話題株ピックアップ【夕刊】(1):西松屋チェ、郵船、イーレックス
■ジャパンディスプレイ <6740> 48円 +4 円 (+9.1%) 本日終値 東証1部 上昇率7位
ジャパンディスプレイ<6740>が急伸。30日の取引終了後、茂原工場(千葉県茂原市)の第6世代(G6)量産ラインで、従来の酸化物半導体薄膜トランジスタ(OS-TFT)技術に革新的な特性向上を実現するバックプレーン技術の開発に世界で初めて成功したと発表したことが好感された。今回開発された新技術は、電界効果移動度が従来のOS-TFT技術と比較して2倍以上となる高移動度酸化物半導体技術及び4倍以上となる超高移動度酸化物半導体技術。新技術により有機EL製品を始めとするディスプレーデバイスの技術革新を飛躍的に加速させ、ディスプレーの低消費電力化や、高精細・高リフレッシュレート化によるメタバース・ディスプレーの映像リアリティーや臨場感の向上、透明ディスプレーの透明感・表示品位の向上に寄与するとしている。同社では24年に量産を開始する予定で、開発中の次世代有機ELとの組み合わせでウェアラブルデバイスを中心とした新製品をG6ラインで量産し、26年3月期に約250億円、27年3月期に約500億円の売り上げを目指すとしている。
■西松屋チェーン <7545> 1,578円 +94 円 (+6.3%) 本日終値
西松屋チェーン<7545>は5連騰。30日の取引終了後に発表した23年2月期の単独業績予想で、売上高1700億円(前期比4.3%増)、営業利益136億円(同10.9%増)、純利益90億9400万円(同7.0%増)を見込んでおり、これを好感した買いが流入した。不採算店舗のスクラップやリプレースにより、収益性の改善を図りながら標準化された店舗を積極的に出店するほか、インターネット販売も強化する。また、ITなどの利用によりローコストオペレーションを推進し、3期連続で過去最高の営業利益更新を目指す。なお、22年2月期決算は、売上高1630億1600万円(前の期比2.3%増)、営業利益122億5900万円(同1.4%増)、純利益84億9800万円(同2.7%増)だった。自社で運営するECサイト「西松屋公式オンラインストア」を21年11月にオープンしたほか、PB商品を強化し仕入計画とシーズンごとの在庫管理を徹底したことが奏功し増収増益を確保した。同時に、上限を44万2000株(発行済み株数の0.73%)、5億円とする自社株取得を実施すると発表しており、これも好材料視された。取得期間は4月1日から同月21日で、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の実行及び株主への利益還元を目的としている。
■日本郵船 <9101> 10,760円 +600 円 (+5.9%) 本日終値
日本郵船<9101>が全上場銘柄のなかで売買代金首位となり、株価を大きく切り返しているほか、商船三井<9104>や川崎汽船<9107>なども売買代金上位10傑に食い込み、株価を大幅上昇させている。前日は配当権利落ちに伴い急速な調整を余儀なくされたが、きょうは押し目買いの動きが優勢となっている。配当権利取りの動きは終了しても、PERが大手3社ともに揃って2倍未満となっており、株価指標面から超割安であることが投資資金を誘導している。市場では「23年3月期も利益の伸び率が大幅に鈍化するとしても、増益基調が確保できるとの見方が優勢」(中堅証券ストラテジスト)で、その場合は、記録的な低PERが続き、現在の配当水準も維持されるとの読みも働いている。
■イーレックス <9517> 1,732円 +65 円 (+3.9%) 本日終値
イーレックス<9517>が大幅高。きょう付の日本経済新聞朝刊で「ベトナムで2035年までにバイオマス発電所を20基以上新設する」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、現地のコメのもみ殻や稲わらなどを燃料に使い、安価で安定した調達網を整えるのが狙いで、総建設費は3000億円以上に上る見通しという。35年までに出力5万~13万キロワットの発電所を23基程度稼働するとしており、ベトナム政府と建設地の選定を進め、23年度から順次着工するとしている。
■チャームケア <6062> 1,112円 +35 円 (+3.3%) 本日終値
チャーム・ケア・コーポレーション<6062>は続伸。30日の取引終了後、連結子会社であるライクが保有する介護付き有料老人ホーム「花咲新町」を譲渡するのに伴い、第3四半期業績に固定資産売却益約8億円を特別利益として計上する見込みと発表。資産の効率化及び財務体質の向上を図るためという。なお、22年6月期業績予想への影響は現在精査中としている。
■デジタルHD <2389> 1,397円 +42 円 (+3.1%) 本日終値
デジタルホールディングス<2389>が3日続伸。午後1時ごろ、傘下のオプトがGoogle Cloud Buildパートナー認定を取得したと発表。Google Cloud Buildパートナーは、Google Cloud Partner Advantageプログラムで、Google Cloudと統合または実行するソリューションを作成し、Googleのプロダクトを補完、強化するパートナーを対象とした制度。認定パートナーとしてGoogle Cloudから受けられる技術やマーケティング支援を生かすことができ、受注獲得への貢献が期待されている。
■シンフォニア <6507> 1,332円 +35 円 (+2.7%) 本日終値
シンフォニア テクノロジー<6507>は3日ぶりに反発。岩井コスモ証券は30日、同社株の投資判断を新規「A」でカバレッジを開始した。目標株価は1900円とした。同社は半導体搬送から航空宇宙まで注目産業に機器を供給する装置メーカー。モーション機器やパワーエレクトロニクス機器を牽引役に第3四半期累計(21年4~12月)の受注高は前年同期比3割増の793億4100万円と拡大。この力強い受注を背景に、同社は2月に22年3月通期の連結営業利益を従来予想の59億円から69億円(前期比41.1%増)とする増額修正を発表している。同証券では、今後も航空、宇宙、電気自動車(EV)向けなどに活躍の場が拡大することを予想し、株価は連結PERで7倍台の水準にあることから割安感を指摘している。
■淺沼組 <1852> 4,990円 +60 円 (+1.2%) 本日終値
淺沼組<1852>が高い。午後0時30分ごろ、7月31日を基準日として1株を2株に株式分割すると発表。投資単位当たりの金額を引き下げることで、株式の流動性を向上させ、より投資しやすい環境を整え、投資家層の拡大を図ることが目的という。効力発生日は8月1日。
■オプトラン <6235> 2,105円 +24 円 (+1.2%) 本日終値
オプトラン<6235>が続伸。30日の取引終了後、成膜技術の微細化や高機能化する市場ニーズに対応するために、新規に国内で研究開発施設を取得すると発表しており、これが好感された。今回取得する新たな研究開発施設は、埼玉県鶴ヶ島市の物件で、グローバル研究開発本部機能の強化を目指す。取得資金は自己資金でまかない、9月に取得し運用開始は23年を予定している。なお、22年12月期業績に与える影響は軽微としている。
■ディスコ <6146> 34,400円 +300 円 (+0.9%) 本日終値
ディスコ<6146>が反発。この日、東京都大田区に「羽田R&Dセンター」を4月1日付で開設すると発表しており、これが好材料視された。現在の製品・技術開発拠点である本社・R&Dセンター(東京都大田区)は既にフルキャパシティーに近い状態にあるが、羽田R&Dセンターの開設により研究開発拠点全体のフロア面積が従来比で約2.2倍となり、多様な開発ニーズに柔軟に対応できる体制の構築が可能となるという。また、これまで生産拠点で行っていた新製品の量産に向けた検証が開発拠点で実施可能となり、生産体制の強化にもつながるとしている。
株探ニュース