株価指数先物【寄り前コメント】 相対的な底堅さが意識され、押し目狙いのロングは入りやすい

市況
2022年5月9日 8時20分

大阪6月限ナイトセッション

日経225先物 26800 -310 (-1.14%)

TOPIX先物 1900.0 -19.5 (-1.01%)

シカゴ日経平均先物 26885 -225

(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

6日の米国市場はNYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が下落。注目された4月の雇用統計では、非農業部門雇用者数は前月比42万8000人増と、40万人程度の増加を見込んでいた市場の予想をやや上回ったほか、労働参加率が低下し平均時給は高い伸びが示された。雇用環境の着実な改善を踏まえ、米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを加速させる内容として警戒されたほか、長期金利の上昇も重荷となった。S&P500業種別指数はエネルギー、家庭用品・パーソナル用品、公益事業が上昇する一方で、耐久消費財・アパレル、食品・生活必需品小売、メディアが下落。

シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は日中大阪比225円安の2万6885円で取引を終えた。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比110安の2万7000円で始まり、直後に2万7090円まで下落幅を縮める場面も見られた。ただし、プラスに転じることはできず、2万6900円~2万7090円辺りでの保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にはこのレンジを下回り、一時2万6700円まで下げ幅を広げた。終盤にかけては2万6750円から2万6950円辺りのレンジで推移し、2万6800円で取引を終えた。

日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り先行で始まることになりそうだ。週末の上昇分を帳消しにしており、2万7100円辺りに位置している25日移動平均線が心理的な上値抵抗線として意識されやすい。一方で、2万6800円辺りで推移する5日、75日線が支持線として見られそうだ。4月27日につけた2万5970円(ナイトセッションを含む)を安値に若干ながら下値を切り上げる形状を継続していることもあり、支持線を下回る局面では押し目狙いのロングが入りやすいと見られる。

今週は米国で11日に4月の消費者物価指数(CPI)、12日には4月の卸売物価指数(PPI)の発表が控えているため、この結果を受けた米国市場の動向を見極めたいところであろう。また、国内では決算発表が集中し、週を通じて2400社超の発表が予定されているため、積極的にはポジションを傾けづらい状況だ。そのため、基本的にはスキャルピング中心の売買になりそうであり、そのほかはヘッジ対応を行いながらのスプレッド狙いの動きとなろう。

VIX指数は30.19に低下した。一時35.34まで上昇する場面もあったが、35.00を上回る局面では上値の重さが意識されており、それほどリスクオフムードは高まらないだろう。ただし、25日、75日線を支持線としたリバウンド形状であるため、終値で35.00を上回る局面にでは慎重姿勢に向かいそうだ。

また、先週のNT倍率は先物中心限月で14.12倍だった。一時14.03倍まで低下した後にNTショートによるリバランスの動きとなったようだ。とはいえ、下向きのトレンドが継続しているほか、ナスダックは連日で年初来安値を更新していることもあり、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の動向を睨みながら、NTショートに向わせやすいだろう。

もっとも、日米金利差拡大などを背景に、ドル高・円安基調は継続。岸田首相が「資産所得倍増プラン」の推進や水際対策を更に緩和するとの考えを示すなか、海外勢による資金流入の動きが強まる可能性があり、先進国のなかでは相対的な底堅さが意識されると見ておきたい。

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.