話題株ピックアップ【夕刊】(2):リコー、芙蓉リース、東電HD

注目
2022年6月2日 15時17分

■リコー <7752>  1,149円  +31 円 (+2.8%)  本日終値

リコー<7752>が6日続伸し年初来高値を更新。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は1日、同社株のレーティングの「オーバーウエイト」を継続するとともに、目標株価を1400円から1800円に引き上げた。「オフィスにおける複写機関連の厳しい状況は株価に織り込み済みだが、オフィスサービスには競争優位性、成長性があり、次なる成長の柱として評価すると株価は割安」とみている。オフィスサービスの22年3月期第4四半期(1~3月)の営業利益率は9.9%と過去最高となっており、ハードウエアの調達逼迫が解消すれば成長回帰となるタイミングは早いと指摘している。

■芙蓉総合リース <8424>  7,710円  +170 円 (+2.3%)  本日終値

芙蓉総合リース<8424>が続伸。1日の取引終了後、米国航空機リース子会社の営業を開始したと発表しており、これが好材料視された。米国航空業界は国内線を中心に旅客需要が回復しており、航空会社の航空機調達手段として、今後リース需要の拡大が見込まれることから、米国現地に有人営業拠点を設置し米国内のネットワークを拡充するという。

■日本曹達 <4041>  4,080円  +65 円 (+1.6%)  本日終値

日本曹達<4041>が続伸し新高値。岩井コスモ証券は1日、同社株の投資判断を新規「A」でカバレッジを開始した。目標株価は5600円とした。同社は中堅精密化学メーカー。評価ポイントとして(1)半導体フォトレジスト材料が半導体市場の活況で急拡大していること(2)環境負荷の低い低リスク農薬への対応が早く、他社製品を代替するなど勢いが増しているなか、ロシアの軍事侵攻で食料不足への懸念が広がり、農薬や飼料に世界的な関心が高まっていること――の2点を挙げている。PBR0.7倍台、予想PERは10倍前後の一方で配当利回りは4.4%前後と高く、株価は評価不足とみている。

■東電HD <9501>  494円  +4 円 (+0.8%)  本日終値

東京電力ホールディングス<9501>や中国電力<9504>が高い。島根県松江市にある島根原発2号機について、島根県の丸山知事がきょう午前に開かれた県議会で、再稼働の容認を表明したことが複数のメディアを通じて伝わった。中国電力は今後、安全対策工事や運転管理の認可などの手順を踏んで、早い時期の2号機再稼働を目指す見通しで、これを材料視する買いを呼び込んでいる。この報道を受けて電力株は一斉高に買われた。

■アドバンテスト <6857>  8,950円  +30 円 (+0.3%)  本日終値

アドバンテスト<6857>がしっかり。1日の取引終了後、パワー半導体用試験装置の大手サプライヤーであるイタリアのクレア社を買収することで最終合意したと発表しており、これが好材料視された。今回の買収は、自動車のEV化や省エネルギー性能を高めたデータセンターの建設が推進されるのに伴い、効率良く電力を供給するために不可欠なパワー半導体の需要が高まるなか、試験・測定ソリューションを拡大することで幅広い顧客ニーズに応えることを目的としたもの。なお、買収価額は非開示となっている。

■伊藤園 <2593>  5,200円  -400 円 (-7.1%)  本日終値  東証プライム 下落率8位

伊藤園<2593>は反落。1日の取引終了後に23年4月期業績予想を発表し、営業利益を前期比6.4%増の200億円とした。前期に続き増益となる見通しを示したものの、市場予想では226億円程度が見込まれていただけに目先失望売りが出たようだ。売上高は同4.3%増の4180億円予想。純利益については、投資有価証券売却益や新型コロナウイルス感染拡大に伴う助成金収入があった前期の反動で同7.2%減の120億円となる見通し。年間配当予想は前期から据え置きの40円とした。同時に発表した22年4月期決算は、売上高が4007億6900万円(会計基準変更に伴い増減率の記載なし)、営業利益が前の期比12.7%増の187億9400万円だった。主力の飲料・茶葉製品が堅調に推移したほか、コーヒーショップ「タリーズコーヒー」を手掛ける飲食関連事業が人流回復に伴い収益改善を果たしたことが寄与した。

■インソース <6200>  2,156円  -70 円 (-3.1%)  本日終値

インソース<6200>が3日続落。1日の取引終了後、コールセンターサービスなどを手掛けるビー・エイ・エス(大阪市港区)の全株式を6月1日に取得し子会社化したと発表したが、好材料視する動きは限定的のようだ。ビー・エイ・エスは、システム運用管理やサーバー監視などのヘルプデスク業務、ハードウェアのセットアップなどを行うシステムサポート業務、システム開発やクラウド構築などのシステムエンジニアリングサービスなどを展開しており、インソースグループがデジタルトランスフォーメーション(DX)関連サービスの拡充を図るうえで不可欠と判断したという。取得価額は非開示。なお、22年9月期業績への影響は軽微としている。

■レーザーテック <6920>  18,080円  -455 円 (-2.5%)  本日終値

レーザーテック<6920>が続落。前週末を境にショートカバーの動きが活発化し水準を切り上げていたが、前日の朝方で買い戻しが一巡し、目先筋の利益確定売りが顕在化している。前日の米国株市場では米長期金利の上昇を嫌気して半導体セクターに売りがかさむ展開となり、ここ戻り歩調をみせていた半導体製造装置最大手のアプライド・マテリアルズ<AMAT>も2.4%安で陰線を引いた。これを受けて、東京市場でもレーザーテックをはじめ半導体製造装置の主力銘柄に売り圧力が強い。同社株は、半導体マスクブランクス検査装置でシェアを独占するが、PERが80倍前後と割高感があり、米長期金利の上昇局面では逆風が強まる傾向がある。

■INPEX <1605>  1,567円  -34 円 (-2.1%)  本日終値

INPEX<1605>や石油資源開発<1662>が安い。この日の時間外取引で、米原油先物相場のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)価格が1バレル=113ドル前後へ下落している。英フィナンシャル・タイムズは2日、制裁によってロシアの供給が減少した場合、サウジアラビアが生産を増やす準備ができている、と報道したことが影響した。きょうは、サウジアラビアなど石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟国による「OPECプラス」の開催が予定されており、原油価格は荒い値動きとなっている。

■トヨタ自動車 <7203>  2,193円  -4.5 円 (-0.2%)  本日終値

トヨタ自動車<7203>、ホンダ<7267>など自動車株は強弱観対立のなか前日終値近辺で売り買いを交錯。前日の欧米株市場がほぼ全面安商状だったことで、全体相場はリスクがとりにくい環境となっているものの総じて頑強な値動き。前日に発表された5月の米ISM製造業景況感指数が市場コンセンサスを上回ったことで米長期金利が上昇し、外国為替市場ではドルを買う動きを誘発した。足もと1ドル=130円台まで円安が進行しており、東京株式市場では輸出セクターの株価に追い風材料となっている。特に為替感応度の高い自動車株は、輸出採算改善への期待が強い。また、大手自動車メーカー各社は、トヨタを筆頭に今期の想定為替レートを厳しめに設定しており、実勢との差が大きいだけに収益増額修正に向けた思惑も高まりやすい。

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