【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─3つの投資戦略で選択すべきものは? 個別では高配当銘柄を狙う

市況
2022年3月6日 9時30分

「3つの投資戦略から選択すべきものは? 個別では高配当銘柄を狙う」

●プーチンの「攻撃」リスクにさらされるマーケット

戦争が起きているのだから、何があっても不思議はないと思ってはいるものの、普通は「これ以上はないだろう」と頭の中にリミットを設けているものだ。

たとえば、核兵器は使わないだろうとか、原子力発電所を攻撃するようなことはするまい、あるいは化学兵器は使わないだろう……などだ。

しかし、ロシアのプーチン大統領は核兵器の保有を誇示し、状況によっては使用することを匂わせる発言をしたばかりか、この原稿を書いている直前には、ウクライナのザポリージャ原子力発電所に砲撃を加えている。幸い、原発周辺の放射線量に変化はないそうだが、とんでもないことをするものだ。

これはもう常軌を逸した行為だ。今後もプーチン大統領による思わぬ「攻撃」を受ける恐れもあるのだが、こんな局面での投資には、3つの作戦があり、それぞれが有効と考えられる。すなわち、以下の3つである。

(1)目先の一段安に備えて持ち株を売る

(2)何があっても保有し続ける

(3)3カ月~1年後を考えて試し買いを入れる

以上の3作戦のうち、最もお勧めしないのは(1)になる。確かに目先の状況は最悪で、前述したようにプーチン大統領による思わぬ「攻撃」のリスクも高い。そのため、ウクライナがわれわれの望まない形で首都を失う可能性もある。そうなると、ゲリラ戦に移ることになるが、株式市場はある種冷淡なところがあるので、目先ひとまず決着がついたとみて、浮上に転じる可能性が高くなる。

●先行き不透明感は強いが、数カ月先の状況改善に期待

そのため(2)の「何があっても保有し続ける」という対応策は、良策とさえ言ってよい。多くの銘柄が下げているのが実際ながら、ウクライナ危機で経営が傾き破綻する上場企業は、あってもごく少数に限られるからだ。

では、(3)はどうか。もちろん、これがお勧めの策になる。いまは明日がどうなるか分からないものの、数カ月後は現状より状況が改善しているだろう。これまでの厳しい局面では、こうなっているため、今回もそれに期待して、次のような銘柄に投資しておきたい。

まずは前回も書いたことだが、3月は配当期待の買いが多くなる。前回は商船三井 <9104> 、住友商事 <8053> 、スズデン <7480> を取り上げ、いずれも期待以上の上昇になったため、今回はやや動きがマイルドながら、月末まで投資家の買いが集まりそうな銘柄に目を向けたい。

具体的には、NTT <9432> だ。改めて説明するまでもない銘柄だが、期末の配当を5円増やして60円(年間配当115円)を予定している。増配株は人気を集めやすいため、目先は高値圏ながら小反落やヨコヨコの動きを見逃さないようにしたい。

日本製鉄系の鉄鋼専門商社である日鉄物産 <9810> も、今期は営業利益が上振れ、前期は減配して160円となった年間配当を320円に増配した。これは投資家に好感されるだろう。

配当政策でいつも驚くのは、収益以上の配当を行っている武田薬品工業 <4502> 。今期もそれは変わらず1株益156.4円の見込みに対し、180円の配当を約束している。これは配当期待の観点からは魅力的だ。

建設株にも目を向けておくと、浅沼組 <1852> がある。学校や官公庁建設に強く、前期配当257円を今期は363円に増配する計画であり、これまた配当期待の買いが望める。

配当取り以外では、フクシマガリレイ <6420> になる。この会社は食品・業務用冷凍冷蔵庫に強い。いまはまだ気温が低いが、今後は次第に気温が上昇していく。それとともに 冷凍冷蔵庫の需要も増加すると見てよく、株価も蘇生する確率が高い。

2022年3月4日 記

株探ニュース

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