利益成長【青天井】銘柄リスト〔9-11月期〕18社選出 <成長株特集>
2月期決算企業を中心とする21年9-11月期(3ヵ月決算)の決算発表が先週までに一巡した。本特集では、9-11月期に過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益成長“青天井”状況になっている銘柄にスポットライトを当てた。
下表では、時価総額50億円以上の銘柄の中から、本決算月にかかわらず、21年9-11月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益を上回る見通しを示している18社を選び出し、9-11月期経常利益の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのは、デジタルサービスのデザイン支援を手掛けるグッドパッチ <7351> [東証M]。21年9-11月期(第1四半期)の経常利益は2.2億円と過去最高だった前年同期を94.0%上回って着地。デジタルトランスフォーメーション(DX)需要が高まるなか、主力のデザインパートナー事業で案件の大型化が進み顧客単価が上昇したほか、デザインプラットフォーム事業ではフルリモートデザインチーム「Goodpatch Anywhere」を中心に契約企業の件数が伸びた。
2位のエーアイテイー <9381> は国際貨物の取扱量や通関受注が増加したことに加え、海上コンテナの不足による運賃高騰が大きな追い風となった。また、販管費の抑制も寄与し、9-11月期(第3四半期)は売上高、経常利益ともに四半期ベースの過去最高を大幅に更新した。好決算を受けて、株価は12日に上場来高値1553円をつけている。
続く3位には新築住宅などの建築確認検査を全国展開するERIホールディングス <6083> が入った。9-11月期(第2四半期)の経常利益は5.9億円に拡大し、10年ぶりに四半期ベースの最高益を塗り替えた。コロナ禍で停滞した住宅市場が急回復したうえ、グリーン住宅ポイントなどの政策的支援もプラスに働いた。好調な業績を踏まえ、上期決算発表前に、通期業績見通しと配当予想を大幅に上方修正している。
4位のプレカット木材加工大手であるシー・エス・ランバー <7808> [JQ]は、ウッドショックの長期化や木材価格の高止まりを受けて、代替材の提案や適正利潤の確保に注力したことに加え、生産効率・配送効率の改善をさらに進めたことが奏功し、9-11月期(第2四半期)は3四半期連続で経常利益の最高益更新を遂げた。併せて、22年5月期通期の同利益予想を33億円(従来予想は23億円)に上方修正している。
5位にリスト入りしたSHIFT <3697> の9-11月期(第1四半期)は、主力のソフトウエアテストで注力業界の金融・流通に加え、製造業・通信業などの顧客に対するプロジェクトへの参画が進んだ。営業力の強化や積極採用、グループ会社の成長加速が寄与し、売上高が拡大したほか、エンジニア単価の継続的な上昇や徹底したプロジェクト管理も利益拡大につながった。第1四半期業績の好調に伴い、早くも通期計画の上方修正に踏み切っている。
6位のマルマエ <6264> は旺盛な半導体需要を追い風に、主力とする半導体製造装置向け精密部品の受注が大きく伸びたうえ、FPD分野でも有機EL向け大型真空チャンバーなどが拡大し、9-11月期(第1四半期)は2四半期連続の過去最高益を達成した。8位に入った半導体製造装置メーカーのローツェ <6323> と17位のプラズマ用高周波電源大手であるアドテック プラズマ テクノロジー <6668> [東証2]も半導体関連投資の活発化を背景に収益を伸ばした。ローツェはベトナム生産工場での生産効率の改善に加え、円安進行で為替差損益が好転したことも利益を押し上げた。
15位にリストアップされた中古車販売大手のネクステージ <3186> は店舗網の拡大を背景に小売販売台数が大幅に増加したほか、買取事業や整備事業の収益も伸び、9-11月期(第4四半期)は5四半期ぶりの最高益更新を果たした。22年11月期は経常利益が前期比28.5%増の172億円と8期連続で過去最高益を更新する見通しだ。併せて、24年11月期に経常利益297億円を目指す中期経営計画を発表したことも好感され、株価は17日に上場来高値となる3200円まで上値を伸ばした。また、18位には中古車買取・販売店「ガリバー」を全国展開するIDOM <7599> がリスト入りしている。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 9-11月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<7351> グッドパッチ 94.0 225 116 23.7 486 393 54.3
<9381> エーアイテイ 71.4 1481 864 36.7 3480 2545 15.3
<6083> ERIHD 51.3 596 394 25.9 1660 1319 8.8
<7808> CSランバー 46.6 1171 799 146 3300 1343 3.0
<3697> SHIFT 41.8 2168 1529 37.2 6500 4736 90.0
<6264> マルマエ 38.3 592 428 47.0 1780 1211 26.0
<4055> T&S 26.2 135 107 32.9 557 419 25.8
<6323> ローツェ 25.7 4693 3733 74.5 14809 8487 16.6
<3922> PRTIME 23.6 623 504 34.6 1748 1299 32.7
<3991> ウォンテッド 20.1 251 209 25.9 550 437 51.9
<2292> SFOODS 16.5 5414 4647 34.7 17500 12990 9.0
<9983> ファストリ 13.9 134208 117832 1.6 270000 265872 39.3
<7879> ノダ 9.9 1444 1314 4.3 5000 4796 5.1
<3075> 銚子丸 9.2 544 498 2.1 1188 1164 20.6
<3186> ネクステージ 7.6 3784 3516 28.5 17200 13388 18.3
<9418> USENHD 6.4 4572 4298 8.3 16000 14768 18.4
<6668> ADプラズマ 4.7 645 616 8.4 2000 1845 14.5
<7599> IDOM 2.5 5035 4911 44.6 15900 10998 7.2
※ 2020年9月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業、最終赤字を見込む企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
株探ニュース