来週の株式相場に向けて=決算シーズン突入も方向感に欠く展開か
日経平均株価は、13~14日の2日で800円強の上昇を演じたが、2万7000円乗せの場面では上値を抑えられる展開が続く。市場関係者は、「目先的には75日移動平均線がある2万7270円前後を抜くことができるかがポイント」(アナリスト)とみている。
焦点となっているのは、米国のインフレ懸念と日米決算の内容だ。米インフレ懸念に関しては12日に発表された米3月消費者物価指数(CPI)のコア指数が予想を下回ったことから、「米物価上昇は目先ピークを打ったのでは」(同)との期待が浮上したが、米金融政策には依然として不透明感が残り5月3~4日の米連邦公開市場委員会(FOMC)までは様子見姿勢が続きそうだ。
また、米国では13日のJPモルガン<JPM>から決算が本格化したほか、日本では21日の日本電産<6594>から決算シーズンに突入する。日本企業の決算に関しては「ウクライナ危機による原油などエネルギー価格高騰や半導体不足などもあり、23年3月期業績見通しは慎重な内容とならざるを得ないのではないか」(国内証券)とみる声が多い。インフレ懸念と決算発表という、2つの注目材料の先行きは不透明なだけに、「当面の日経平均株価は一進一退が続く」(市場関係者)との声がもっぱらだ。方向感に欠ける展開が予想されるなか、1月期決算企業で3月に好業績を発表した三井ハイテック<6966>のような好内容銘柄を探す個別株物色で対応する局面が予想される。
ただ、為替に関しては円安継続を見込む声が多い。「基調変化には日銀の金融政策の見直しが必要」(為替アナリスト)とみられており「ゴールデンウイーク(GW)にかけ1ドル=130円意識も」(同)と予想する声が出ている。
来週は21日に日本電産のほか、ディスコ<6146>、オービック<4684>、22日に東京製鐵<5423>、ジャフコ グループ<8595>が決算を予定している。米国では19日のネットフリックス<NFLX>、それに20日のテスラ<TSLA>の決算が注目されるほか、同じく20日の半導体製造装置大手ASMLホールディングADR<ASML>の決算も関心を集めそうだ。
経済指標では、国内では20日に3月貿易統計、22日に同消費者物価が発表される。更に、21日に東証スタンダードと名証メインにフルハシEPO<9221>、同じく21日に名証ネクストにASNOVA<9223>が新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは2万6600~2万7400円。(岡里英幸)