1日の米国市場ダイジェスト:NYダウ46ドル安、地政学的リスクや景気後退懸念が上値抑制

市況
2022年8月2日 7時47分

■NY株式:NYダウ46ドル安、地政学的リスクや景気後退懸念が上値抑制

米国株式市場は反落。ダウ平均は46.73ドル安の3,798.40ドル、ナスダックは21.71ポイント安の12368.98で取引を終了した。予想を下回った中国の製造業指数を嫌気した売りやペロシ下院議長の台湾訪問計画報道を受け、地政学的リスクの上昇を警戒した売りに、寄り付き後、下落。月初で売り買いが交錯する中、7月製造業PMI改定値が予想外に下方修正されたほか、ISM製造業指数が2年ぶり低水準に落ち込んだため、景気後退懸念が根強く上値を抑制した。セクタ?別では家庭・パーソナル用品が大幅上昇した一方で、エネルギー、保険が下落。

航空機メーカーのボーイング(BA)は連邦航空局(FAA)が、同社提出の「787ドリームライナー」機の納入再開に向けた検査・修正計画を承認したことを受けて、数週間内に引き渡しが再開する見込みであるほか生産増加期待に買われた。ディスカウント小売りのターゲット(TGT)はアナリストの投資判断引上げで、上昇。半導体メーカーのアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は決算を期待した買いに、上昇した。エナジードリンクメーカーのセルシウス・ホールディングス(CELH)は飲料メーカーのペプシコ(PEP)が同社株8.5%取得、パートナーシップを結んだとの報道で上昇。出会い系サイトのバンブル(BMBL)はアナリストの投資判断引き下げで下落した。

ソフトウエア会社のアクティビジョン・ブリザード(ATVI)は取引終了後に決算を発表。調整後収入が予想を上回り、時間外取引で上昇している。また、ソーシャル・メットワーキングのピンタリスト(PINS)は第2四半期決算で1株利益が予想を下回ったが、第3四半期の収益改善見通しが好感され、時間外取引で上昇。

Horiko Capital Management LLC

■NY為替:米景気減速&インフレピーク達成観測でドル売り強まる

1日のニューヨーク外為市場でドル・円は、132円50銭から131円60銭まで下落し、131円62銭で引けた。米7月ISM製造業景況指数はパンデミックによる経済封鎖直後ほぼ2年ぶり低水準となったほか、同指数の支払い価格が大幅に低下しはやり2020年来の低水準になったため、景気減速に加えインフレのピーク達成観測が強まり、連邦公開市場委員会(FOMC)の急速で大幅な利上げの必要性がなくなったとの見方が広がり、米国債相場が続伸。長期債利回りの低下に伴いドル売りが優勢となった。さらに、ペロシ下院議長のアジア訪問で台湾訪問計画が報じられ、地政学的リスク上昇を警戒した円買いも強まった。

ユーロ・ドルは1.0230ドルから1.0275ドルまで上昇し、1.0257ドルで引けた。ユーロ・円は135円60銭まで反発後、135円00銭まで反落。ポンド・ドルは1.2220ドルから1.2293ドルまで上昇した。ドル・スイスは0.9483フランまで下落後、0.9517フランまで上昇した。

■NY原油:反落で93.89ドル、一時92.42ドルまで下落

NY原油先物9月限は反落(NYMEX原油9月限終値:93.89 ↓4.73)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物9月限は、前営業日比-4.73ドルの93.89ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは92.42ドル-98.65ドル。アジア市場の序盤で98.65ドルまで買われたが、その後はじり安。ニューヨーク市場の序盤にかけて92.42ドルまで一段安となる場面があった。ただ、ドル安を意識した買いも観測されており、通常取引終了後の時間外取引では主に93ドル台で推移した。

■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC) 33.71ドル -0.10ドル(-0.30%)

モルガン・スタンレー(MS) 84.09ドル -0.21ドル(-0.25%)

ゴールドマン・サックス(GS)332.08ドル -1.31ドル(-0.39%)

インテル(INTC) 36.96ドル +0.65ドル(+1.79%)

アップル(AAPL) 161.51ドル -1.00ドル(-0.62%)

アルファベット(GOOG) 115.48ドル -1.16ドル(-0.99%)

メタ(META) 159.93ドル +0.83ドル(+0.52%)

キャタピラー(CAT) 194.86ドル -3.39ドル(-1.71%)

アルコア(AA) 48.28ドル -2.61ドル(-5.13%)

ウォルマート(WMT) 132.54ドル +0.49ドル(+0.37%)

《ST》

提供:フィスコ

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