23日の米国市場ダイジェスト:NYダウ618ドル高、金融セクターがけん引
■NY株式:NYダウ618ドル高、金融セクターがけん引
米国株式市場は上昇。ダウ平均は618.34ドル高の31880.24ドル、ナスダックは180.65ポイント高の11533.27で取引を終了した。バイデン大統領が訪問中のアジアで国内経済の景気後退の可能性を巡り「避けられないものではない」と述べたほか、対中制裁の緩和を示唆したため、景気への悲観的な見通しが緩和し、寄り付き後、上昇。さらに、銀行のJPモルガン(JPM)のダイモン最高経営責任者(CEO)が投資家向け説明会で経済や業績に明るい見解を示したため金融セクターが買われ、相場の上昇をけん引した。セクター別では、銀行やテクノロジー・ハード・機器が大きく上昇した一方で、唯一耐久消費財・アパレルが小幅下落。
銀行のJPモルガン(JPM)は金利の上昇に伴い融資業が良好で業績目標を前倒しで達成する見通しを示し、上昇。同業のシティグループ(C)やバンク・オブアメリカ(BAC)も連れて買われた。製薬会社のファイザー(PFE)は同社製コロナワクチンが小児に対しても有効であることが初期の治験で判明し、上昇。クラウドコンピューティングを手掛けるヴイエムウェア(VMW)は半導体メーカーのブロードコム(AVGO)が同社買収に向け交渉しているとの報道を受け、大幅高となった。ブロードコム(AVGO)は売られた。コーヒーチェーンのスターバックス(SBUX)はロシアのウクライナ侵攻を受け、ロシアから撤退を発表し、小幅上昇。一方で、衣料小売りのアメリカン・イーブル・アウトフィッターズ(AEO)やギャップ(GPS)はアナリストの投資判断引き下げでそれぞれ下落した。
取引終了後にビデオ会議サービスを供給するズームビデオ(ZM)は第1四半期決算を発表。1株利益が予想を上回ったほか、見通し引き上げが好感され、時間外取引で大幅上昇している。
Horiko Capital Management LLC
■NY為替:金利引き上げ観測でユーロ買い強まる
23日のニューヨーク外為市場でドル・円は、127円47銭まで弱含んだのち、127円94銭まで上昇し、127円92銭で引けた。米4月シカゴ連銀全米活動指数が予想を下回り、対欧州通貨でのドル売りが優勢となった。その後、米債利回りの上昇に伴いドルの買戻しが再開したほか、リスク選好の円売りが優勢となった。
ユーロ・ドルは1.0645ドルから1.0697ドルまで上昇し、1.0689ドルで引けた。今まで慎重姿勢を保っていた欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁が「ECBは3Q末までにマイナス金利脱却の公算大」と言及したため、7月、9月の利上げを織り込むユーロ買いが強まった。ユーロ・円は135円76銭から136円80銭まで上昇。ポンド・ドルは1.2556ドルから1.2594ドルまで上昇した。英中央銀行のベイリー総裁は、必要とあれば追加利上げの用意があると、インフレ対処への強い姿勢を表明し、ポンド買いに拍車がかかった。ドル・スイスは0.9680フランから0.9629フランまで下落した。
■NY原油:下げ渋りで110.29ドル、欧米株高を意識した買いが入る
NY原油先物7月限は下げ渋り(NYMEX原油7月限終値:110.29 ↑0.01)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は、前営業日比+0.01ドルの110.29ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは109.15ドル-111.96ドル。ロンドン市場で111.96ドルまで買われた後、ニューヨーク市場の中盤にかけて109.15ドルまで下げたが、欧米株高を好感した押し目買いが入り、110ドル台後半まで戻した。通常取引終了後の時間外取引では110ドル台で推移した。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 35.87ドル +2.01ドル(+5.94%)
モルガン・スタンレー(MS) 82.31ドル +2.94ドル(+3.70%)
ゴールドマン・サックス(GS)316.61ドル +9.81ドル(+3.20%)
インテル(INTC) 42.00ドル +0.35ドル(+0.84%)
アップル(AAPL) 143.11ドル +5.52ドル(+4.01%)
アルファベット(GOOG) 2233.33ドル +47.07ドル(+2.15%)
フェイスブック(FB) 196.23ドル +2.69ドル(+1.39%)
キャタピラー(CAT) 204.15ドル +6.33ドル(+3.20%)
アルコア(AA) 63.14ドル +2.57ドル(+4.24%)
ウォルマート(WMT) 122.60ドル +3.40ドル(+2.85%)
《ST》