話題株ピックアップ【夕刊】(2):日製鋼、ファストリ、トヨタ
■石油資源開発 <1662> 2,701円 +12 円 (+0.5%) 本日終値
石油資源開発<1662>やENEOSホールディングス<5020>、コスモエネルギーホールディングス<5021>が高い。全般相場が下落するなか石油関連株は堅調に推移している。先週末6日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の6月限が前日比1.51ドル高の1バレル=109.77ドルに上昇した。欧州連合(EU)が4日にロシア産石油の輸入を年内に停止する姿勢を示したことが引き続き材料視された。更に、主要7カ国(G7)は8日、ロシア産石油の輸入禁止に取り組むと表明し、日本も原則禁輸の方針を示した。原油需給の一段の引き締まりが予想されるなか、石油関連株が見直されている。
■富士ソフト <9749> 6,820円 +30 円 (+0.4%) 本日終値
富士ソフト<9749>が3日ぶりに反発。6日に提出された変更報告書でシンガポールを拠点とする運用会社の3Dインベストメントが同社株を買い増したことが明らかになった。保有比率は従来の12.98%から14.85%に上昇した。保有目的は「純投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為などを行うこと」としている。
■日本製鋼所 <5631> 3,025円 -700 円 (-18.8%) ストップ安 本日終値 東証プライム 下落率2位
日本製鋼所<5631>はストップ安の3025円に売られた。7日以降の複数のメディアで、子会社が生産する鉄鋼部材の検査データに不適切行為があったことが報じられており、これが嫌気された。報道に対して会社側では「不適切行為の判明は事実だが、当社が公表したものではない。同件に関してはきょう開催の取締役会で審議される予定であり、終了後に速やかに公表する」とコメントしている。
■ミスミグループ本社 <9962> 2,848円 -437 円 (-13.3%) 本日終値 東証プライム 下落率5位
ミスミグループ本社<9962>は大きく売られ年初来安値を更新。前週末6日の取引終了後に23年3月期業績予想を発表。売上高を前期比10.2%増の4035億円、営業利益を同9.7%増の573億円と前期に続き過去最高業績を更新する見通しを示したものの、地合い悪に加え材料出尽くしとの見方から利益確定売りが優勢となっている。コロナ後を見据えた産業界の自動化需要の高まりが追い風になる見込み。年間配当予想は前期比3円90銭高の36円94銭とした。なお、同時に発表した22年3月期決算は、売上高が前の期比17.8%増の3661億6000万円、営業利益は同92.0%増の522億1000万円だった。
■BIPROGY <8056> 2,881円 -364 円 (-11.2%) 本日終値 東証プライム 下落率8位
6日に決算を発表。「今期最終は2%減益へ」が嫌気された。
BIPROGY <8056> [東証P] が5月6日大引け後(15:00)に決算(国際会計基準=IFRS)を発表。22年3月期の連結最終利益は前の期比23.1%増の204億円に伸びたが、23年3月期は前期比2.4%減の200億円に減る見通しとなった。
■日本セラミック <6929> 2,258円 -175 円 (-7.2%) 本日終値
日本セラミック<6929>が急反落。同社は6日取引終了後に、22年12月期第1四半期(1~3月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比4.4%減の8億7200万円となり、上半期計画の20億5000万円に対する進捗率は42.5%にとどまった。売上高は同3.0%増の51億2900万円で着地した。車載安全向け製品の売り上げは堅調だったが、世界的な半導体不足の影響などから自動照明向けなどのセンサー製品が苦戦。利益面では売上原価の上昇が重荷となった。なお、上半期及び通期の業績予想は従来見通しを据え置いている。
■ファーストリテイリング <9983> 57,480円 -3,840 円 (-6.3%) 本日終値
ファーストリテイリング<9983>が急落、一時下げ幅は4000円を超え、日経平均へのマイナス寄与度で群を抜く状況となっている。国内の既存店売上高は足もと回復傾向にあるが、世界景気減速が意識されるなか、売上高の半分を海外で稼ぐ同社にとって業績の先行き不安が根強いという見方が市場では指摘されている。ただ、きょうは先物主導で日経平均の下げが助長されており、同社株には株式需給面からインデックス売り圧力が株価の押し下げ要因となっている面も強い。需給主導で下げ過ぎとの判断も働くところで、5万7000円大台近辺では短期リバウンド狙いの買いも入ったようだ。
■アクシアル <8255> 3,145円 -190 円 (-5.7%) 本日終値
6日に決算を発表。「今期経常は7%減益へ」が嫌気された。
アクシアル リテイリング <8255> [東証P] が5月6日大引け後(15:00)に決算を発表。22年3月期の連結経常利益は前の期比15.5%減の106億円になり、23年3月期も前期比6.7%減の99億円に減る見通しとなった。
■トヨタ自動車 <7203> 2,245円 -31 円 (-1.4%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>は全般地合い悪のなかも頑強な値動き。前週末の米国債券市場では4月の米雇用統計発表を受け10年債利回りが急上昇し、3.14%前後まで大きく水準を切り上げた。日米金利差拡大を背景に外国為替市場ではドル買い・円売りの動きが活発化し、1ドル=130円70銭前後まで円安が進行しており、輸出株セクターのなかでも為替感応度の高い自動車セクターには為替メリットへの期待が追い風材料となっている。特に同社は、為替感応度が国内製造業のなかでも一頭地を抜いており、株価面でプラス材料として作用しやすい。同社の22年3月期通期の想定為替レートは1ドル=111円で、実勢とのギャップが非常に大きい。今週11日には決算発表を控えており、今期業績見通しに対する為替の影響も考慮されるなか、売りと買いの思惑が錯綜した。
■東亜石油 <5008> 2,540円 -21 円 (-0.8%) 本日終値
東亜石油<5008>は5日続落。前週末6日の取引終了後、京浜製油所(川崎市川崎区)が過去に生産したガソリンや軽油など12品目の石油製品で、製品試験の一部に不適切行為があったと発表しており、これが嫌気された。
株探ニュース