ユーロ週間見通し:下げ渋りか、ドル高・円安継続の影響を受ける可能性も

通貨
2022年7月9日 14時29分

■軟調推移、ユーロ圏内の景気後退懸念高まる

今週のユーロ・ドルは軟調推移。1.0463ドルから1.0072ドルまで下落した。ドイツの5月貿易収支が輸出減により1991年以来の赤字に転落したこと、天然ガス価格が急騰したことを受けてユーロ圏内の景気後退懸念が強まり、欧州中央銀行(ECB)が想定されたペースでの利上げは困難との見方からユーロ売り・米ドル買いが活発となった。取引レンジ:1.0072ドル-1.0463ドル。

■下げ渋りか、利益確定を狙ったユーロ買いが増える可能性

来週のユーロ・ドルは下げ渋りか。欧州中央銀行(ECB)は7月と9月の利上げ方針を変更していないが、域内経済の減速懸念でユーロ売り・米ドル買いは継続しそうだ。エネルギー不安も引き続きユーロ売りの支援材料になるとみられる。ただ、1ユーロ=1.01ドル以下ではパリティが意識され、利益確定を狙ったユーロ買いが増える可能性は残されている。

予想レンジ:1.0080ドル-1.0280ドル

■軟調推移、ECBの利上げペース減速の思惑強まる

今週のユーロ・円は軟調推移。一時136円87銭まで下落した。日欧の金利差拡大観測や、中国民間発表の6月サービス業PMIの大幅改善を好感して、ユーロ買い・円売りが先行したが、ユーロ圏経済の減速懸念から欧州中央銀行(ECB)の利上げペースは緩やかになるとの観測が広がり、リスク回避的なユーロ売り・円買いが強まった。米長期金利の上昇も嫌気されたようだ。取引レンジ:136円87銭-142円37銭。

■下げ渋りか、ドル高・円安継続の影響を受ける可能性も

来週のユーロ・円は下げ渋りか。ユーロ圏経済の先行き不透明感から、欧州中央銀(ECB)は金融引き締め方針を見極める展開となり、ユーロは積極的に買いづらい。また、エネルギー供給が不安視され、ユーロ売りを支援しよう。ただ、日米金利差を背景にドル・円は下げづらく、ユーロ売り・円買いが一段と拡大する可能性は低いとみられる。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント

・13日:5月鉱工業生産数(4月:前月比+0.4%)

予想レンジ:137円00銭-140円00銭

《FA》

提供:フィスコ

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