利食いは意識されるものの、日経平均は75日線水準が目先的なターゲットへ/オープニングコメント
22日の日本株市場は、買い一巡後はこう着感が強まりやすい相場展開になりそうだ。21日の米国市場ではNYダウが201ドル安だった。ロシア、ウクライナ停戦交渉への期待から買い先行で始まったものの、中国での旅客機墜落事故を受けたボーイングの下げがダウを押し下げ下落に転じた。さらに、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が全米企業エコノミスト協会(NABE)で講演し、インフレ高進を抑制するため必要とあれば大幅な利上げも辞さないとするタカ派姿勢を再表明したため金利上昇が警戒視された。シカゴ日経225先物清算値は大阪比330円高の27060円。円相場は1ドル119円40銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から買い先行で始まろう。21日の米国市場は下落となったものの、シカゴ先物は18日の水準をキープしていることから、節目の27000円を意識したトレンド形成になりそうだ。日経225先物はナイトセッションで75日線水準までのリバウンドを見せており、日経平均についても同線が位置する27500円水準が目先的なターゲットとして意識されやすいだろう。ADR市場では指数インパクトの大きい値がさ株が総じて堅調だったこともあり、日経平均をけん引する格好になりそうだ。
75日線が上値抵抗線として意識されやすく、同線接近では先週の強いリバウンドに対する利益確定の動きも意識されやすいところではある。ただし、先週の上昇については概ね買い戻しが中心と見られるほか、裁定買いが日経平均を押し上げた格好だろう。先高期待からの積極的な買いの動きはみられていないことから、買い戻しの入りやすい需給状況の動きは継続しそうである。一方で、先週の25日線突破から75日線水準を捉えてくるなか、トレンド転換を想定した押し目買い意欲が強まりやすく、下値を徐々に切り上げてくる可能性はありそうだ。
また、新型コロナ対策のまん延防止等重点措置は、21日の期限をもってすべての地域で解除されたことから、経済活動正常化に向けたセンチメントに向かいやすいだろう。ウクライナとロシアの停戦協議の行方など引き続き不透明要因はあるものの、外部環境に振らされにくいIT関連など中小型株への物色も意識されそうだ。マザーズ指数は前週のリバウンドで25日線を突破してきており、3月前半の戻り高値水準に接近してきた。現在の水準から直近戻り高値水準を捉えてくるようだと、累積出来高の薄い価格帯に入ってくることから、出遅れ修正の動きにも向かいやすいだろう。出だしから調整が続いていた直近IPO銘柄を見直す動きなども意識されてくる可能性がありそうだ。
《AK》