話題株ピックアップ【夕刊】(2):日揮HD、ヤマハ発、郵船
■日揮ホールディングス <1963> 1,781円 +66 円 (+3.9%) 本日終値
日揮ホールディングス<1963>が7日ぶりに反発。同社は20日、インドネシア現地法人のJGCインドネシア社が、インドネシアのジェッドストーン・エナジー(レマング)社から、天然ガス処理プラント建設プロジェクトを受注したと発表しており、これが好材料視された。今回の受注先であるジェッドストーン・エナジー(レマング)社は、アジア・太平洋地域で石油・天然ガス生産事業を展開する独立系石油・天然ガス生産会社ジェッドストーン・エナジー社のインドネシア法人。受注額は非開示。インドネシアの首都ジャカルタから北西約600キロメートルのスマトラ州ジャンビに建設する天然ガス処理プラント及びガスパイプラインの新設に係る設計・調達・建設工事役務を受注したとしており、セールスガスはインドネシア国内で主に火力発電所の燃料として使用される予定という。
■ヤマハ発動機 <7272> 2,592円 +90 円 (+3.6%) 本日終値
ヤマハ発動機<7272>が後場に入って上げ幅を拡大。同社はきょう、環境分野に特化した投資ファンド「ヤマハモーターサステナビリティファンド」を設立したと発表しており、これが買い手掛かりとなったようだ。ファンドの運用総額は1億ドルで、運用期間は15年。このファンドを通じて、環境課題の解決に挑戦している多くの企業との連携を強め、パートナーとして相互に高め合いながら、より良い社会の実現を目指すとしている。
■インフォマート <2492> 357円 +12 円 (+3.5%) 本日終値
インフォマート<2492>が9日ぶりに反発。午前11時ごろ、「BtoBプラットフォーム 受発注」「BtoBプラットフォーム 請求書」が、焼肉レストランを運営する叙々苑(東京都港区)に採用されたと発表しており、これが好材料視された。叙々苑によると、「BtoBプラットフォーム 受発注」の導入により、全店で毎日約1000枚あった紙の納品書を10枚まで減らすことができたほか、「BtoBプラットフォーム 請求書」を導入したことにより、照合、会計データ入力の手間の削減ができ、月次の確定も短縮できたという。
■日本郵船 <9101> 9,360円 +280 円 (+3.1%) 本日終値
日本郵船<9101>がリバウンド狙いの買いが優勢。世界的な景気減速に対する懸念が高まるなか、グローバル物流需要の減少に対する警戒感が海運セクターには逆風となっている。ただ、鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数がここ戻り歩調を鮮明としており、前週末時点で4日続伸となり2578まで上昇、今月1日以来の水準を回復している。これが足もとで追い風材料となっている。また、大手海運株は配当利回りの高さから、株価下落局面ではインカムゲインを狙った買いも誘導しやすい。郵船の配当利回りは前日終値換算で11.6%と際立って高く、9000円大台近辺は押し目買いニーズが強い。
■三菱重工業 <7011> 4,867円 +138 円 (+2.9%) 本日終値
三菱重工業<7011>が3日ぶり反発。前日に一時10%を超える急落をみせていたが、きょうは全体相場が急反発に転じていることを受けリバウンドに転じている。防衛関連の中核銘柄で、最近は岸田政権下での防衛費増額に向けた思惑から、防衛省との取引額で群を抜く同社株への追い風が意識され、株価上昇に弾みがついていた。しかし前日は、防衛費増額の旗振り役であった島田和久防衛事務次官の退任が明らかとなったことがネガティブサプライズとなり、売りに拍車がかかった。きょうは突っ込み警戒感からの買い戻しや押し目買いが株価を押し上げている。もっとも前場に4900円台に買われた後は上値が重く、目先は4800円台に押し戻され3%弱の上昇にとどまっている。
■東京エレクトロン <8035> 46,700円 +1,160 円 (+2.6%) 本日終値
東京エレクトロン<8035>は久々に買い優勢の展開となり、11日ぶりに反発。ここ世界的な半導体株安の流れにのまれる形で下値模索の動きを続け、前日までの10営業日で1万5000円以上も株価水準を切り下げる下落相場を強いられていた。前日の米国株市場は休場だったものの、欧州株市場がほぼ全面高に買われたことを受け、きょうは空売り筋の買い戻しの動きを絡め切り返しに転じている。今年の大発会(1月4日)に上場来高値をつけており、高値期日向かいの動きにあることで上値では戻り売りも表面化しやすく、買い一巡後の動きが注目される。
■トヨタ自動車 <7203> 2,138.5円 +49 円 (+2.4%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>、ホンダ<7267>、日産自動車<7201>が揃って続伸するなど自動車株への買いが継続している。FRBによる金融引き締め強化の動きに対し、日銀は超金融緩和政策を維持する姿勢を鮮明としており、日米金利差拡大の思惑が外国為替市場でのドル買い円売りの動きを後押ししている。足もとのドル・円相場は1ドル=135円台前半の推移と引き続き円安水準でもみ合っていることで、輸出採算改善期待が自動車セクターに買いを誘導する背景となっている。トヨタは23年3月期の通期想定為替レートが1ドル=115円と極めて厳しく設定しているほか、ホンダ、日産自も1ドル=120円と実勢よりかなり円高に設定されている。
■アニコムHD <8715> 634円 +14 円 (+2.3%) 本日終値
アニコム ホールディングス<8715>が5日ぶりに反発。20日の取引終了後に発表した月次経営パラメーターで、5月度の正味収入保険料が前年同月比6.7%増となったことが好感された。
■あすか薬HD <4886> 987円 +18 円 (+1.9%) 本日終値
あすか製薬ホールディングス<4886>が3日ぶり反発。20日の取引終了後、子会社のあすか製薬が権利保有するドロスピレノンを単一の有効成分とする経口避妊薬について、あすか製薬が韓国製薬のヒュンダイ・ファームとの間で韓国における開発販売権に関するライセンス契約を締結したと発表しており、これが好感されたようだ。これにより、ヒュンダイ・ファームから契約締結時一時金のほか、開発の進捗に応じたマイルストーンを受け取るという。なお、同件による23年3月期業績への影響は軽微としている。
■富士電機 <6504> 5,530円 +100 円 (+1.8%) 本日終値
富士電機<6504>は9日ぶりに反発。この日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)から、設備の安定稼働を支援する「まるごとスマート保安サービス」を受注したと発表しており、これが好感された。JAXAでは、18年に施設の老朽化に伴う構内停電事故が複数回発生したことや、北海道胆振東部地震による大規模停電(ブラックアウト)などを教訓に、事業継続の観点から電力基盤インフラの強靱化対策を戦略的に進めていることから、今回、受変電設備の老朽化が著しい調布航空宇宙センターで「まるごとスマート保安サービス」を導入することになったという。あわせて富士電機は同センターの特高受変電設備の更新も受注している。
株探ニュース