まずは27500円水準を超えられるかを見極めたい/オープニングコメント
16日の日本株市場は、地政学リスクが和らいだことを受けて、買い優勢の相場展開になりそうだ。15日の米国市場ではNYダウが422ドル高だった。ロシアが軍の一部撤収開始を発表したため、ウクライナ侵攻懸念が和らいだ。プーチン大統領がドイツのショルツ首相と会談し引き続き外交的解決に前向きである姿勢を強調したことやブリンケン国務長官とラブロフ露外相の電話会談などもプラス材料となり、終日堅調に推移した。シカゴ日経225先物清算値は大阪比605円高の27445円。円相場は1ドル115円60銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、ギャップスタートとなろう。米国では幅広い銘柄に押し目買いが入っているほか、半導体株の強い動きも目立ったことから、昨日弱い動きが目立っていた指数インパクトの大きい値がさ株などは買い直され、指数をけん引する格好になりそうだ。日経225先物は2%を超える上昇で25日線水準まで上昇してきており、同線を上回り、27500円処を捉えてくるかが注目されそうだ。反対に買い一巡後の戻りの鈍さが意識されてしまうと、次第に戻り待ちの売り圧力が警戒されてくるだろう。日経平均の25日線は27500円水準に位置していることもあり、まずは同水準を超えられるかを見極める格好になりそうだ。
また、ウクライナ情勢の緊張が和らいだことから米国では買い戻しの動きとなったが、朝方に発表された1月の米卸売物価指数(PPI)は市場予想を上回っており、インフレ加速を受けて米長期金利は2.00%を超えてきている。米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締め観測がくすぶるなか、買い一巡後の上値の重荷となる可能性はありそうだ。そのため、日中はグローベックスの米株先物の動向を睨みながらの相場展開になりやすく、米株先物が弱い動きを見せているようだと、先物主導による短期的なショートの動きが入りやすい点には注意しておきたいところだ。
また、本日は値がさ株が日経平均をけん引してくると見られるが、米長期金利を受けてグロース株物色を積極化させてくる動きも期待しづらいところ。直近のグロース株の弱い値動きからは買い戻しの動きが入りやすいものの、リバランス一巡後はバリューシフトも想定しておきたいところだ。また、BofAによる調査では、ファンドマネージャーはテクノロジー株の「アンダーウエート」を約16年で最も大きくしているようである。ハイテク株へは買い一巡後の利食いの動きが警戒されやすい面もありそうだ。そのため、マザーズ銘柄なども朝方は買い先行となるものの、戻りの鈍さが意識されてくるようだと、資金の逃げ足は早まることになろう。
《AK》