投資家のセンチメントは改善傾向/オープニングコメント
10日の日本株市場は、買い先行で始まった後は、次第にこう着感が強まる可能性はあるものの、底堅い相場展開が見込まれる。9日の米国市場ではNYダウが305ドル高だった。NY州が屋内でのマスク着用義務化を撤廃、英国でもコロナ規制全廃を計画しているなど、世界経済の回復期待が高まった。また、長期金利の落ち着きにより、ハイテク株を見直す動きも強まった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比275円高の27825円。円相場は1ドル115円50銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買い先行で始まることになろう。日経225先物はナイトセッションで27500円を固める動きからの強い値動きによって、心理的な上値抵抗線として意識されていた25日線を突破してきている。これにより27000円~27500円のレンジから27500円~28000円へレンジが移行する可能性が高まることから、ショート筋のカバーの動きが強まる可能性がありそうだ。本日はオプションSQとなることから、SQに絡んだ買いも意識されやすく、指数インパクトの大きい値がさ株などが日経平均をけん引する格好になりそうだ。
もっとも、国内では3連休に入るほか、米国では1月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えていることもあり、買い一巡後は次第にこう着感が強まる可能性はあるだろう。ただし、米国のテック株やハイテク株が買い直されている動きから、市場は金利上昇を徐々に織り込んできていると考えられる。3月のFOMCでの利上げ開始や年5回の利上げなどもこれまで伝えられていることもあり、ショートに傾いていたポジションを徐々にニュートラルに戻す動きも意識されてきそうだ。
また、引き続き決算発表を見極める動きから積極的には手掛けづらいものの、決算を受けて急落したオリンパス<7733>は昨日リバウンドを見せており、イレギュラー的に売られた銘柄への修正リバウンドは意識されやすい。そのほか、好決算ながら利食いに押されていた銘柄などを見直す動きも見られてきそうだ。マザーズ指数については依然として調整トレンドのなかでの自律反発ではあるものの、昨日のIPOは順調なスタートだったことも安心感に繋がる。
《AK》