テリロジー Research Memo(1):1989年創業のITソリューションプロバイダー(1)

特集
2022年6月28日 15時21分

■要約

1. 1989年創業のITソリューションプロバイダー

テリロジー<3356>は、1989年7月の創業以来、IPネットワーク関連製品やネットワークセキュリティ分野の最先端製品及びソリューションの提供を行ってきたIT企業であり、現在は連結子会社4社(孫会社含む)、持分法非適用の関連会社1社を傘下に持つ企業グループを形成している(2022年11月に持株会社体制へ移行する予定)。

企業理念は「常にお客様のニーズに対応し、お客様の満足を実現する」であり、平成時代には「In collaboration with customer」というスローガンの下で、インターネット社会の構築・発展に資するべく事業領域を拡大し、令和時代を迎えた今、「No.1 in Quality」を新たなスローガンに掲げ、生産性向上や働き方改革、インバウンド関連、ウィズコロナ下での新しい生活様式、DX(デジタルトランスフォーメーション)、SDGsといった時代のニーズに対応したソリューション提供にも取り組んでいる。

同社の企業沿革からは、企業向けIPネットワーク、ブロードバンド、モバイル、サイバーセキュリティといった技術トレンドにいち早く気付き、事業領域を拡大してきた姿が読み取れる。

2. 4部門体制で顧客ニーズに応える事業活動を展開

同社は「ネットワーク」「セキュリティ」「モニタリング」「ソリューションサービス」という4部門で事業活動を展開している。顧客ニーズを満たすために必要な数多くの製品・サービスを揃えていることや24時間365日の保守体制、直販と間接販売を組み合わせた優れたディストリビューション機能を整備していることが特徴となっている。

3. コアコンピタンスは「目利き力と市場対応力」

同社のビジネスモデルには「顧客重視」の企業理念を事業として実践するための工夫が読み取れる。すなわち、「常にお客様のニーズに対応」するためのプロセス(技術・製品の調査/発掘等)と「お客様の満足を実現」するためのプロセス(複数製品を組み合わせたソリューションの提案や保守体制の整備等)を核に据えた事業バリューチェーンの構築である。

同社は自社の強みを、1)目利き力と市場対応力、2)ソリューションラインナップ、3)サービス提供の多様性、4)実績に裏打ちされた技術力、5)グローバル対応力としている。とりわけ「目利き力と市場対応力」はバリューチェーンの各プロセスで生かされており、すべての強みのベースとなるコアコンピタンスだと考えられる。

4. 2022年3月期の営業利益は従来予想から大きく上振れて着地

2022年3月期の連結業績は、売上高が前期比11.1%増の5,223百万円、営業利益が同18.3%減の441百万円となり、営業利益については従来予想(期初予想170百万円→上期決算発表時予想250百万円)から大きく上振れて着地した。また、営業利益率は8.5%と前期比3.0ポイント低下、期中受注高が6,058百万円と前期比11.1%増、期末受注残高は前期末比79.1%増の1,890百万円へと積み上がった。2022年3月期から「収益認識に関する会計基準」及び「収益認識に関する会計基準の適用指針」(以下、収益認識会計基準等)を適用したため名目的には減益となったものの、実質的には順調な業容拡大を示す決算内容であったと考える。

財務体質についても、健全性を維持している。2022年3月期末の自己資本比率は40.2%(前期末は46.6%)、流動比率は148.9%(同169.9%)と低下したものの、D/Eレシオ(有利子負債/自己資本)は0.11倍(同0.13倍)、ネットキャッシュ(現金及び預金-有利子負債)は1,901百万円(同2,070百万円)と前期末水準を維持、通常の配当原資となる単体ベースの利益剰余金についても498百万円(同502百万円)と十分な余力を確保している。

また、同社は2021年5月から6月にかけて発行済株式総数の2.74%にあたる自己株式を取得したのに続き、2022年3月期末の年間配当金を当初計画の5円/株から7円/株(普通配当5円/株、特別配当2円/株)に引き上げている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 前田吉弘)

《SI》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.