話題株ピックアップ【夕刊】(1):ファストリ、TKP、Sansan
■ティーケーピー <3479> 2,169円 +358 円 (+19.8%) 本日終値
ティーケーピー<3479>はマドを開けて買われ年初来高値を更新した。14日の取引終了後に23年2月期第1四半期(3~5月)の決算を発表。営業損益が12億1500万円の黒字となり、赤字だった前年同期から黒字転換を果たしたことが好感されたようだ。売上高は前年同期比28.3%増の131億8000万円だった。主力の貸し会議室事業で、これまで実施が控えられてきた会議や研修、イベントの需要を大きく取り込んだ。企業のオフィス縮小化の動きやサテライトオフィス需要の増加に伴い、レンタルオフィス事業も好調だった。
■Sansan <4443> 1,210円 +179 円 (+17.4%) 本日終値 東証プライム 上昇率トップ
Sansan<4443>が急伸。14日の取引終了後に23年5月期業績予想を発表。売上高を前期比23.0~26.2%増の251億1700万~257億6400万円としたほか、株式報酬関連費用や企業結合に伴い発生する費用を控除した調整後営業利益について大幅増益となる見通しを示しており、これを評価した買いが入ったようだ。クラウド名刺管理サービス「Sansan」などの高成長継続を見込む。増収効果で成長投資による販管費増を吸収し、調整後営業利益は前期比25.5~76.3%増となる見通し。同時に発表した22年5月期決算は、売上高が前の期比26.2%増の204億2000万円、人件費や広告宣伝費の増加で営業利益は同14.2%減の6億3100万円となった。投資有価証券売却が寄与し、純利益は同4.7倍の8億5700万円で着地した。
■PR TIMES <3922> 2,331円 +203 円 (+9.5%) 本日終値 東証プライム 上昇率2位
PR TIMES<3922>が大幅高。14日の取引終了後に23年2月期第1四半期(3~5月)の決算を発表し、営業利益は前年同期比9.3%増の4億2800万円だった。通期で2ケタ減益を見込んでいるだけに、これがサプライズとなる形で買いを呼び込んだようだ。売上高も同22.7%増の13億8300万円と好調だった。主力のプレスリリース配信サービス「PR TIMES」が引き続き成長基調を維持した。なお、通期見通しは据え置いている。
■ファーストリテイリング <9983> 76,230円 +6,100 円 (+8.7%) 本日終値 東証プライム 上昇率4位
ファーストリテイリング<9983>は急騰。14日の取引終了後、22年8月期の連結業績予想について、売上高を2兆2000億円から2兆2500億円(前期比5.5%増)へ、営業利益を2700億円から2900億円(同16.5%増)へ、純利益を1900億円から2500億円(同47.2%増)へ上方修正し、あわせて560円としていた年間配当予想を620円(前期480円)へ引き上げると発表しており、これを好感した買いが流入した。第3四半期の3カ月間の業績が好調で、海外における現地通貨ベースでも想定を上回って進捗していることが要因としている。また、第4四半期業績予想の前提為替レートを従来の1ドル=110円から122円30銭に見直したことも寄与する。なお、第3四半期累計(21年9月~22年5月)決算は、売上高1兆7651億円(前年同期比3.9%増)、営業利益2710億8400万円(同19.0%増)、純利益2378億3600万円(同57.1%増)だった。
■ラクス <3923> 1,814円 +81 円 (+4.7%) 本日終値
ラクス<3923>は5日ぶりに反発。14日の取引終了後に発表した6月度の月次売上高で、全社売上高が前年同月比34.0%増の21億3700万円となったことが好感された。主力のクラウド事業が同35.3%増、IT人材事業が同29.0%増とともに好調を継続した。
■日野自動車 <7205> 731円 +26 円 (+3.7%) 本日終値
日野自動車<7205>は続伸。きょう付の日本経済新聞朝刊で「燃費試験の不正を受けて3月から出荷を停止していた大型トラックの生産を再開したことが14日わかった」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、古河工場(茨城県古河市)で大型トラック「日野プロフィア」の生産を再開したという。同トラックは国土交通省から販売に必要な型式指定の取り消し処分を受けているが、同社では原因を調査する特別調査委員会からの報告を8月に受けたあと型式指定の再申請手続きに着手する予定で、型式指定の再取得後に早期に出荷を再開できるようにするとしている。
■SFPホールディングス <3198> 1,640円 +57 円 (+3.6%) 本日終値
SFPホールディングス<3198>が大幅反発。14日の取引終了後に発表した第1四半期(3~5月)連結決算が、売上高46億2600万円(前年同期比2.1倍)、営業損益6億300万円の赤字(前年同期22億8300万円の赤字)、最終利益11億2200万円(同1億4700万円の赤字)となり、最終損益が黒字転換したことが好感された。3月下旬にまん延防止等重点措置が解除されたことを受けて既存店売上高が回復に向かっており、5月単月では営業黒字へ転換した。また、新型コロナウイルス感染症に係る雇用調整助成金及び時短協力金などを助成金収入として営業外収益に計上したことも寄与した。23年2月期通期業績予想は、売上高245億円(前期比2.4倍)、営業利益3億円(前年同期79億1900万円の赤字)、最終利益17億円(前期比2.6%減)の従来見通しを据え置いている。
■塩野義製薬 <4507> 7,457円 +255 円 (+3.5%) 本日終値
塩野義製薬<4507>が続伸。14日の取引終了後、新型コロナウイルス感染症治療薬として開発中の経口抗ウイルス薬「S-217622」について、オミクロン株の亜種に対する高い抗ウイルス活性を有することを非臨床試験で確認したと発表しており、これが好材料視された。なお、同件が23年3月期業績に与える影響は軽微としている。
■任天堂 <7974> 61,990円 +1,900 円 (+3.2%) 本日終値
任天堂<7974>が5日続伸。14日の取引終了後、CGアニメーションを含む映像コンテンツの企画・制作を行うダイナモピクチャーズ(東京都千代田区)の全株式を10月3日付で取得し、子会社化すると発表しており、これが好感された。グループの映像コンテンツの企画・制作体制を強化するのが狙いで、子会社化後にはグループのIPの映像コンテンツを継続的に制作することを目的に「ニンテンドーピクチャーズ」に商号変更する予定という。なお、同件が23年3月期業績に与える影響は軽微としている。
■関西電力 <9503> 1,402円 +33 円 (+2.4%) 本日終値
関西電力<9503>、九州電力<9508>が年初来高値更新となったほか、電力株全般が幅広く買われた。岸田首相が前日14日の記者会見で、今冬に最大9基の原発を稼働させる方針を表明した。定期検査などで現在停止している原発が冬に再稼働する見通しにあり、現在稼働中のものとあわせて9基稼働は達成できる見通しにあるが、首相が明言したことで改めて原発再稼働への思惑が高まっているようだ。会見では、あわせて火力発電を追加的に10基確保するよう指示したことも明らかにしている。
株探ニュース