21日の米国市場ダイジェスト:NYダウ201ドル安、FRBの大幅利上げを警戒
■NY株式:NYダウ201ドル安、FRBの大幅利上げを警戒
米国株式市場は反落。ダウ平均は201.94ドル安の34552.99ドル、ナスダックは55.38ポイント安の13838.46で取引を終了した。ロシア、ウクライナ停戦交渉への期待や値ごろ感からの買いに、寄り付き後、上昇。しかし、中国での旅客機墜落事故を受けたボーイングの下げがダウを押し下げ、下落に転じた。さらに、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が全米企業エコノミスト協会(NABE)で講演し、インフレ高進を抑制するため必要とあれば大幅な利上げも辞さないとするタカ派姿勢を再表明したため金利上昇を警戒し、売りに一段と拍車がかかった。セクタ?別ではエネルギーや自動車・自動車部品が上昇した一方で、消費者サービスーが下落。
著名投資家バフェット氏が率いる保険のバークシャー・ハサウェイ(BRK)は不動産と損害の再保険・保険を手掛けるアリゲニー(Y)買収を発表し、両社とも買われた。エネルギー会社のマラソン・オイル(MRO)やオキシデンタル・ペトロリアム(OXY)は原油高で業績の拡大期待に上昇。電気自動車メーカーのテスラ(TSLA)はアナリストの投資判断引上げで上昇した。一方で、航空機メーカーのボーイング(BA)は、中国東方航空運行のボーイング737型機MU5735便が中国南西部で墜落との報道を受け、下落。また、マーケティングサービス会社のニールセン・ホールディングス(NLSN)は、同社に対する投資会社の買収案を却下したとの報道で下落した。
スポーツ用品ブランドのナイキ(NKE)は取引終了後に第3四半期決算を発表。1株利益が予想を上回り、時間外取引で上昇している。
Horiko Capital Management LLC
■NY為替:ドル強含み、パウエルFRB議長は利上げ加速の可能性を示唆
21日のニューヨーク外為市場でドル・円は、119円11銭から119円50銭まで上昇し、119円49銭で引けた。全米企業エコノミスト協会年次会合での講演で、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は必要ならば5月連邦公開市場委員会(FOMC)での50ベーシスポイント利上げの可能性や中立を上回る水準まで金利を引き上げる可能性を指摘するタカ派姿勢を再表明。このため、積極的な引き締めを織り込む金利の上昇に伴うドル買いが加速した。
ユーロ・ドルは1.1052ドルまで強含んだ後、1.1010ドルまで反落し、1.1015ドルで引けた。ドイツの生産者物価指数が高い伸びを維持したため、欧州中央銀行(ECB)の年内の利上げ観測が再燃。一時ユーロ買いが強まった。その後、パウエルFRB議長のタカ派発言を受けたドル買いに反落。ユーロ・円は131円43銭まで下落後、131円75銭まで上昇。ポンド・ドルは1.3136ドルから1.3210ドルまで上昇した。ショートカバーが一時強まった。ドル・スイスは0.9294フランまで下落後、0.9338フランまで上昇した。
■NY原油:続伸で109.97ドル、時間外取引で111.08ドルまで一段高
NY原油先物5月限は、続伸(NYMEX原油5月限終値:109.97 ↑6.88)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物5月限は、前営業日比+6.88ドルの109.97ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは102.47ドル-111.08ドル。アジア市場の序盤に102.47ドルまで下げた後はじり高となり、ニューヨーク市場の序盤に109.56ドルまで上昇。一時108ドルを下回ったが、ウクライナ情勢は流動的であり、通常取引終了後の時間外取引で111.08ドルまで一段高となった。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 42.84ドル -0.06ドル(-0.14%)
モルガン・スタンレー(MS) 92.61ドル -2.21ドル(-2.33%)
ゴールドマン・サックス(GS)339.00ドル -6.38ドル(-1.85%)
インテル(INTC) 47.39ドル -0.06ドル(-0.13%)
アップル(AAPL) 165.38ドル +1.40ドル(+0.85%)
アルファベット(GOOG) 2729.57ドル -6.46ドル(-0.24%)
フェイスブック(FB) 211.49ドル -5.00ドル(-2.31%)
キャタピラー(CAT) 223.71ドル +2.80ドル(+1.27%)
アルコア(AA) 90.69ドル +8.25ドル(+10.01%)
ウォルマート(WMT) 144.23ドル -1.21ドル(-0.83%)
《ST》