来週の株式相場に向けて=米CPIとトヨタ決算を凝視
今週の東京市場は、日経平均が下落したのは木曜のみと底堅い動きとなった。週間ベースの日経平均株価は2.7%上昇に対して、NYダウは前日までで約1.1%上昇と、東京市場の堅調さがうかがえる結果となった。
この背景には1月の下落が厳しかったこともあるが、日経平均株価の予想連結PERが13.3倍近辺と、バリュエーション的な割安感があることが指摘されている。ナスダック指数が3日に3%強の下落となったのに対し、4日の日経平均株価は上昇したことが象徴的だとも言える。
1月の日経平均株価の下落幅に対する半値戻しの水準は、2万7700円台。あと300円近辺にまで迫っている。市場からは、「日経平均が2万7500円を超えてくると戻り売りが意識される」(アナリスト)との声が少なくないが、「半値戻しは全値戻し」とも言われるだけに、相場は重要なポイントに差し掛かっている。
来週は、11日は建国記念日で休場となるが、重要イベントが予定されており目が離せない。そのひとつは10日の米1月消費者物価指数(CPI)だ。12月は前年同月比で7%上昇し39年半ぶりの大きさとなった。市場では1月も同7.3%上昇が予想されている。その結果に、市場がどう反応するかだ。インフレ警戒感が強まれば、再び下値を探る展開もありえる。もうひとつは9日に予定されているトヨタ自動車<7203>の決算だ。市場には「デンソー<6902>の決算がさえなかったことが気になる」(アナリスト)との声も出ている。今晩の米1月雇用統計と併せて、来週の米CPIやトヨタ決算をクリアできるかが焦点となろう。
来週は、前出のトヨタを含め決算発表の後半のヤマ場を迎える。7日にダイキン工業<6367>、8日にソフトバンクグループ<9984>、9日にINPEX<1605>、10日に東京エレクトロン<8035>などが予定されている。来週の日経平均株価の予想レンジは2万7000~2万7800円。(岡里英幸)