話題株ピックアップ【夕刊】(1):メルカリ、ライオン、トリケミカル

注目
2022年6月1日 15時12分

■菱洋エレクトロ <8068>  2,297円  +187 円 (+8.9%)  本日終値  東証プライム 上昇率5位

菱洋エレクトロ<8068>が急動意、25日移動平均線を足場に上値追いに拍車がかかっている。三菱電機系のエレクトロニクス商社で、半導体の活況を背景に足もとの業績は絶好調に推移している。電子部品の供給不足などサプライチェーン問題や原料価格高騰の影響はあるものの、製造業全般の生産活動や設備投資意欲は旺盛であり、同社のビジネス環境に吹く追い風は強い。同社が31日取引終了後に発表した23年1月期第1四半期(22年2~4月)決算は営業利益が前年同期比2.5倍の11億6400万円と急拡大、通期計画に対する進捗率は50%に達しており、増額修正に期待した買いを呼び込んだ。

■メルカリ <4385>  2,280円  +151 円 (+7.1%)  本日終値

メルカリ<4385>が急騰。5月31日の取引終了後、東京証券取引所の承認を受けて、6月7日付で東証グロースから東証プライムへ市場変更されることになったと発表したことが好感された。同社は、インターネット上でフリーマーケット(フリマ)サービス「メルカリ」を運営するほか、スマートフォン決済サービス「メルペイ」なども展開。22年6月期連結業績は売上高1470億円(前期比38.5%増)、経常損益46億円の赤字(前期49億7500万円の黒字)を見込む。

■ライオン <4912>  1,533円  +94 円 (+6.5%)  本日終値

ライオン<4912>は5連騰。5月31日の取引終了後、バングラデシュに、同国で事業を展開するカロール社と日用品販売の合弁会社を設立すると発表しており、これを好感した買いが入った。合弁会社ライオンカロールは、ライオン75%、カロール社25%の出資で9月下旬に設立する予定。ライオンではこれまで海外関係会社を通じてバングラデシュ市場への一部商品の輸出を行ってきたが、持続的成長が見込まれる同市場における事業拡大を目指し本格的に参入するという。

■トリケミカル研究所 <4369>  2,733円  +158 円 (+6.1%)  本日終値

トリケミカル研究所<4369>は急伸。5月31日の取引終了後、23年1月期第1四半期(2~4月)の決算を発表。売上高が前年同期比20.2%増の31億1900万円、純利益が同37.0%増の12億9300万円と大幅増収増益で着地しており、これが好感されたようだ。国内外での活発な半導体製造設備への投資が追い風となったほか、経費削減やグループ会社・部門間の連携深化に向けた取り組みなどが奏功した。また、韓国関係会社の持ち分法による投資利益の計上も寄与した。なお、通期見通しについては従来予想を据え置いた。

■三和ホールディングス <5929>  1,310円  +74 円 (+6.0%)  本日終値

三和ホールディングス<5929>は反発、年初来高値を3カ月半ぶりに更新した。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は5月31日、同社株のレーティングの「オーバーウエート」を継続するとともに、目標株価を1750円から1800円に引き上げた。22年3月期の連結営業利益は355億円と過去最高益を更新。23年3月期以降は、国内外での非住宅向けの需要増加が寄与し、連続最高益を見込んでいる。今3月期の同利益は従来予想の386億円から400億円(会社計画390億円)、24年3月期の同利益は403億円から424億円にそれぞれ上方修正している。

■フジミインコ <5384>  6,180円  +320 円 (+5.5%)  本日終値

半導体ウエハー用研磨材大手のフジミインコーポレーテッド<5384>が大幅高で4日続伸。同社は5月31日取引終了後に、23年3月期通期の連結業績予想を公表。営業利益の見通しを前期比11.9%増の135億円としたほか、年間配当計画を前期比15円増配の200円としていることが好感されているようだ。売上高は同12.1%増の580億円を見込む。サーバー向けなどを中心に半導体の需要は根強く、これが追い風になるとみている。なお、22年3月期通期の連結決算は売上高が前の期比23.3%増の517億3100万円、営業利益が同57.9%増の120億5900万円で着地。期末配当を従来計画比5円増額の100円とし、中間配85円とあわせた年間配当は185円(前の期は115円)となる。

■三菱重工業 <7011>  5,150円  +260 円 (+5.3%)  本日終値

三菱重工業<7011>が高水準の売買代金をこなしながら上昇基調を強め、5162円まで上値を伸ばし新値街道に復帰した。岸田首相が掲げる新しい資本主義と骨太方針案の概要が明らかとなったが、安全保障の分野では防衛力の抜本強化に加え、防衛装備品の輸出制限見直しなどが挙げられている。同社は日本の防衛産業の中核企業として、艦艇や戦車、戦闘機など陸・海・空すべてを網羅しており、政府の輸出規制緩和に伴う需要拡大が業績に反映されるとの思惑が、継続的な投資資金の流入を誘っている。

■アンリツ <6754>  1,509円  +76 円 (+5.3%)  本日終値

アンリツ<6754>は大幅反発。5月31日の取引終了後、上限を500万株(発行済み株式数の3.7%)、または50億円とする自社株買いを実施すると発表しており、これが好材料視された。取得期間は6月1日から7月29日まで。資本効率の向上と株主還元の充実を図るためとしている。あわせて、6月30日付で247万8900株(発行済み株数の1.79%)の自社株を消却すると発表した。なお、消却後の発行済み株数は1億3583万594株となる予定だ。

■日本水産 <1332>  545円  +24 円 (+4.6%)  本日終値

日本水産<1332>が商いを伴い反発したほか、マルハニチロ<1333>、極洋<1301>など水産株に軒並み買いが集まった。業種別騰落で「水産」は33業種中で一時値上がり率トップとなる場面があった。原料価格の高騰などを背景に食品関連セクターの企業が相次いで値上げの動きを示している。日水はちくわなどのすり身製品や冷凍食品を8月1日納品分から値上げすることを発表しているほか、マルハニチロも冷凍食品について業務用は7月1日から、家庭用は8月1日から値上げすることを発表している。食品関連はこうした値上げの動きが比較的スムーズにできる強みがあり、株価面でもポジティブ視されやすい。

■日本空港ビルデング <9706>  5,540円  +240 円 (+4.5%)  本日終値

日本空港ビルデング<9706>が動兆しきりの展開。5月10日の急落で開けたマドを完全に埋めると同時に、5日・25日移動平均線のゴールデンクロスも示現するなど目先上値指向を強めている。6月から外国人観光客の入国規制緩和でインバウンド関連に幅広く物色の矛先が向いているが、外客を受け入れる空港も活況を呈することが予想される。直近では、羽田とソウル・金浦線の定期運航が今月15日にも再開する見通しが伝えられており、これを受けて羽田空港の“家主”である同社の株価を強く刺激する形となっている。

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