【杉村富生の短期相場観測】 ─目先は底入れ、反発のタイミング!

市況
2022年5月15日 9時15分

「目先は底入れ、反発のタイミング!」

●4月以降の売り圧力はほぼ一巡!

気迷い感の強い相場である。しかし、筆者は「底入れのタイミングが近い」と考えている。実際、4月以降の売り圧力は一巡したのではないか。確かに、インデックス(日経平均株価TOPIX)は相変わらず、ヘッジ売り、投機の対象となっている。12日の空売り比率は48.4%と高水準だ。ネット証券の信用取引(買い)の評価損率は3割超という。

異常値だ。これではちょっとした株価の下落によって追い証が発生、投げを余儀なくされる。ただ、SQ(特別清算指数の算出)を通過、6月決算ファンドの解約45日ルール(解約は決算期末の45日前に通知すること)も越える。ソフトバンクグループ <9984> [東証P]の反発は売り方の買い戻しだ。今後は集中豪雨的な売りは止まる。

ナスダック指数は昨年11月22日の1万6212ポイント(ザラバベース)を高値に、この5月12日には1万1108ポイントの安値まで売り込まれた。下落率は31.5%となる。ハイテク系の高PER銘柄が多いだけに、金融引き締め(金利上昇)に弱い。「弱気マーケット」なのは確かだが、下げすぎではないか。

半面、NYダウの下落率は15.5%(1月5日の高値3万6952ドル→5月12日の瞬間安値3万1228ドル)にとどまっている。この安値水準の25日移動平均線とのマイナスカイリ率は5.7%だ。今後の動きはウクライナ情勢、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策とはいえ、目先は底打ち、反発の時期と判断する。

一方、日経平均株価は年初来安値を更新したNYダウと違って、3月9日の安値2万4681円を下回っていない。この背景には先に下げたこと(昨年9月14日の高値3万0795円比の下落率は19.9%)に加え、PER、PBRなどの株価指標的に出遅れていることがあろう。もちろん、外国人、機関投資家など実需筋の買いが入り始めている。

●元気な強い銘柄を攻めるのがセオリー!

ヨーロッパは戦時体制下にある。国際紛争を解決するオプションとして「戦争」を持ち出す国が出現、それを実践している。恐ろしい時代である。これに対し、国連は無力だ。G20は機能不全に陥っている。中国、インド、ブラジル、サウジアラビアなど9カ国はロシア制裁に参加していない。ロシアを加えると、G20の半数になる。

ドルの基軸通貨体制を維持し、西側が結束するにはG7の活用、およびNATO(北大西洋条約機構)の強化しかない。いずれにせよ、戦後の国際秩序は崩壊した。マーケットは国際情勢の激変、FRBの利上げ、QT(量的金融引き締め)に脅え、身構えている。しかし、この流れは止められない。投資家は順応できると思う。

コロナ禍に伴う中国の上海市などのロックダウン(都市封鎖)によるサプライチェーンの混乱はピークを越えつつある。中国は全体主義国家だ。国の威信にかけて、絶対に封じ込める。要するに、悪材料の多くが株価にほぼ織り込まれた。すなわち、株価には先見性がある。この世界では「理路整然と曲がる」という。その愚は避けるべきだろう。

狙い目はどうか。やはり、元気な強い銘柄がターゲットになろう。具体的には好業績、かつテーマ性内包のカオナビ <4435> [東証G]、日揮ホールディングス <1963> [東証P]、トプコン <7732> [東証P]、フレクト <4414> [東証G]、インパクトホールディングス <6067> [東証G]、アステリア <3853> [東証P]など。

このほか、絶好の押し目を形成中の新日本科学 <2395> [東証P]、ウッドワン <7898> [東証S]、ヴィスコ・テクノロジーズ <6698> [東証S]、ウエストホールディングス <1407> [東証S]、メイコー <6787> [東証P]はじっくり狙える。トランクルームのストレージ王 <2997> [東証G]は将来性に着目できる。

2022年5月13日 記

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.