話題株ピックアップ【夕刊】(1):東電HD、ミスミG、大塚HD

注目
2022年6月27日 15時12分

■東電HD <9501>  513円  +36 円 (+7.6%)  本日終値  東証プライム 上昇率6位

東京電力ホールディングス<9501>が大幅高で5連騰。きょうは7.6%高で500円台に復帰し、5月9日につけた年初来高値を視野に入れている。今年は猛暑の影響もあって電力不足が警戒されているが、きょうの午後3時から午後6時の間、東京電力管内で初の需給逼迫注意報が発令され、これによる電力のスポット価格上昇に対する思惑が株価を強く刺激する格好となった。「電力需給逼迫問題は、近い将来の原発再稼働に対する思惑にもつながることで、株高期待が高まりやすい」(中堅証券ストラテジスト)という見方も出ている。

■第一稀元素化学工業 <4082>  1,231円  +71 円 (+6.1%)  本日終値  東証プライム 上昇率10位

第一稀元素化学工業<4082>が大幅続伸。26日朝のTBSテレビ系情報番組「がっちりマンデー!!」に取り上げられたことが好材料視されたようだ。同日の放送では「儲かる元素」がテーマ。なかで同社の主力製品「ジルコニウム」が取り上げられ、燃料電池の固体電解質の材料として使われていることなどが紹介されていた。

■ミスミグループ本社 <9962>  2,946円  +159 円 (+5.7%)  本日終値

ミスミグループ本社<9962>は3連騰。前週末24日の取引終了後に発表した5月の月別売上高が前年同月比5.9%増と3カ月ぶりに前年実績を上回っており、これが好感された。流通事業であるVONA(ヴォーナ)事業が同5.4%増、FA事業が同5.7%増、金型部品事業が同7.2%増と全事業がそろって伸長した。

■大塚ホールディングス <4578>  4,797円  +245 円 (+5.4%)  本日終値

大塚ホールディングス<4578>が続伸し、連日で年初来高値を更新した。この日、子会社である大塚製薬がデンマークのH.ルンドベック社と共同開発した抗精神病薬「ブレクスピプラゾール」について、アルツハイマー型認知症に伴う行動障害を対象としたグローバルフェーズ3試験で主要評価項目を達成し有効性を確認したと発表しており、これが好感された。試験結果速報によると、アルツハイマー型認知症に伴う行動障害症状を有する患者に対して、プラセボ投与群と比較して統計学的な有意差をもって有効性を示したという。また、全般的に良好な忍容性を示し、新たな安全性の懸念は認められなかったともしている。

■日本郵船 <9101>  9,630円  +490 円 (+5.4%)  本日終値

日本郵船<9101>、川崎汽船<9107>など海運株への買いが顕著。今月中旬以降、海運株は下値模索の動きを強めていたが、足もと売り一巡感からリバウンドに転じている。きょうは業種別指数でも「海運」は33業種中値上がり率トップに買われた。コンテナ船市況高騰による収益メリットの株価への織り込みが進んだ一方、ここ最近は、鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数の下落基調が目立っていたことから、中国景気減速に対する警戒感などが株価の上値を重くしていた。ただ、ファンダメンタルズ面からのアプローチで下値限界感も台頭。PERは2倍前後と超割安で、なおかつ23年3月期も高株主還元姿勢を維持、抜群の高配当利回りに着目した押し目買いの動きが足もとで顕在化している。

■三菱重工業 <7011>  4,769円  +218 円 (+4.8%)  本日終値

三菱重工業<7011>が後場上げ幅を拡大。この日午後、エジプトのオイル&ガス大手アレキサンドリア石油精製・化学社(ANRPC)と、水素燃焼技術を導入する契約を締結したと発表しており、これが好材料視された。同契約に基づき、三菱重は毎時100トンの能力を持つ既存ボイラーの燃料転換ソリューションの設計、調達、建設及び試運転を担当し、効率的で安全な運転を確保するために、最新の水素バーナー技術を提供するとともに高度な制御ソリューションも導入する。具体的には、石油精製プロセスに蒸気を供給する既設の天然ガス・重油焚きボイラーを天然ガス・水素焚きに改造。燃料の水素は、プロセス中の触媒改質器ユニットから副生するガスで、現状フレアスタック(余剰ガス償却無害化装置)で燃やしているものを有効活用する。これによりANRPCは、23年末までに最大で水素100%の専焼が可能になる予定としている。

■日本マイクロニクス <6871>  1,308円  +32 円 (+2.5%)  本日終値

日本マイクロニクス<6871>が続伸。前週末24日の取引終了後、青森工場(青森県平川市)に新棟を建設すると発表しており、業績への貢献を期待した買いが入ったようだ。青森工場では現在、主にメモリー半導体向けのアドバンストタイプ(MEMS技術)のプローブカードを製造しているが、フル生産の状況が継続していることや、データセンター関連投資の継続による更なる半導体需要の拡大が予想されることから新棟建設を決めたという。投資額は約110億円の予定で、23年5月に着工し、24年8月の竣工を予定している。

■日清紡ホールディングス <3105>  1,078円  +24 円 (+2.3%)  本日終値

日清紡ホールディングス<3105>が4日ぶりに反発。26日付の日本経済新聞朝刊で、「100億円を投じ、2024年末に国内で燃料電池の基幹部品をつくる新工場を建てる」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、新工場は千葉市内の既存拠点に設け、燃料電池向けセパレーターを製造するという。脱炭素対応で成長が期待される燃料電池の需要を取り込むのが狙いで、拠点内の既存の生産設備も増強し、生産能力を年600万枚と現行の3倍に引き上げるとしており、将来的な業績への貢献が期待されている。

■東京エレクトロン <8035>  47,770円  +1,040 円 (+2.2%)  本日終値

東京エレクトロン<8035>、レーザーテック<6920>など半導体製造装置の主力株が揃って上昇している。前週末の米国株市場では、ハイテク株への買い戻しが加速したが、特に半導体関連セクターへの資金流入が顕著だった。半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は4.4%高と大きく上昇しており、これを受けて東京市場でも同関連株への買い戻しが加速している。東エレクは今月7日から20日にかけて10営業日連続下落で、この間に約1万5000円も水準を切り下げていたが、前週は突っ込み警戒感からの買い戻しで戻り歩調に転じていた。週明けもその流れを引き継ぐ形となっている。

■浜松ホトニクス <6965>  5,540円  +120 円 (+2.2%)  本日終値

浜松ホトニクス<6965>が続伸。同社は24日取引終了後に、欧州子会社を通じてデンマークのレーザー装置メーカー、NKTフォトニクスを買収すると発表。これによるシナジーなどが期待されているようだ。NKTフォトニクスは、超短パルスレーザー増幅用、ファイバー転送用の独自のフォトニック結晶ファイバー製造技術を持つファイバーレーザーメーカー。ホトニクスは化合物半導体製造技術をベースとしたレーザーダイオード事業を得意としており、NKTフォトニクスとは補完的な関係になるという。なお、取得価額は約295億円で、株式譲渡実行日は来年3月31日を予定している。

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