話題株ピックアップ【夕刊】(1):パルHD、竹内製作所、東電HD
■パルHD <2726> 2,049円 +297 円 (+17.0%) 本日終値 東証プライム 上昇率トップ
パルグループホールディングス<2726>が急反騰し年初来高値を更新。12日の取引終了後、23年2月期の連結業績予想について、売上高を1500億円から1540億円へ、営業利益を87億円から108億円(前期比43.6%増)へ、純利益を46億円から66億円(同64.9%増)へ上方修正したことが好感された。会計基準の変更に伴い前期実績に対する増減率の開示はないものの、EC販売強化のための各種プロモーションが功を奏したことに加えて、想定を上回るスピードで消費者マインドが回復したことによる衣料事業の伸長で、上期の売上高が想定を大きく上回る見通しであることが寄与する。同時に発表した第1四半期(3~5月)決算は、売上高391億8300万円、営業利益44億2300万円(前年同期比2.5倍)、純利益30億6900万円(同3.0倍)だった。
■ジャムコ <7408> 1,262円 +132 円 (+11.7%) 本日終値 東証プライム 上昇率3位
ジャムコ<7408>が大幅高。米ボーイング<BA>が12日、上期の納入機数が前年同期比38.5%増の216機となったと発表したことを受けて、ボーイング向けにラバトリー(化粧室)などを提供している同社に連想買いが入ったようだ。
■竹内製作所 <6432> 2,450円 +245 円 (+11.1%) 本日終値 東証プライム 上昇率5位
竹内製作所<6432>が急反発。12日の取引終了後、23年2月期の連結業績予想について、売上高を1553億円から1650億円(前期比17.1%増)へ、営業利益を127億円から161億円(同9.4%減)へ、純利益を95億円から122億円(同8.6%減)へ上方修正したことが好感された。上期において欧州向け製品の部品調達難により軟化すると見込んでいた欧州販売が想定を上回っていることに加えて、主要通貨の為替レートが円安で推移していることが寄与する。また、第2四半期以降の想定為替レートを円安方向に見直したことも反映させた。同時に発表した第1四半期(3~5月)決算は、売上高424億1400万円(前年同期比27.2%増)、営業利益53億5500万円(同27.4%増)、純利益42億3300万円(同34.2%増)だった。
■東宝 <9602> 5,270円 +305 円 (+6.1%) 本日終値
東宝<9602>は5000円台を回復し、年初来高値を更新。同社が12日取引終了後に発表した23年2月期第1四半期(22年3~5月)の決算は営業利益が142億7300万円となった。「収益認識に関する会計基準」を考慮して単純比較はできないものの、前年同期実績の105億1800万円と比べて36%弱の伸びを示している。新型コロナウイルスの影響が一巡し映画館への客足が回復し、「名探偵コナン ハロウィンの花嫁」や「ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021」、「シン・ウルトラマン」などのヒット作が収益を押し上げた。このほか演劇事業などの復調も業績に寄与している。これを受けて、上値を見込んだ買いが優勢となった。
■東電HD <9501> 640円 +32 円 (+5.3%) 本日終値
東京電力ホールディングス<9501>が後場に入り急上昇。この日昼前の日本経済新聞電子版で、「原子力規制委員会は13日、東京電力ホールディングスの柏崎刈羽原子力発電所6、7号機に設置するテロ対策施設について、安全審査の事実上の合格証となる『審査書案』をとりまとめた」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、早ければ8月にも合格を正式決定するという。ただ、同原発では21年にIDカードの不正な利用などが相次いで判明したため、規制委が核燃料の移動を禁止した経緯があり、不正などの検査結果がまとまるまで再稼働の行方は見通せないともしている。
■イズミ <8273> 3,150円 +90 円 (+2.9%) 本日終値
イズミ<8273>は反発。12日の取引終了後に発表した第1四半期(3~5月)連結決算は、売上高1101億1200万円、営業利益78億6800万円、純利益52億9500万円となった。会計基準の変更のため前年同期との増減比はないものの、上期計画に対する営業利益の進捗率は52%となっており、順調な進捗との見方から買いが入ったようだ。まん延防止等重点措置の解除とともに、外出・旅行などのオケージョン需要にも回復の兆しがみられ、消費行動の変化に対応した店舗営業体制に大きく軸足を移したことが奏功し、主力の小売り事業で既存店売上高が前年同期比4.2%増となったことが貢献した。なお、23年2月期通期業績予想は、売上高4543億円、営業利益326億円、純利益209億円の従来見通しを据え置いている。
■ホギメディカル <3593> 3,380円 +95 円 (+2.9%) 本日終値
ホギメディカル<3593>が反発し、3月25日につけた年初来高値3410円にツラ合わせする場面があった。同社は12日取引終了後に、23年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比24.5%増の18億5700万円となり、上半期計画の31億7000万円に対する進捗率は58.6%となった。売上高は同6.2%増の94億4700万円で着地した。医療機関での手術件数が回復したことや、医療安全と業務効率化につながる製品の提案を積極展開したことなどから、最重要戦略製品の「プレミアムキット」の売り上げが拡大。利益面では販管費の減少などが寄与した。なお、上半期及び通期の業績予想は従来見通しを据え置いている。
■湖北工業 <6524> 7,300円 +190 円 (+2.7%) 本日終値
湖北工業<6524>が反発。日本電信電話<9432>が12日、三井物産<8031>、JA三井リース(東京都中央区)などと共同で、日本と米国西海岸をつなぐ大規模海底通信ケーブル「JUNO(ジュノ)」を建設・運営する「セレンジュノネットワーク」を設立すると発表しており、海底ケーブル用の光通信部品を手掛ける同社に思惑的な買いが入ったようだ。
■JMDC <4483> 6,330円 +140 円 (+2.3%) 本日終値
JMDC<4483>が3日ぶりに反発。12日の取引終了後、診療情報などのデータベース構築事業を手掛けるリアルワールドデータ(京都市中京区)の株式の92.67%を7月29日をメドに取得し子会社化すると発表しており、これが好材料視された。今回の子会社化により、データアセットの拡充と、データ利活用のポテンシャルを更に高めることが可能になると判断したという。具体的には、医療機関由来の電子カルテデータについて、225施設、約2440万人分のデータアセットを拡充することが可能となり、特にがんなど製薬企業からのニーズが高い領域のデータを豊富に有していることから、疫学的アプローチのエビデンスとして製薬企業を中心に広く活用されていく潜在性を有しているという。なお、同件による23年3月期業績に与える影響は精査中としている。
■寿スピリッツ <2222> 6,220円 +80 円 (+1.3%) 本日終値
寿スピリッツ<2222>は反発。12日の取引終了後に発表した第1四半期(4~6月)の売上状況(概算)が前年同期比65.5%増の95億2900万円となったことが好感された。新規出店及び売り場提案などによる売り場の拡大を図ったほか、主力商品の強化、新商品及び限定商品の投入、大規模催事の推進などに努めたことが奏功した。セグメント別では、地方エリアを主な商圏としている「寿製菓・但馬寿」「販売子会社」などは遠方への旅行回復の遅れもあり売り上げの回復が鈍かったが、「シュクレイ」は人流の回復や新規出店効果で前年同期比90.5%増となり、コロナ前水準も上回った。
株探ニュース