話題株ピックアップ【夕刊】(1):ヤマダHD、ノジマ、川崎汽
■ヤマダホールディングス <9831> 471円 +80 円 (+20.5%) ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率トップ
ヤマダホールディングス<9831>がストップ高。前週末6日の取引終了後、23年3月期業績予想について増収増益に転換する見通しを発表したほか、大規模な自社株買いの実施も明らかにしており、これを好感した買いが膨らんでいるようだ。今期の売上高は前期比4.6%増の1兆6940億円、営業利益は同12.5%増の739億円の見通し。同時に発表した前22年3月期決算は、売上高が前の期比7.6%減の1兆6193億円、営業利益が同28.6%減の657億300万円。会計基準の変更による影響をはじめ、時短営業などによる来店客減少や物価上昇に伴う消費者マインドの低下、巣ごもり需要の反動減などが響いた。あわせて、上限を2億株(発行済み株数の23.9%)、または1000億円とする自社株買いの実施を発表。取得期間は9日から来年5月8日まで。
■ノジマ <7419> 2,998円 +314 円 (+11.7%) 本日終値 東証プライム 上昇率2位
ノジマ<7419>が4連騰し年初来高値を更新。前週末6日の取引終了後に発表した23年3月期連結業績予想で、売上高5650億円(前期比横ばい)、営業利益340億円(同2.5%増)、純利益250億円(同3.3%減)と営業増益を見込み、年間配当予想を前期比2円増の52円を予定していることが好感された。同社では今年4月に「省エネコンサルタント」制度を新設するなどコンサルティング力の強化を図っており、こうした取り組みやデジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みにより増収増益を目指すという。なお、22年3月期決算は、売上高5649億8900万円(前の期比8.0%増)、営業利益331億6600万円(同2.0%減)、純利益258億6200万円(同51.0%減)だった。
■アートSHD <3663> 900円 +82 円 (+10.0%) 本日終値
アートスパークホールディングス<3663>が全体地合い悪をものともせず5日ぶり急反騰、一時11.8%高の915円と4月21日ザラ場以来となる900円台を一気に回復した。前週末6日取引終了後に発表した22年12月期第1四半期(22年1~3月)決算は、営業利益が前年同期比8.4%増の4億5600万円と増益を果たした。対通期進捗率は23%にとどまったが、対中間期(1~6月)進捗率では62%に達していることで、これを評価する買いが入った。もっとも、決算発表後のPTSでは安くなっており、きょうも朝方取引開始前は売り優勢との見方が強かった。市場では「(第1四半期は)サプライズ決算とは決して言えない内容だったが、決算前に外資系経由で貸株調達による空売りが高水準に入っていたことから、そのショートカバーを誘発した」(国内証券ストラテジスト)という見方が示されていた。同社のイラスト制作ソフト「CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)」がドル箱商品として収益を牽引しているほか、写真や画像を3D化するメタバースサービスへの展開にも傾注しており、業容拡大への期待が強い。
■リミックスポイント <3825> 499円 +39 円 (+8.5%) 本日終値
リミックスポイント<3825>が3連騰。正午ごろ、集計中の22年3月期連結業績について、売上高が273億8700万円から287億5300万円(前の期比2.2倍)へ、営業利益が63億2000万円から82億500万円(前の期28億8800万円の赤字)へ、最終利益が50億6000万円から69億1300万円(同29億7400万円の赤字)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好感された。電力先物市場における取引価格が上昇したことで電力先物取引証拠金について期末に実現損益及び評価損益を計上したことに加えて、暗号資産交換業を営む連結子会社ビットポイントジャパンが、エイダ(ADA)やジャスミー(JMY)、ディープコイン(DEP)などの取り扱いを開始し販売所取引の取引量が増えたことなどが寄与した。
■川崎汽船 <9107> 7,720円 +560 円 (+7.8%) 本日終値 東証プライム 上昇率3位
川崎汽船<9107>が後場急上昇。午前11時30分ごろに発表した23年3月期業績予想で、売上高7800億円(前期比3.0%増)、営業利益410億円(同2.3倍)、純利益4600億円(同28.4%減)と営業増益を見込むことが好感された。新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた自動車船事業の回復を見込む。また、サプライチェーンの混乱により需給が逼迫し運賃率が高水準で推移したコンテナ船事業は、市況の調整が予想されるものの、依然として高い水準が継続すると予想する。なお、22年3月期決算は、売上高7569億8300万円(前の期比21.0%増)、営業利益176億6300万円(前の期212億8600万円の赤字)、純利益6424億2400万円(前の期比5.9倍)だった。
■ヒロセ電機 <6806> 17,300円 +610 円 (+3.7%) 本日終値 東証プライム 上昇率5位
ヒロセ電機<6806>が急動意。4月27日に1万5720円の年初来安値をつけたが、その後は底入れ反転の動きを明示、きょうはカイ気配スタートで5日移動平均線を足場に一気に水準を切り上げる展開をみせた。同社が前週末6日に発表した22年3月期決算は営業利益が前の期比46%増の407億6500万円と急拡大し、大幅に過去最高利益を更新した。産業機器や自動車用コネクターの需要が高水準だったほか、円安による為替メリットも発現した。更に23年3月期も前期比8%増の440億円を予想しており、伸び率こそ鈍化するものの連続ピーク益更新見通しにある。また、株主還元にも積極的な姿勢をみせ、前期配当を従来計画から120円上乗せした440円(前の期実績は240円)としたほか、発行済み株式数2.49%相当の94万8853株の自社株を消却することも併せて発表しており、これを好感する買いが集まった。
■プリマハム <2281> 2,186円 +70 円 (+3.3%) 本日終値 東証プライム 上昇率7位
プリマハム<2281>は後場上げ幅を拡大。午後2時ごろに発表した23年3月期連結業績予想で、売上高4410億円(前期比5.1%増)、営業利益161億円(同24.2%増)、純利益106億円(同9.1%増)と大幅営業増益を見込むことが好感された。同社は2月1日からハム・ソーセージや、家庭用加工食品の値上げを実施しており、この効果が期待できる。なお、22年3月期決算は、会計基準の変更に伴い売上高は前の期との比較はないものの、売上高4195億9100万円、営業利益129億6600万円(同39.6%減)、純利益97億1800万円(同31.4%減)だった。
■トーモク <3946> 1,554円 +47 円 (+3.1%) 本日終値 東証プライム 上昇率10位
トーモク<3946>が強含む動き。同社はきょう午後2時30分頃に、23年3月期通期の連結業績予想を公表。営業利益の見通しを前期比20.0%増の100億円としたことや、年間配当計画を前期比8円増配の60円としていることが好感されたようだ。売上高は同11.6%増の2300億円を見込む。主力の段ボール事業では顧客ニーズに対応できる高品質製品の供給体制を強化するとともに、製品価格の改定と物流諸条件の改善に取り組み、収益の向上に努めるとしている。
■ユナイテッドアローズ <7606> 1,852円 +48 円 (+2.7%) 本日終値
ユナイテッドアローズ<7606>が3日続伸。前週末6日の取引終了後に発表した4月度の売上概況(速報)で、小売りとネット通販を合わせた既存店売上高が前年同月比25.9%増となり、2カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。前年は新型コロナウイルス感染拡大に伴う行動自粛、臨時休業などの影響があったが、4月は特に小売の売り上げ、客数が大きく増加した。また、前年に比べてセール売上構成比を抑えたことで、客単価が伸長したことや、前年同月に比べて休日が1日多かったことも寄与した。なお、全社売上高は同21.5%増だった。
■アダストリア <2685> 2,176円 +21 円 (+1.0%) 本日終値
アダストリア<2685>は反発。前週末6日の取引終了後に発表した4月度の月次売上高で、既存店売上高が前年同月比20.1%増と2カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。気温の上昇やゴールデンウイークに向けた外出需要の増加で、春夏商品の販売が好調だった。また、前月に引き続き自社ECサイトのテレビCM放映やキャンペーンの実施が寄与したほか、前年に比べて休日が1日多かった影響もあった。なお、全店売上高は同23.0%増だった。
株探ニュース