来週の株式相場に向けて=東証再編スタート、TOPIX浮動株比率など注目
東京市場は名実ともに新年度相場入りしたが、1日の日経平均株価は前日比155円安と3日続落。3月相場での急激な戻りを背景に、利益確定売りが優勢となった格好だ。日経平均は200日移動平均線のある2万8200円前後が上値のメドと意識される展開。海外市場では、NYダウやナスダック指数が3月は大幅な反発を演じただけに、「4月は日米ともに高値圏での一服となる展開も」(市場関係者)との見方も少なくない。
そんななかで、マザーズ指数に底打ち期待が出ていることは注目される。2月と3月安値でダブル底を形成しつつあり、大量の売り越しを続けていた外国人投資家も足もとでは2週連続で買い越している。
来週は4日から、いよいよ東証再編がスタートし、「プライム」「スタンダード」「グロース」の3市場区分となる。60年ぶりの改革とも呼ばれるが、実質横滑りの銘柄が多く「当初は株価面であまり大きな変化はないのではないか」(アナリスト)との声が多い。東証1部からスタンダード市場に上場する企業も、TOPIXに継続採用されるからだ。それでも、東証1部からスタンダード市場に上場する日本オラクル<4716>や住友精密工業<6355>、あるいはプライム市場の基準を満たしながらもスタンダード市場を選択した大正製薬ホールディングス<4581>やキャンドゥ<2698>などの動向は注目される可能性もある。
そんななか関心を集めているのが東証から7日に発表が予定されているTOPIX浮動株比率の算定方法見直しだ。政策保有株を固定株と定義するため、保ち合い株の比率の大きい企業などには売り圧力も予想される。売買インパクトを軽減させるため、4月、5月、6月の最終営業日に3段階で移行する予定だ。4月分は27日にリバランス売買が見込まれており、その動向も注視される。なお再編後もマザーズ指数は算出が継続される。
来週は、引き続きウクライナ情勢に加え、今晩発表の米3月雇用統計の結果に左右される可能性がある。東証再編以外には目立ったイベントは少なく、海外では5日に米3月ISM非製造業景況指数が発表され、6日に3月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が公表される。国内では、7日にウエルシアホールディングス<3141>とセブン&アイ・ホールディングス<3382>、8日に安川電機<6506>の決算発表が予定されている。来週の日経平均株価の予想レンジは、2万7200~2万8200円前後。(岡里英幸)
最終更新日:2022年04月01日 19時04分