米国株式市場見通し:第2四半期入り、3月FOMC議事録に注目

市況
2022年4月2日 14時26分

ロシア、ウクライナ戦争の行方が引き続き不透明であるほか、FRBの引き締めペース加速がネガティブ要因となるが、第2四半期入りに伴う新規投資が相殺するだろう。今年の1-3月期の株式市場はパンデミックが始まった2年前以降で最悪となったが、4月は税還付金など新たな投資資金が相場に流入することなどから、1年を通じて最も相場が上昇する確率が高く、特に月後半からの持ち直しに期待したい。

FRBは6日に3月連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録を公表する予定で注目だ。FRBはこの会合で、2018年以降で初めてとなる利上げを決定。内容については、特に株式相場に与える影響が大きいバランスシート縮小(QT)を巡る協議に焦点を当てたい。パウエル議長は早くて5月に計画を発表すると言及していたが、タカ派メンバーは経済にもはやパンデミック緊急対策の大規模緩和は必要でなく、できるだけ速やかにバランスシート解消を開始すべきと主張している。

同時に、強い雇用統計を受けて一部期間の長短金利が逆転したため、景気後退入りの兆候だとする警戒感も高まった。本年の投票権を有するカンザスシティー地区連銀のジョージ総裁はバランスシート解消を速やかに行えば利回り曲線がスティープニング化すると主張している。歴史的に逆イールドの発生で、全て最終的に景気後退入りに繋がっているわけではない。また、万が一、景気後退入りを示唆しているとしても、1年前後先のことになる。不安感から相場が過剰に下落した場合には、良い買い場になるだろう。

パウエル議長を含め、ほとんどのメンバーは段階的な利上げペースが好ましいとしているが、経済やインフレ指標次第で0.5ptの大幅な利上げにもオープンだとの見方を示しており、今後の指標結果が注目される。投資家や市場関係者はFRBの金融緩和解除の立ち遅れを指摘すると同時に、国債市場での長短金利の行方に一喜一憂している。急速で過剰な利上げがいずれ、景気後退につながるとの警戒感も根強い。FRB高官は総じて、利上げによる影響が制御可能だとみており、ソフトランディングを予想しているが、投機家、投資家の一部はハードランディングを警戒しており、こうした見方が上値を抑制する要因になりそうだ。

経済指標では、2月製造業受注、2月耐久財受注確定(4日)、2月貿易収支、3月サービス業PMI確定、3月ISM非製造業景況指数(5日)、週次新規失業保険申請件数、2月消費者信用残高(7日)、2月卸売売上高(8日)、などが予定されている。そのほか、FRBは6日に3月開催分のFOMC議事録を公表する。

主要企業決算では、衣料品メーカーのリーバイ・ストラウス(6日)、アルコール飲料会社のコンステレーション・ブランズ、加工食品メーカーのコナグラ・ブランズ(7日)、などが予定されている。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.