話題株ピックアップ【夕刊】(1):新日本科学、ウエストHD、豊田通商

注目
2022年2月3日 15時12分

■新日本科学 <2395>  1,592円  +300 円 (+23.2%) ストップ高   本日終値  東証1部 上昇率トップ

新日本科学<2395>は5連騰。2日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、売上高を174億円から179億円(前期比18.5%増)へ、営業利益を38億円から41億円(同62.1%増)へ、純利益を49億円から58億円(同58.4%増)へ上方修正し、あわせて20円を予定していた期末一括配当予想を40円へ引き上げたことが好感された。コロナ禍による医薬品開発のアウトソーシングトレンドの加速化に加えて、抗体医薬や核酸医薬などの活発な開発競争が世界的に継続していることを背景に、主力事業である前臨床事業の受注が好調に推移していることが要因。また、同社の強みである大型実験動物試験の需要が拡大傾向にあり、既存顧客の受注増に加えて国内外の新規顧客の獲得が順調に推移していることも寄与する。同時に発表した第3四半期累計(21年4~12月)決算は、売上高129億4600万円(前年同期比24.2%増)、営業利益33億円(同2.0倍)、純利益52億4700万円(同3.6倍)だった。

■ウエストHD <1407>  4,400円  +700 円 (+18.9%) ストップ高   本日終値

ウエストホールディングス<1407>はストップ高。同社は太陽光発電の設置工事や保守・管理などを手掛け、マーケットでは脱炭素関連の象徴株として人気を集めた経緯がある。今年に入って株価は、高い成長期待を背景にこれまで買われてきた反動から大きく売られたものの、短期的に大幅下落したことで足もと売り一巡感からリバウンドを試すタイミングに来ていた。こうしたなか同社は2日、東京電力ホールディングス<9501>と中部電力<9502>が共同出資する発電会社JERAとの間で、国内の太陽光発電開発に関して業務提携を行うと発表。これを手掛かり材料に前日大幅高に買われたのに続き、きょうは物色が加速しストップ高となっている。

■メンバーズ <2130>  2,674円  +415 円 (+18.4%)  本日終値  東証1部 上昇率2位

メンバーズ<2130>が急騰。同社は大企業向けにデジタルマーケティング支援を行うほか、デジタル人材の派遣事業を展開し、業績は急成長トレンドにある。2日取引終了後に発表した22年3月期第3四半期(21年4~12月)決算は、営業利益が前年同期比76%増の9億9200万円と急拡大しており、これを評価する買いが集中した。デジタルマーケティング関連の売上高が引き続き好調で収益に貢献している。

■アスクル <2678>  1,625円  +100 円 (+6.6%)  本日終値  東証1部 上昇率7位

アスクル<2678>は急伸。2日の取引終了後、自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を500万株(発行済み株数の4.88%)、または100億円としており、取得期間は2月4日から5月13日まで。なお、これにより取得する自社株は全株を5月16日付で消却する。資本効率を高めるほか、株主還元を目的に自社株の取得及び消却を実施するとしている。また、新市場区分における「プライム市場」上場維持基準である流通株式比率(35%以上)の低下を回避するために、主要株主であるZホールディングス<4689>の保有するアスクル株の一部売却にも対応する。

■デクセリアルズ <4980>  3,435円  +175 円 (+5.4%)  本日終値  東証1部 上昇率10位

2日に決算を発表。「今期経常を13%上方修正・最高益予想を上乗せ」が好感された。

デクセリアルズ <4980> が2月2日大引け後(15:30)に決算を発表。22年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結経常利益は前年同期比2.3倍の193億円に急拡大した。併せて、通期の同利益を従来予想の198億円→224億円(前期は108億円)に13.1%上方修正し、増益率が82.6%増→2.1倍に拡大し、従来の2期連続での過去最高益予想をさらに上乗せした。

⇒⇒デクセリアルズの詳しい業績推移表を見る

■豊田通商 <8015>  4,975円  +250 円 (+5.3%)  本日終値

豊田通商<8015>は続伸。同社は2日取引終了後、22年3月期連結純利益予想を1900億円から2100億円(前期比56.0%増)へ、年間配当予想を140円から150円(前期は112円)へ上方修正すると発表した。市況上昇や、自動車生産関連及び自動車販売ビジネスが好調であることなどによって、足もとの実績が想定よりも堅調に推移しているため。あわせて発表した22年3月期第3四半期累計(4~12月)連結純利益は1802億7100万円(前年同期比2.0倍)だった。

■三菱食品 <7451>  2,990円  +147 円 (+5.2%)  本日終値

三菱食品<7451>は大幅続伸。同社は2日取引終了後、22年3月期連結業績予想について、売上高は2兆300億円から2兆円へ下方修正する一方で、営業利益は167億円から187億円(前期比19.7%増)へ、純利益は117億円から135億円(同21.9%増)へ、年間配当予想は70円から80円(前期は50円)へ上方修正すると発表した。売上高については「収益認識に関する会計基準」適用のため、前年との比較は記載されていない。22年3月期第3四半期累計(4~12月)連結営業利益は147億5900万円(前年同期比24.4%増)だった。着実に進めてきた物流効率化施策に加え、コロナ禍に起因する物量波動の抑制に伴う物流コストの削減や、モバイルワーク浸透による販管費削減などが寄与し、利益面では当初の予想を上回る見込みになったとしている。

■双日 <2768>  1,917円  +90 円 (+4.9%)  本日終値

双日<2768>が大幅続伸、前日に続く大陽線で1900円台を回復。早晩2000円大台乗せから昨年来高値2032円も視界に入る可能性がある。総合商社の一角で自動車や化学分野で強みを持っている。前日の取引時間中に、22年3月期業績予想の修正を発表、資源価格の上昇などを追い風に最終利益は従来計画に100億円上乗せした800億円(前期比3倍)となる見通し。特筆されるのは今期の年間配当で、従来計画の54円から13円増額し67円に大幅に引き上げた。配当利回りは5.4%前後と極めて高水準だ。また、同社は昨年ベトナムの乳製品大手ビナミルクと提携し販売会社を設立しているが、「今後は川上の事業としてベトナム国内で高品質の肉牛生産に乗り出す方針」(会社側)としており、株価面でもポジティブ材料として注目されそうだ。

■日本触媒 <4114>  5,690円  +260 円 (+4.8%)  本日終値

日本触媒<4114>が急伸。同社はきょう午前11時に、22年3月期連結業績予想について、売上高を3550億円から3650億円(前期比33.6%増)へ、営業利益を240億円から270億円(前期は159億2100万円の赤字)へ、純利益を205億円から215億円(同108億9900万円の赤字)へ、年間配当予想を130円から180円(前期は90円)へ上方修正すると発表した。22年3月期第3四半期累計(4~12月)連結営業利益は238億8900万円(前年同期は14億8500万円の赤字)だった。アクリル酸及びアクリル酸エステルの製品海外市況の高騰が継続し、想定よりも原料価格が上昇していることで在庫評価差額の影響が拡大する見通しであるため、業績予想を上方修正するとした。

■日清食HD <2897>  8,350円  +360 円 (+4.5%)  本日終値

日清食品ホールディングス<2897>は後場急伸。同社はきょう午後1時15分に、資本効率向上のため、187万5000株(発行済み株式総数に対する割合1.82%)もしくは120億円を上限とする自己株式の取得枠を設定すると発表した。取得期間は2月4日~9月30日。また、自己株式147万7700株(同1.39%)を2月28日に消却することも発表した。22年3月期第3四半期累計(4~12月)連結営業利益は425億8800万円(前年同期比14.8%減)となり、レンジで示された通期計画425億円(前期比23.5%減)~445億円(同19.9%減)は据え置かれた。第3四半期(10~12月)は国内事業に加え、海外事業も増益に転じたとし、コロナ禍前の19年度との比較では引き続き高成長を維持しているとした。

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