株価指数先物【寄り前コメント】 イベント通過によるアク抜けも想定されやすく、まずは2万7000円水準での底堅さを見極め
大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 27070 -360 (-1.31%)
TOPIX先物 1908.0 -19.5 (-1.01%)
シカゴ日経平均先物 27110 -320
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
6日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨の公表を控え、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを積極化するとの観測から売り先行で始まった。長期金利の上昇を嫌気してハイテク株が売られたことから、ナスダックは連日で2%を超える下落に。ただし、午後に公表されたFOMC議事要旨では、数回にわたり0.5%の利上げが実施される可能性や5月にも始める資産圧縮について明らかとなり、想定通りの内容だったことから、公表後は材料出尽くしとする買いも見られた。S&P500業種別指数は公益事業、食品・生活必需品小売、医薬品・バイオテクノロジーが上昇する一方で、自動車・同部品、半導体・同製造装置、ソフトウエア・サービスが下落。
シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は日中大阪比320円安の2万7110円で取引を終えた。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比変わらずの2万7430円で始まり、これを高値に売り優勢の動きを見せると、米国市場の取引開始前には2万7200円を割り込んだ。取引開始後に一時2万6990円まで下落する場面が見られたものの、概ね2万7000円~2万7200円辺りでのレンジ推移を継続し、2万7070円で取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り先行で始まろう。ナイトセッションの早い段階で日中につけた2万7200円の安値を割り込み、結局は支持線として意識されていた75日移動平均線を下回っている。サポートを失ったことで節目の2万7000円のほか、25日線が位置する2万6615円辺りが次のサポートラインとして意識されてくる可能性があり、まずは2万7000円水準での底堅さを見極めたいところだ。後場はショートカバーの入りやすい状況が継続していることから、大きく売られる局面においては、その後のリバウンドを狙いたい。
また、FOMC議事要旨の内容はタカ派色の内容だったものの、想定通りのものだ。公表後は下げ渋りを見せており、NYダウ、S&P500、ナスダックともに25日線が支持線として意識されやすい。25日線を割り込んでくるようだと、米国市場についても調整基調が強まる可能性が出てくるため、日中はグローベックスの米株先物の動向を注視することになろう。
VIX指数は22.10に上昇した。朝方に24.78まで急伸する場面が見られたが、同水準に位置する75日線に抑えられた形で上げ幅を縮めている。テクニカルリバウンドの範囲内であるため、リスク回避姿勢はそれほど強まらないだろう。イベント通過によるアク抜けも意識されやすいところだ。
NT倍率は先物中心限月で75日線が位置する14.20倍を挟んだ推移を継続している。米ハイテク株の弱い値動きにより相対的にTOPIX優位になりやすく、NT倍率の低下が見込まれるなかでNTショートの動きが想定されそうだ。ただし、25日線が位置する14.12倍に接近する局面では、いったんはリバウンドを想定したNTショートの巻き戻しとともに、NTロングの動きも意識しておきたい。
株探ニュース