株主総会で社長を凝視していたら元本18倍、億り人に
第15回 日本株&アメ株で勝つ人
~個人投資家4800人の調査で判明!
(億り人・バガー投資家・JAMMYさんの場合その1)
普段は飲食業と情報・通信業を営む兼業投資家であり、奥さんとの二人暮らし。2002年に200万円から株式投資を始め、20年間で日本株資産を1億8000万円に膨らました。08年のリーマン・ショックでテクニカル投資に限界を感じ、ファンダメンタルズを軸にした長期投資に転換。ビジネスモデルと経営者の人間性を重視した銘柄選別が奏功し、累計1000万円弱の元本を18倍以上に増やした。
6月中旬~下旬は株主総会シーズン。個人投資家にとっては、トップの話を直接聞き、ときには質問もできる数少ない機会だ。
こうした経営陣の話が聞けるイベントを、銘柄選別の手段として最大限活用して億り人となったのが、今回紹介する兼業投資家のJAMMYさん(ハンドルネーム)だ。20年前に投資を開始し、足元の日本株運用額は1億8000万円。累計で1000万円弱の元本は18倍以上に増えている。
JAMMYさんの投資スタイルは、ビジネスモデルの優位性が高い銘柄に投資し、1年以上の保有で値上がり益を狙うのが原則だ。株主総会などに登壇する経営者の発言内容や姿勢から、持続成長が期待できるかを見極めながら買い増していく。
この「株主総会・社長凝視戦略」とも言えるやり方で、具体的にトップのどんなところに注目し、億の資産をものにしたのか。銘柄選びから売買に至るまでを紹介しよう。
株価5倍のマークラインズ株、成長持続を確信し7年保有
足元の成功例の1つが、世界中の自動車にかかわる情報を会員企業に有料で提供するサービスを展開するマークラインズ<3901>だ。
2015年8月25日に買い出動後、買い増した平均取得単価は493円。足元の株価は2454円と約5倍に上昇していることから、含み益は2000万円以上に膨らんでいる。
■『株探』で確認できるマークラインズの月足チャート(2014年12月~)
注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、同値は「グレー」。以下同
5倍株になったのは選別時点の見立て通り、同社の業績が2桁の増収増益をほぼ維持してきたことがある。JAMMYさんが業績成長の持続力を図る際に注視するのが、
・目立つ競合がいない
・参入障壁の高さを維持ないしは引き上げ可能
――の2つだ。
マークラインズについてリサーチしたところ、同業はいるものの同社のポジションを脅かすような存在ではないと判断した。
マークラインズが提供する情報は、車種ごとに使われている資材・部品、またその設計図など。顧客はこれらの情報をネット経由で取得できる。契約社数は22年3月末時点で4334社になる。
JAMMYさんが調べたところ、こうした情報を提供する会社は米国に1社あることがわかった。ただし、その米国の会社がカバーしているのは「米国での生産車のみ」(本人)。これらから、世界中の車種を対象とするマークレインズの手強い競合相手ではないと判断した。
マークラインズに競合が見当たらないのは、同社が創業以来蓄積してきたあらゆる車種の膨大なデータ量が、新規参入の大きな障壁となるためと、JAMMYさんは分析する。
■『株探プレミアム』で確認できるマークラインズの成長性の長期推移
酒井社長の発言に成長の確信を強める
参入障壁の維持についても、特段の問題はないと判断している。その根拠は、購入開始から数年後となる19年と20年の株主総会で発した酒井誠社長の発言だった。
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