売り一巡後のリバウンドを狙った動きに向かいやすいところ/オープニングコメント
25日の日本株市場は、売り一巡後の出直り基調が意識されそうだ。24日の米国市場はNYダウが99ドル高だった。ウクライナ情勢の緊迫化が高まったほか、今週予定されている連邦公開市場委員会(FOMC)での連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締めへの警戒から売りが強まった。特に米国に続き英国やドイツもウクライナの大使館職員や家族の退避を決定したとの報道でさらに警戒感が強まり急落。NYダウの下落幅は一時1100ドルを超えた。ただし、午後に入ると売られ過ぎとの見方から買い戻しの動きが加速し、主要な株価指数は上昇に転じた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比305円安の27275円。円相場は1ドル113円90銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り先行で始まることになろう。ただし、シカゴ先物は一時26690円まで急落した後に切り返しているほか、米国市場も上昇に転じたこともあり、いったんは売り一巡感は意識されやすくなる。そのため、売り先行ながら、売り一巡後のリバウンドを狙った動きに向かいやすいところであろう。ただし、日経平均は切り下がる5日線に上値を抑えられる形状が続いていることから、同線を明確に突破してくるかを見極めたいところでもある。上値を抑えられる形状が続くようだと、同線水準では新たなショートの動きも入りやすいだろう。
また、売り一巡ながらも結局はFOMC後の声明を確認したいところである。米マイクロソフトは上昇に転じたものの、アップルやテスラなどは下落幅を縮めたもののマイナスで終えており、決算後の反応を見極めたいとする模様眺めムードも強まりやすいと考えられる。VIX指数は一時38.94まで上昇し、その後は上げ幅を縮め29.90で終えたものの、依然として不安心理が高まる水準であることも神経質にさせやすい。米国市場がプラスに転じるなか、シカゴ先物はプラスに転じることができなかったこともあり、日本株の戻りの鈍さも意識されやすいだろう。
物色の流れとしては売り一巡後の出直りを想定しつつも、インデックスに絡んだ商いが中心になりやすことから、指数インパクトの大きい値がさ株などには値幅取り狙いの動きも入りやすいと見られる。また、ウクライナ情勢の緊迫から足元で強いリバウンドを見せてきている防衛関連などへは、個人主体による短期的な値幅取り狙いの資金が集中しやすいだろう。
《AK》