＜注目銘柄＞＝デサント、中国市場好調が業績を牽引
デサント<8114>は５月１２日につけた年初来安値２０４６円を底に出直り歩調をたどっているが、業績拡大期待を背景に更に戻りを試す展開が期待できよう。
注力市場と位置付ける中国市場の成長に注目したい。日韓関係の悪化や、伊藤忠商事<8001>によるＴＯＢを契機に、同社では中国事業での成長に大きく舵を切ったが、２２年３月期の香港を含む現地売上高は５４４億円と２１年３月期の３３３億円から急拡大しており、この取り組みは成功しているといえる。戦略的パートナーである中国ＡＮＴＡグループが１級都市を中心に店舗を出店していることで、ブランド価値が向上していることに加えて、既存店リニューアルや大規模店舗の出店で１店舗当たりの売り上げが増加。現地では「デサント」はハイエンドスポーツブランドとして認知が進んでおり、今後の出店余力も大きい。２３年３月期は現地売上高で４割程度の増収を見込んでおり、業績牽引役となりそうだ。
一方の日本や韓国では収益性の改善に取り組んでおり、会社側では前期にある程度の成果が出たがまだ改善余地があるとみている。２３年３月期は営業利益６０億円（前期比１６．８％増）を見込むが、市場予想の平均は７０億円前後であり、上振れの可能性が高い。また、２４年３月期に同８０億円を見込む調査機関もある。（仁）