株価指数先物【寄り前コメント】 ギャップダウンも、売り一巡後は中国経済の回復を手掛かりとした物色に向かう可能性

市況
2022年6月29日 7時57分

大阪9月限ナイトセッション

日経225先物 -300 (-1.10%)

TOPIX先物 1889.0 -18.5 (-0.96%)

シカゴ日経平均先物 26745 -325

(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

28日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が下落。中国政府は28日、新型コロナウイルスの感染対策として海外からの入国者に義務づけていた隔離期間を14日間から7日間に短縮する方針を発表。中国経済の減速懸念が和らぎ買いが先行し、NYダウの上げ幅は一時400ドルを超えた。しかし、6月の米消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)が約1年ぶりの低水準となり、インフレ懸念の高まりが景況感の悪化につながったとの見方から消費関連株を中心に売られ、主要な株価指数は下落に転じた。また、米長期金利が高止まりしたことが重荷となり、ハイテク株が軒並み売られた。

S&P500業種別指数はエネルギーのみが上昇する一方で、耐久消費財・アパレル、小売、自動車・同部品、メディア、ソフトウエア・サービスの弱さが目立った。

シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、日中大阪比325円安の2万6745円で終えた。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比変わらずの2万7070円で始まり、中国の行動制限の緩和を手掛かりに、一時2万7220円まで買われる場面もあった。買い一巡後は2万7120円~2万7220円辺りで推移していたが、米国市場の取引開始後に軟化し下落に転じた。終盤にかけて下げ幅を広げて一時2万6740円まで売られ、2万6770円で取引を終えた。

日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、ギャップダウンから始まることになりそうだ。ナイトセッションの開始後に2万7220円まで買われ、25日移動平均線を明確に上放れる動きを見せたものの、その後の弱い動きによって、結局は25日線のほか75日線を下回って終えている。2万7000円回復で、いったんは達成感も意識されやすい水準であるため、まずは売り一巡後の底堅さを見極めたいところであろう。

予想を下回った米消費者信頼感指数により、30日に発表される5月の米個人消費支出(PCE)コアデフレーターに対する慎重姿勢が一段と高まりやすい。積極的な売買は手控えられやすく、戻りの鈍さが意識される局面では、短期筋のショートが入りやすいと考えられる。5日線が位置する2万6640円辺りが短期的なターゲットとなる可能性がありそうだ。

もっとも、NYダウ、S&P500、ナスダックの主要な株価指数は、足元でのリバウンドで25日線レベルまで回復していたこともあり、利食い売りは出やすいところだったと見られる。PCEコアデフレーターの結果待ちではあるが、売り一巡後の底堅さが見られてくるようであれば、水際対策の緩和を発表した中国経済の回復を手掛かりとした物色に向かう可能性もあるため、積極的にはショートは仕掛けづらい。

また、VIX指数は28.36に上昇したものの、6月13日の35.05から低下を見せるなか、足元で75日線まで下げてきたことから、テクニカル面からの反発は想定内だろう。そのため、想定レンジとしては5日線をサポートとしたオプション権利行使価格の2万6625円~2万7000円辺りになりそうだ。需給面では引き続き配当再投資に伴う需給が底堅さにつながると見ておきたい。

昨日のNT倍率は先物中心限月で14.19倍に低下した。ギャップダウンから始まることで指数インパクトの大きい値がさ株が日経平均型の重荷となるため、5日線が位置する14.16倍辺りを下回ってくる可能性はあるだろう。本日のところはNTショートが入りやすいと考えられる。

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