株価指数先物【寄り前コメント】 相対的に日本株の底堅さが意識されやすく、押し目狙いのロングスタンスに

市況
2022年6月9日 8時15分

大阪6月限ナイトセッション

日経225先物 28140 -50 (-0.17%)

TOPIX先物 1958.5 -8.5 (-0.43%)

シカゴ日経平均先物 28150 -40

(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

8日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が下落。経済協力開発機構(OECD)が今年の世界成長率を昨年12月時点の4.5%から3.0%に下方修正した一方で、インフレ率予想をほぼ倍増したことから、世界経済の成長鈍化を嫌気した売りに押された。MBA住宅ローン申請指数は-6.5%と前週の-2.3%から大きく低下しており、金利上昇によりローン需要が落ち込んだとの見方も相場の重荷となった。S&P500業種別指数は自動車・同部品、エネルギー、メディアが上昇した半面、運輸、不動産、半導体・同製造装置が下落。

シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、日中大阪比40円安の2万8150円で終えた。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比10円高の2万8200円で始まり、その後は2万8170円~2万8220円辺りでの狭いレンジで推移。米国市場の取引開始後に一時2万8280円まで上昇したが買いは続かず、終盤にかけて軟化し2万8100円~2万8180円辺りにレンジを切り下げ、2万8140円で取引を終えた。

日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや売り先行で始まることになりそうだ。米国ではインテル<INTC>が5%を超える下落となるなど、半導体株が総じて軟調だったこともあり、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の重荷となるだろう。もっとも、日経225先物は切り上がる5日移動平均線に沿ったトレンドを形成しており、同線が位置する2万8000円水準がサポートとして意識されやすい。

また、円相場が1ドル=134円20銭台と円安基調を継続していることもあり、日米金利差を狙った海外勢による資金流入期待などから底堅さは意識されるだろう。週末のメジャーSQを控えて商いとしては限月交代に伴うロールオーバー中心であり、ショートの動きも限られると考えられる。そのため、短期的な売り仕掛けによって2万8000円に接近する局面では、その後のショートカバーを狙ったロングでの対応が想定される。

VIX指数は23.96に低下。米国市場の下落を市場は冷静に見ていると考えられ、押し目買い意欲は強そうだ。週末に5月の米消費者物価指数(CPIコア指数)、6月のミシガン大学消費者態度指数を控えていることもあり、次第に上値の重さが意識されてくる可能性はあるが、相対的に日本株の底堅さは意識されやすいと見ておきたい。

昨日のNT倍率は先物中心限月で14.33倍に低下した。直近で14.15倍から14.42倍まで上昇したことでNTロングの巻き戻しに伴う動きと見られる。本日も半導体株の弱い値動きによりNT倍率が低下する可能性はあるが、世界経済の成長鈍化懸念から幅広く売られるようであればTOPIX型となることから、NTロングのスタンスになるだろう。

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