ユーロ週間見通し:もみ合いか、エネルギー供給不安は解消されず

通貨
2022年7月16日 14時28分

■軟調推移、一時0.9952ドルまで下落

今週のユーロ・ドルは軟調推移。一時0.9952ドルまで下落した。7月独ZEW景気期待指数の大幅悪化を受けてリスク回避的なユーロ売り・米ドル買いが強まった。米国のインフレ高進を受けて7月1.00ポイント利上げ観測が浮上したこと、イタリアでは経済対策をめぐる連立政権内の不和でドラギ首相が辞意を表明したこともユーロ売り材料となった。ただ、欧州中央銀行(ECB)による利上げを想定したユーロ買いも観測されており、ユーロ売り・米ドル買いは週末前に一服した。取引レンジ:0.9952ドル-1.0184ドル。

■伸び悩みか、ECBは利上げ開始の公算

来週のユーロ・ドルは伸び悩みか。欧州中央銀行(ECB)は7月21日開催の理事会で、利上げサイクル入りの公算。また、9月理事会での利上げ幅拡大についての見解が期待される。ただ、市場は利上げ開始を織り込み済みで、リスク選好的なユーロ買いが大きく広がるとの見方は少ないようだ。1ユーロ=1ドルを再び下回る可能性は残されている。

予想レンジ:0.9950ドル-1.0150ドル

■反発、ECBによる利上げ開始を意識した買いが入る

今週のユーロ・円は反発。ドイツの7月ZEW景気期待指数の大幅悪化を受けてユーロ売り・円買いが一時優勢となり、137円台前半までユーロ安・円高に振れる場面があった。その後、欧州中央銀行(ECB)報道官の「インフレへの為替相場の影響を注視していく」との発言で対円レートは反発に転じた。米国の1ポイント利上げ観測が後退したことも意識されたようだ。リスク回避的なユーロ売り・円買いは縮小し、139円台後半まで戻した。取引レンジ:137円03銭-139円89銭。

■もみ合いか、エネルギー供給不安は解消されず

来週のユーロ・円はもみ合いか。欧州中央銀行(ECB)は7月21日開催の理事会で予定通り利上げに踏み切るほか、9月理事会での利上げ幅拡大に言及する可能性がある。市場は利上げ開始を織り込み済みだが、日本との金融政策の違いを意識してユーロ売り・円買いがただちに強まる可能性は低いとみられる。ただ、ユーロ圏のエネルギー供給問題で不透明感が増しており、域内経済への影響を懸念したユーロ売りが多少強まる可能性は残されている。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント

・21日:欧州中央銀行理事会(0.25ポイントの利上げ予想)

・22日:7月S&Pグローバル製造業PMI(6月:52.1)

・22日:7月S&Pグローバルサービス業PMI(6月:53.0)

予想レンジ:137円50銭-140円50銭

《FA》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.