株価指数先物 【週間展望】 ―2万8000円を中心に2万7500円~2万8500円辺りのレンジ推移を想定
「2万8000円を中心に2万7500円~2万8500円辺りのレンジ推移を想定」
今週の日経225先物は、2万8000円を中心に2万7500円~2万8500円辺りのレンジ推移を想定しておきたい。ウクライナ情勢に関する報道に加えて、6日には3月に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が公表されるため、外部環境に振られやすい状況が続く。ウクライナ情勢については、4月1日にオンラインで停戦協議が再開されたが、依然として双方の歩み寄りは見られなかった。ただし、ロシアのプーチン大統領とウクライナのゼレンスキー大統領による首脳会談が開かれる可能性なども報じられており、相場の変動要因になりそうだ。
また、FOMC議事要旨については、足元でパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長をはじめ複数のFRB高官が、5月のFOMCでの0.5%の利上げに言及しているほか、バランスシート縮小(QT)の可能性を示唆するなど、タカ派姿勢を強めていた。1日に発表された3月の米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比43.1万人増と予想は下回ったものの、失業率は市場予想以上に低下したほか、平均時給が予想以上に増えた。雇用統計の結果を受けて、債券市場では2年債が10年債利回りを上回る逆イールド(長短金利の逆転)が発生。インフレ押し下げに向けた措置を巡る協議内容に市場の関心が集まりやすく、これを受けた米国市場の動向に対して神経質になりそうである。
そのなかで、需給面が下支えとなる可能性がある。先週は期末特有の需給要因の影響からこう着感の強い相場展開だった。東京市場は配当再投資のほか年金基金による株式比率の修正に伴う需給、オリックス<8691>の日経平均組み入れのためのリバランスの商いを睨んだ動きだった。また、米国市場でも月末と期末が重なったことによるリバランスの動きがあった。特に米国のリバランス需給については、3月の上旬時点では買い越しと見られていたものの、その後の米国市場の強いリバウンドによって結果は大幅な売り越しとなり、3月31日のNYダウは550ドルを超える下落だった。
もっとも、期末の需給面での影響が大きかった分、これを通過したことによって今後は新年度入りに伴う資金流入が意識されてくることで、下値の堅さが意識されやすいだろう。日経225先物は75日移動平均線が2万7210円辺りに位置しており、レンジ下限を下回ったとしても同線が目先的には支持線として意識されやすく、押し目狙いのロングスタンスで対応したいところである。先週末の東京市場では米雇用統計の発表を控えていたこともあって、新年度入りに伴う資金流入と見られる動きは目立っていなかった。今週もFOMC議事要旨の公表を控えていることから慎重姿勢ながらも、押し目ではインデックスに絡んだ資金流入が意識されそうだ。
また、VIX指数は19.63に低下した。3月末には一時21.48に上昇する場面があったが、引き続き20.00を下回ってきたことで、ショート筋は仕掛けづらくなっただろう。3月半ば以降は低下が続いているため、いったんはリバウンドが想定されるものの、75日線が位置する24.30水準を明確に上放れてくるまでは、過度にリスクオフの動きにはつながらないとみておきたい。そのほか、先週のNT倍率は先物中心限月で緩やかな上昇を見せており、週半後半には約1カ月ぶりに14.30倍を回復。75日線を挟んだ攻防から同線を支持線に変えてきていることもあり、NTロング寄りの動きだった。
なお、4日から東証の市場区分が変更となり、プライム市場、スタンダード市場、グロース市場の3つに再編される。新たな市場区分によって物色に変化が見られるかを見極めたいところだが、TOPIXについては10月末から、四半期ごと10段階で構成比率を逓減(ていげん)する一方で、日経平均構成銘柄は毎年1回を原則として10月に定期入れ替えが行われる。ウエイト調整の頻度から見た場合、足元では日経平均型への組み入れが優勢になりそうだ。
3月第4週(3月22日-25日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週連続で買い越しており、買い越し額は1234億円(前週は2740億円の買い越し)だった。なお、現物は1649億円の売り越し(同1955億円の売り越し)と5週連続の売り越しであり、先物は2884億円の買い越し(同4695億円の買い越し)と3週連続で買い越している。個人は現物と先物の合算で3307億円の売り越しで、2週連続の売り越しだった。
経済スケジュールでは、4日に米国2月製造業新規受注、5日に米国2月貿易収支、米国3月ISM非製造業景況指数、6日に中国3月財新サービス部門購買担当者景気指数(PMI)、FOMC議事要旨、7日に2月景気先行指数、8日に3月景気ウオッチャー調査、米国2月卸売売上高などが予定されている。
――プレイバック・マーケット――
●SQ値
01月限 日経225 28266.57 TOPIX 1988.69
02月限 日経225 27835.60 TOPIX 1965.67
03月限 日経225 25457.94 TOPIX 1808.03
◆日経225先物(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
22/06 04月01日 27840 27920 27390 27660 -130
22/06 03月31日 27950 28090 27670 27790 -210
22/06 03月30日 28020 28410 27720 28000 +80
22/06 03月29日 27790 28030 27710 27920 +270
22/06 03月28日 27880 28050 27570 27650 -260
◇TOPIX先物(日足)
始値 高値 安値 清算値 前日比
22/06 04月01日 1949.5 1954.5 1920.0 1941.5 -5.0
22/06 03月31日 1964.0 1970.5 1943.5 1946.5 -21.5
22/06 03月30日 1968.5 1994.5 1949.0 1968.0 +7.0
22/06 03月29日 1954.0 1972.0 1951.0 1961.0 +16.0
22/06 03月28日 1960.0 1972.0 1940.5 1945.0 -18.0
●シカゴ日経平均 円建て
清算値 前日比
04月01日(06月限) 27795 +135
03月31日(06月限) 27535 -255
03月30日(06月限) 27760 -240
03月29日(06月限) 28340 +420
03月28日(06月限) 28010 +360
※前日比は大阪取引所終値比
□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
売り 前週末比 買い 前週末比
03月25日 2514億円 +136億円 1兆3237億円 +1692億円
03月18日 2378億円 +317億円 1兆1545億円 +2178億円
03月11日 2060億円 +2018億円 9366億円 +4736億円
03月04日 42億円 -292億円 4630億円 +346億円
02月25日 334億円 -9億円 4283億円 -647億円
02月18日 344億円 -1482億円 4931億円 +805億円
02月10日 1826億円 +1471億円 4126億円 +603億円
02月04日 355億円 +316億円 3522億円 -84億円
□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
売り 前日比 買い 前日比
03月30日 7681万株 +218万株 5億0625万株 +216万株
03月29日 7462万株 +51万株 5億0409万株 +5041万株
03月28日 7410万株 +715万株 4億5368万株 -306万株
03月25日 6695万株 +165万株 4億5674万株 +179万株
03月24日 6530万株 -97万株 4億5494万株 -372万株
03月23日 6628万株 +1万株 4億5867万株 +2855万株
03月22日 6626万株 -4万株 4億3011万株 +2558万株
03月18日 6631万株 +932万株 4億0453万株 +1843万株
03月17日 5698万株 -222万株 3億8609万株 +1276万株
03月16日 5921万株 +118万株 3億7332万株 +2642万株
03月15日 5803万株 -18万株 3億4689万株 +1396万株
03月14日 5821万株 -7万株 3億3293万株 -400万株
■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分)
【2022年】
1月14日 701億円
1月25日 701億円
2月14日 701億円
3月07日 701億円
株探ニュース