1日の米国市場ダイジェスト:米国株式市場は反発、強い3月雇用統計を好感
■NY株式:米国株式市場は反発、強い3月雇用統計を好感
ダウ平均は139.92ドル高の34,818.27ドル、ナスダックは40.98ポイント高の14,261.50で取引を終了した。
3月雇用統計が労働市場の強さを裏付けたことで寄り付き後上昇。一方、労働市場の逼迫や賃金の伸びが予想を上回ったことにより、5月連邦公開市場委員会(FOMC)での大幅利上げ観測が強まったことが警戒されたほか、長短金利の逆転で景気後退懸念も浮上し、一時下落に転じた。しかし、第2四半期入りで新規投資が下支えとなり、再び上昇。引けにかけて上げ幅を拡大した。セクタ?別では不動産が上昇した一方で、運輸が下落。
電気自動車メーカーのテスラ(TSLA)は第1四半期の出荷台数が過去最高を記録するとの見通しは示して上昇。液化天然ガス(LNG)プロジェクト開発会社のテルリアン(TELL)は、LNG価格の上昇が当面続き同社の収益増に繋がるとして、アナリストが投資判断を引き上げ大幅高となった。また、カジノ運営のウィンリゾーツ(WYNN)はマカオの同社ライセンスに関する不透明感が解消されつつあることを理由にアナリストが投資判断を引き上げたことで上昇。一方、半導体・通信機器メーカーのクアルコム(QCOM)は短期的な消費鈍化を織り込みアナリストが同社の投資判断を引き下げたため、下落した。サイバーセキュリティソフトウェアのブラックベリー(BB)は第4四半期決算の内容や見通しが市場予想を超過せず失望感から売られた。
オンライン小売りのアマゾン(AMZN)はニューヨーク市スタテンアイランド物流拠点で1日、同社として国内初の労組結成が従業員投票により賛成多数で可決されたことを受け、異議申し立てを含めた対応を検討していると報じられた。同社株は上昇。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:良好な雇用統計を受け米利上げ加速観測強まる
1日のニューヨーク外為市場でドル・円は、122 円45銭から123円03銭まで上昇し、122円56銭で引けた。3月雇用統計で失業率が予想以上に低下し、パンデミックにより経済が封鎖する前の水準を回復した。非農業部門雇用者数の伸びは予想を下回ったが、過去2カ月分が上方修正された。さらに、賃金の上昇も予想を上回ったため、5月連邦公開市場委員会(FOMC)での50ベーシスポイントの利上げを正当化するとの見方が強まり、ドル買いが加速。その後、3月ISM製造業景況指数が予想外に2月から低下したほか、2年債と10年債利回りが逆転したため、景気後退懸念が浮上し、ドルは伸び悩んだ。
ユーロ・ドルは1.1059ドルから1.1028ドルまで下落し、1.1045ドルで引けた。ユーロ・円は135円88銭まで上昇後、135円15銭まで反落。ポンド・ドルは1.3135ドルから1.3087ドルまで下落した。ドル・スイスは0.9238フランから0.9280フランまで上昇した。
■NY原油:続落、戦略石油備蓄の放出を意識した売りは一巡との見方も
1日のNY原油先物5月限は、続落(NYMEX原油5月限終値:99.27 ↓1.01)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物5月限は、前営業日比-1.01ドルの99.27ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは97.78ドル-101.75ドル。アジア市場で101.75ドルから97.78ドルまで下げたが、戦略石油備蓄の放出を意識した売りは一巡し、ニューヨーク市場で101.00ドルまで戻した。ウクライナ情勢は流動的であり、供給不安は払しょくされていないようだ。通常取引終了後の時間外取引では99ドル台で推移した。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 40.90ドル -0.32ドル(-0.78%)
モルガン・スタンレー(MS) 86.99ドル -0.41ドル(-0.47%)
ゴールドマン・サックス(GS)330.22ドル +0.12ドル(+0.04%)
インテル(INTC) 48.11ドル -1.45ドル(-2.93%)
アップル(AAPL) 174.31ドル -0.30ドル(-0.17%)
アルファベット(GOOG) 2814.00ドル +21.01ドル(+0.75%)
フェイスブック(FB) 224.85ドル +2.49ドル(+1.12%)
キャタピラー(CAT) 219.77ドル -3.05ドル(-1.37%)
アルコア(AA) 90.62ドル +0.59ドル(+0.66%)
ウォルマート(WMT) 151.01ドル +2.09ドル(+1.40%)
《ST》