【杉村富生の短期相場観測】 ─小物(中・小型)材料系主導の相場に!
「小物(中・小型)材料系主導の相場に!」
●インデックスの動きにこだわるな!
インデックス(日経平均株価、NYダウなど)ばかりに目を奪われていると、買い気の強さを見失う恐れがある。経験則的に、反騰相場の主役は王道銘柄、という。ショート(弱気)筋の先物のポジション修正、カラ売り・貸株の買い戻しがあって、主軸株が真っ先に買われる。しかし、それが一巡すると、小物(中・小型株)が物色される。
現状は経験通りになりつつある。いや、すでにそうなっている。ちなみに、直近安値→直近高値(ザラバベース)の上昇率をみると、NYダウが9.6%、日経平均株価が15%となっている。これに対し、マザーズ指数は22%だ。抜群に強い。大幅安の反動はあろうが、個人投資家の市場回帰を物語っているのではないか。
その象徴が直近IPOのエッジテクノロジー <4268> [東証M]だろう。公募価格は350円だった。2月24日には412円の安値があったが、3月30日には1857円の高値まで急伸した。安値比4.5倍である。買い気配のみ(値つかず)で上昇したわけではない。商いを伴った急騰劇だ。多くの投資家が参加できたと思う。
やはり、直近IPOのメンタルヘルステクノロジーズ <9218> [東証M]も人気化の兆しをみせている。公募価格は630円だ。3月30日上場のギックス<9219> [東証M]は初日に、公募価格(1070円)を割り込んだが、31日は一転しストップ高になった。これらの事例は旺盛な買い気を示している。
●基本は個別物色、銘柄勝負の展開に!
4月以降は東証再編に伴って、東証1部、2部、東証マザーズ、ジャスダックの区分が消え、プライム、スタンダード、グロース市場となる。東証2部、東証マザーズ、ジャスダック上場の銘柄の多くがスタンダード、グロースに編入される。週明けの新市場がどんな値動きをみせるか、要注目といえそうである。
リリカラ <9827> [JQ]の時価はPER4.8倍、PBR0.56倍と出遅れが著しい。好業績の背景はコロナ禍(在宅勤務)に伴うリフォームブームという。アスコット <3264> [JQ]はジリ高だ。首都圏中心のマンション開発事業が伸びている。中国平安グループ、SBIホールディングス <8473> が大株主であり、経営リスクは乏しい。
動兆しきりなのはビープラッツ <4381> [東証M]、ログリー <6579> [東証M]、ピアラ <7044> 、ERIホールディングス <6083>、スマートバリュー <9417> など。日本電波工業 <6779> は出直りの構え。商いが急増してきた銘柄は注目を集める。テクニカル的には出来高は株価に先行する、という。
テーマ性を考慮すると、ニュージーランドでの植林事業(4万ヘクタール)が軌道に乗ってきたウッドワン <7898> 、中堅企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)化支援を行っているウイングアーク1st <4432> 、売上高が3割ペースで伸び、切り口多彩な青山財産ネットワークス <8929> [東証2]に妙味があろう。
繰り返しになるが、当面はインデックスよりも個別銘柄重視の展開になろう。全般相場については高値波乱だろう。ただ、最悪シナリオを叫び、売り叩いただけに、大底は確認(日経平均株価のザラバ安値は3月9日の2万4681円)している。4月相場は外部環境の好転待ちとなる。もちろん、押し目は買える。
2022年4月1日 記
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株探ニュース