来週の株式相場に向けて=日米決算が本格化、2万7000円のフシ抜けるか
15日の株式市場では、前日のNYダウは下落したものの日経平均株価は上昇した。「NYダウ下落・日経平均上昇」のパターンは、この3日間続いている。足もとでは、米株式市場からのデカップリング(分離)の兆しもみられる。
東京証券取引所の発表によると7月第1週(4~8日)に海外投資家は、現物と先物の合計で約1兆1800億円と19年10月以来、2年9カ月ぶりとなる大量買い越しを記録している。
とはいえ、相場をみるうえでの最大の焦点はやはり米国の動向だ。13日発表の米6月消費者物価指数(CPI)が前年同月比9.1%上昇となったことを受け、CMEグループが算出する「FEDウォッチ」では7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での1%利上げの確率は一時80%まで跳ね上がった。しかし、米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事が「7月は0.75%利上げを支持」と述べたこともあり、14日には0.75%利上げの確率が前日の約20%から50%超へ急回復した。今晩の米6月小売売上高などを確認する必要があるものの、目先は過度なインフレ懸念は後退しつつあるようだ。
また、来週からは米国に続いて日本もいよいよ決算シーズンに入る。米国では、19日のネットフリックス<NFLX>、20日のテスラ<TSLA>、それにオランダ半導体製造装置メーカーのASMLホールディングADR<ASML>などの発表に注目。日本では、トップバッターとなる20日の日本電産<6594>に関心が集まっているが、21日にディスコ<6146>、22日に東京製鐵<5423>などが決算発表を行う。
中央銀行の動きも話題となりそうだ。日本銀行は金融政策決定会合を20~21日に開く。金融緩和は維持の見通しだが、一段の円安進行があるかが注目されている。21日には欧州中央銀行(ECB)理事会があり、0.25%の利上げが行われるとみられている。なお、日本は18日が海の日で休場となる。
来週の日経平均株価の予想レンジは2万6300~2万7200円。当面の上値のフシとなっている2万7000円を抜くことができるかが焦点だ。(岡里英幸)