価値の見直し機運につながることで、自社IPの展開に積極的な取り組みをみせる任天堂にとっては追い風となる」(国内証券アナリスト)という指摘がある。同社株は今月14日に75日移動平均線近辺で底を入れ、その後は戻り足が鮮明となっている。ソニーGと比較しても株価の出遅れ感が目立っていただけに水準訂正狙いの買いも活発化している。

■住友金属鉱山 <5713>  5,052円  +98 円 (+2.0%)  本日終値

住友金属鉱山<5713>が高い。足もとで金やニッケル価格が上昇しており同社株への買いが流入している。19日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物相場は、2月限が前日比30.8ドル高の1トロイオンス=1843.2ドルと上昇。昨年11月以来、2カ月ぶりの高値圏に値を上げている。インフレ懸念の台頭やウクライナ情勢の緊迫化などを背景に金を見直す動きが出ている。また、電気自動車(EV)の電池向け需要が拡大しているニッケルは今月中旬に10年ぶりの高値をつけるなど上昇基調にある。このニッケル高を背景に大平洋金属<5541>にも見直し機運が高まっている。

■キリンホールディングス <2503>  1,849円  +34 円 (+1.9%)  本日終値

キリンホールディングス<2503>は4日ぶりに反発。同社はきょう午前10時に、独自素材「プラズマ乳酸菌」を使用した商品について、国内外における関連事業の21年年間販売金額は前年比約56%増だったと発表した。「プラズマ乳酸菌」は健康な人の免疫の維持をサポートする乳酸菌であり、グループの小岩井乳業、協和発酵バイオと共同で研究を進めている。「iMUSE」ブランドの飲料、ヨーグルト、サプリメントに加え、21年10月に「生茶」や「午後の紅茶」ブランドから「プラズマ乳酸菌」入り飲料を発売した。カテゴリー別では、飲料は前年比約7割増となる534万ケースだった。

■トヨタ自動車 <7203>  2,342.5円  +39.5 円 (+1.7%)  本日終値

トヨタ自動車<7203>は前日終値近辺で売り買い交錯。時価2300円近辺は強弱観が対立している。前日は全体市場がリスクオフに傾き日経平均が波乱安の展開となったことで、年明けから上場来高値圏を走っていた同社株にも目先利益確定売りがかさんだ。しかし、PER12倍台と割安でバリュー株素地があり、電気自動車(EV)シフトの動きに対応した新たな電動車戦略を打ち出し、海外投資家の評価も高まっている。今期の自動車生産台数は当初計画を下回るものの株価的には織り込みが進んでいたことで、一段の下値を売り込む動きには発展しにくく、押し目買いも観測される。

■アドヴァングループ <7463>  971円  +11 円 (+1.2%)  本日終値

アドヴァングループ<7463>は3日ぶりに反発。19日の取引終了後、上限を80万株(発行済み株数の2.0%)、または7億6800万円とする自社株を、20日朝の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)で取得すると発表。今朝、60万株(総額5億7600万円)を取得した。資本効率の向上並びに経営環境の変化に応じた機動的な資本政策の遂行を可能にするためという。

■タカラバイオ <4974>  2,380円  +5 円 (+0.2%)  本日終値

タカラバイオ<4974>が3日ぶりに反発。岩井コスモ証券は19日、同社株の投資判断の「A」を継続した。目標株価は3600円(従来4000円)とした。PCR検査用試薬の売り上げの大幅増に加え一般研究用試薬の回復を受け、同社では昨年11月に今期2度目となる業績の増額修正を発表した。更に、年明け以降は急速に新型コロナウイルス感染者数が増加していることや行政サイドでPCR検査体制の拡充が進んでいることから、同証券では今期業績は一段の上振れ余地が大きくなったとみている。具体的には22年3月期の連結営業利益は会社予想200億円(前期比43.3%増)に対して214億円で着地すると予想している。また、遺伝子・再生医療分野など非コロナ分野の成長にも注目している。

■日本製鉄 <5401>  1,931.5円  +2.5 円 (+0.1%)  本日終値

日本製鉄<5401>が4日ぶり反発に転じたほか、ジェイ エフ イー ホールディングス<5411>や東京製鐵<5423>など鉄鋼株に買いが目立つ。ここ全体相場が急落するなか、総じて下値を試す動きとなっていたが、株価指標面の割安感から押し目買いの動きが表面化している。日本製鉄はPER3倍台でPBRが0.5倍台と超割安水準にあるほか、年間配当は前期実績ベースで10円と配当利回りが5%を超える水準にあり、インカムゲイン狙いの買いも誘導している。

■東京エレクトロン <8035>  61,310円  -280 円 (-0.5%)  本日終値

東京エレクトロン<8035>は続落。前日の米国株市場ではハイテクセクターのグロース株に引き続き逆風の強い地合いで、インフレ圧力を背景に米10年債利回りが1.8%台後半で高止まりしていることが警戒されている。半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は続落し3%あまりの下げで75日移動平均線を下回っており、東京市場でも半導体主力株への売り圧力は拭えない。しかし、同社株は前日に一時4500円あまりの過去最大となる急落をみせていることもあって、下値では自律反発狙いの買いも観測される状況にある。機関投資家主導の値がさ株ということもあり信用買い残は薄く、戻り局面に入れば上値が比較的軽い。

■シライ電子工業 <6658>  506円  +80 円 (+18.8%) ストップ高   本日終値

シライ電子工業<6658>が急騰。同社はきょう、ベースフィルムを使用しない基材フィルムレス透明銅張積層板を開発したと発表しており、今後の用途展開が期待されているようだ。同社が手掛ける透明フレキシブル基板「SPET」はPETフィルムをベースフィルムとして使用しているが、更に薄い基板が欲しいとの顧客の声をもとに、基材フィルムレス透明銅張積層板「透明薄柔基板」を開発。基板のようで基板でない、何にでも馴染むことができる基板をコンセプトに、薄さや柔らかさ、透明感を追求し、電気的な特性は従来の「SPET」と相違がないとしている。

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