話題株ピックアップ【夕刊】(1):ラクーンHD、クミアイ化、関西電
■ラクーンHD <3031> 1,535円 +160 円 (+11.6%) 本日終値 東証プライム 上昇率3位
ラクーンホールディングス<3031>が急反発し年初来高値を更新。前週末10日の取引終了後に発表した23年4月期連結業績予想で、売上高55億円(前期比14.8%増)、営業利益13億円(同15.4%増)、純利益8億1000万円(同2.3倍)と2期ぶりに営業最高益更新を見込むことが好感された。B2Bのデジタルシフト浸透で引き続き事業環境の良好を想定しており、主力の「スーパーデリバリー」の流通額拡大が見込まれる。また、フィナンシャル事業では「Paid」の加盟企業の増加と稼働率の向上を図るという。なお、22年4月期決算は、売上高47億8900万円(前の期比9.7%増)、営業利益11億2600万円(同5.9%減)、純利益3億5400万円(同55.7%減)だった。同時に、上限を16万株(発行済み株数の0.72%)、または3億円とする自社株買いを実施すると発表しており、これも好材料視された。取得期間は6月13日から8月31日までで、取得した全株は9月15日付で消却する予定だ。更に、25年4月期に営業利益23億1000万円を目指す中期経営計画を発表した。EC事業、フィナンシャル事業ともに市場拡大を想定しており、この潮流に乗り全事業で売り上げ増加を目指すとしている。
■フリークHD <6094> 1,799円 +114 円 (+6.8%) 本日終値
フリークアウト・ホールディングス<6094>が急反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が10日付で投資判断「オーバーウエート」を継続し、目標株価を1850円から2500円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、TVerの広告営業は21年4月の本格的なスタートから、22~23年はドライブがかかるタイミングとみているほか、持ち分法適用関連会社IRISの業績モメンタムの改善と持ち分法適用関連会社ZEALSの非関連会社化で営業外損益の改善が見込まれる点、台湾adGeekやフリークアウト海外拠点の売り上げ好調で利益成長ドライバーであるPlaywire以外の事業の損益が改善するとみていることなどを評価。22年9月期の営業利益予想を12億1200万円から16億1300万円へ、23年9月期を同19億4700万円から22億200万円へ引き上げた。
■シーアールイー <3458> 1,689円 +94 円 (+5.9%) 本日終値 東証プライム 上昇率8位
シーアールイー<3458>が反発。同社は10日取引終了後に、22年7月期第3四半期累計(21年8月~22年4月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比49.7%増の90億9200万円となり、通期計画の93億円に対する進捗率は97.8%となった。売上高は同23.9%増の507億600万円で着地した。不動産管理事業は、マスターリース物件が引き続き高い稼働率を維持したことや、管理面積が堅調に推移したことなどから安定的に収益を計上。物流投資事業では、自社開発物件である「ロジスクエア大阪交野」などを売却したことなどが寄与した。なお、通期業績予想は従来計画を据え置いている。
■クミアイ化学工業 <4996> 1,137円 +30 円 (+2.7%) 本日終値
クミアイ化学工業<4996>は急伸。前週末10日の取引終了後に発表した第2四半期累計(21年11月~22年4月)連結決算が、売上高722億1100万円(前年同期比22.9%増)、営業利益78億7500万円(同64.2%増)、純利益79億6800万円(同68.8%増)と大幅な営業増益となったことが好感された。主力の農薬及び農業関連事業で、水稲用殺菌剤「ディザルタ剤」や「エフィーダ」を含有する水稲用除草剤の国内販売が好調に推移したほか、畑作用除草剤「アクシーブ剤」は主要販売国のアメリカ、アルゼンチン、ブラジル、オーストラリア向けの出荷が伸長した。また、為替が想定よりも円安に推移し為替差益を計上したことも寄与した。22年10月期通期業績予想は、売上高1400億円(前期比18.5%増)、営業利益125億円(同47.8%増)、純利益115億円(同27.5%増)の従来予想を据え置いた。なお、15円を予定していた配当予想は20円に引き上げると発表した。前期実績に対しては5円の増配となる予定だ。
■関西電力 <9503> 1,259円 +32 円 (+2.6%) 本日終値
関西電力<9503>が3日ぶりに反発。前週末10日の取引終了後、美浜原子力発電所3号機(福井県美浜町)の運転再開時期を従来の22年10月20日から約2カ月前倒しし、8月12日にすると発表したことが好感された。稼働に必要なテロ対策のための特定重大事故等対処施設の完成が2カ月ほど早まったとしている。
■日新製糖 <2117> 1,767円 +44 円 (+2.6%) 本日終値
日新製糖<2117>が反発。前週末10日の取引終了後、伊藤忠製糖(愛知県碧南市)と来年1月1日をメドに経営統合することで基本合意したと発表しており、これが好感された。両社が培ってきた製造技術、品質・コスト管理、更に原料調達から物流・販売まで含めた広範な経営資源・ノウハウを一体的に活用することで、持続的な成長と企業価値の向上を図るのが狙い。経営統合は日新製糖を株式交換完全親会社、伊藤忠製糖を株式交換完全子会社とする株式交換を行い、同時に、日新製糖の事業を承継する会社を会社分割することで、持ち株会社体制に移行する。なお、23年3月期業績への影響は今後精査するとしている。
■旭ダイヤモンド工業 <6140> 615円 +12 円 (+2.0%) 本日終値
旭ダイヤモンド工業<6140>は3日ぶりに反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が10日付で投資判断「バイ」を継続し、目標株価を950円から1000円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券によると、21年3月期の営業赤字転落を契機に全社的に危機意識が高まり、原価低減や採算改善への取り組みを強化していたが、そこに国内外でのパワー半導体用ウエハー加工のダイヤモンド工具の需要拡大が重なり本格的な業績回復局面を迎えているという。また、23年3月期の営業利益予想を33億円から36億円へ、24年3月期を同40億円から43億円へ引き上げている。
■ラクスル <4384> 1,725円 -500 円 (-22.5%) ストップ安 本日終値 東証プライム 下落率トップ
ラクスル<4384>は急落。500円安はストップ安に売られた。前週末10日の取引終了後に22年7月期業績予想の修正を発表。売上高を334億~338億円とし、従来予想のレンジ(356億~366億円)から引き下げたことが嫌気されたようだ。主力の印刷通販サービスにおいて、まん延防止等重点措置の継続的発令による外部環境の影響を一定程度受けたことが要因。SaaS収益の拡大や今年2月に完全子会社化したダンボールワンの利益貢献などもあり、営業利益は従来の3億3000万~3億8000万円を据え置いた。なお、セイノーホールディングス<9076>との一部事業の合弁会社化に伴う法人税等調整額の計上が寄与し、純利益予想については従来予想のレンジ(3億2000万~3億7000万円)から8億8000万~9億3000万円へ大幅に引き上げた。
■シーイーシー <9692> 1,120円 -121 円 (-9.8%) 本日終値 東証プライム 下落率8位
シーイーシー<9692>が大幅続落。前週末10日の取引終了後、23年1月期の連結業績予想について、営業利益を50億円から45億円(前期比7.0%増)へ、純利益を34億円から33億円(同8.6%増)へ下方修正したことが嫌気された。売上高は480億円(同6.1%増)の従来見通しを据え置いたものの、サービスインテグレーション事業で前期に発生した不採算案件で更なる納期遅延が生じ、それに伴う同社の開発作業費用と、22年10月から23年2月までの顧客先既存システム維持費用を第1四半期に追加の受注損失引当金として計上したことが要因としている。同時に発表した第1四半期(2~4月)決算は、売上高118億100万円(前年同期比2.8%増)、営業利益9億円(同35.0%減)、純利益8億3700万円(同12.3%減)だった。
■オハラ <5218> 1,229円 -95 円 (-7.2%) 本日終値
オハラ<5218>が大幅続落。前週末10日の取引終了後、22年10月期の連結業績予想について、売上高を259億円から262億円(前期比11.4%増)へ、営業利益を22億円から23億円(同68.1%増)へ、純利益を17億5000万円から19億円(同30.1%増)へ上方修正し、あわせて15円を予定していた期末一括配当を20円に引き上げたが、目先の材料出尽くし感から売られたようだ。上期業績が、前期末から続く旺盛な需要増に対する生産立ち上げと在庫の消費、また為替差益が生じたことで計画を上振れたことに加えて、下期も光学ガラスや半導体露光装置向けガラスなどの需要が堅調に推移するとみられることが要因としている。なお、同時に発表した第2四半期累計(21年11月~22年4月)決算は、デジタルカメラ向け光学ガラスの需要増や半導体露光装置向け高均質ガラスの需要が増加し、売上高135億9000万円(前年同期比29.0%増)、営業利益13億500万円(同4.6倍)、純利益9億8400万円(同3.4倍)だった。
株探ニュース