話題株ピックアップ【夕刊】(1):田中化研、HIS、大塚HD

注目
2022年8月22日 15時12分

■田中化学研究所 <4080>  1,591円  +133 円 (+9.1%)  本日終値

田中化学研究所<4080>は大幅続伸。同社は2次電池正極材料の専業メーカー。リチウムイオン電池向けの売り上げ割合が高く、電気自動車(EV)普及を背景に車載用リチウムイオン電池市場の拡大が加速するなか、関連有力株として投資家の視線を集めている。足もと4~6月期業績は営業3.4倍増益と高変化を示しており、これを受けて株価は急騰。底値離脱の動きを鮮明としており、きょうは大幅高で中長期の節目となる200日移動平均線を上に抜けてきた。

■いちご <2337>  314円  +18 円 (+6.1%)  本日終値  東証プライム 上昇率5位

いちご<2337>が大幅高で3日ぶりに反発。前週末19日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を1200万株(発行済み株数の2.59%)、または30億円としており、取得期間は22年8月22日から23年2月28日まで。株主利益の向上を図ることが目的としている。

■ジェイエイシ <2124>  1,995円  +97 円 (+5.1%)  本日終値  東証プライム 上昇率6位

ジェイエイシーリクルートメント<2124>が4日ぶりに反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が19日付で、投資評価「バイ」を継続し、目標株価を2400円から2800円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。国内人材紹介市場の中長期的成長と、両面コンサルタント体制という差別化から、同社に高い利益成長ポテンシャルがあるとの見方を維持。企業の中高額年収帯の中途採用需要に関しては、人手不足や人的資本強化の意識の高まりもあり強い状況に変わりはなく、また同社は今期より積極化している広告宣伝投資により、登録者数が大きく増加しているもよう。上期末のコンサルタント数も929人と会社計画を上回るペースで確保しており、下期業績に対する懸念は特段ないとしている。

■アートSHD <3663>  953円  +46 円 (+5.1%)  本日終値

アートスパークホールディングス<3663>が6日ぶりに反発。前週末19日の取引終了後、東証プライム市場への市場変更申請に向けた準備を行うと発表したことが好感された。同社は現在、東証スタンダード市場に上場しているが、グループの中長期的な成長と企業価値の更なる向上を実現するために、プライム市場への市場変更が必要と判断したという。なお、承認の可否や時期については不確定としている。

■あい ホールディングス <3076>  1,934円  +87 円 (+4.7%)  本日終値  東証プライム 上昇率8位

あい ホールディングス<3076>が大幅高で5日続伸。19日の取引終了後に発表した23年6月期連結業績予想で、売上高480億円(前期比2.0%増)、営業利益103億円(同4.6%増)、純利益80億円(同3.4%増)を見込み、年間配当予想を前期比15円増の75円を予定していることが好感された。マンション向け監視カメラ事業が引き続き堅調に推移する見通し。また、前期にスタートした脱炭素システム事業も成長を見込む。なお、22年6月期決算は、売上高470億5900万円(前の期比1.8%増)、営業利益98億5000万円(同4.3%増)、純利益77億3800万円(同32.0%増)だった。

■エイチ・アイ・エス <9603>  2,102円  +54 円 (+2.6%)  本日終値

エイチ・アイ・エス<9603>は全般軟調相場のなか堅調。複数のメディアで、HISが売却を検討している傘下のテーマパーク「ハウステンボス」について売却額が900億円程度になる見通しであることが伝わっている。売却先は香港の投資ファンドPAGが有力とされており、HISは月内にも交渉をまとめたい考えにあるという。ハウステンボスの売却額を巡っては当初800億円程度とも報じられていただけに、今回の報道を好感する向きもあるようだ。なお、会社側はハウステンボスの株式譲渡に関する報道について、「当社が発表したものではない」とのコメントを発表している。

■大塚ホールディングス <4578>  4,740円  +73 円 (+1.6%)  本日終値

大塚ホールディングス<4578>はしっかり。きょう付の日本経済新聞朝刊で「傘下の大塚製薬は2024年末にも、サプリメント『ネイチャーメイド』の新工場を米国で稼働する」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、新型コロナウイルス下で健康増進や維持の意識が高まっており、米国では今後もサプリの市場拡大が見込まれることから、需要拡大に対応するために工場を新設するという。なお、投資額は2億ドル規模の見込みとしている。

■レオパレス21 <8848>  341円  +5 円 (+1.5%)  本日終値

レオパレス21<8848>が3日ぶりに反発。SMBC日興証券が19日付で、投資評価「2」を継続し、目標株価を320円から380円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、第1四半期(4~6月)は入居率が着実に改善基調にあると指摘。入居者入れ替え時の賃料アップやアパートオーナーとの保証賃料適正化交渉によるコスト削減が想定以上に進捗しており、今後もコロナ感染者数増加が一段落し外国人の来日が加速すれば、入居率向上による収益改善が加速すると予想。23年3月期の営業利益予想を102億円から167億円へ、24年3月期を同153億円から193億円へ引き上げている。

■塩野義製薬 <4507>  6,988円  +88 円 (+1.3%)  本日終値

塩野義製薬<4507>はしっかり。前週末19日の取引終了後、抗インフルエンザウイルス薬XOFLUZA(一般名バロキサビル マルボキシル)が、5歳以上のインフルエンザウイルス感染患者に対する単回投与の経口治療薬として米国食品医薬品局(FDA)から承認を取得したと発表しており、これが好感された。なお、米国で初の承認取得としている。5歳以上のインフルエンザウイルス感染曝露後予防の適応もあわせて取得した。米国では既に、12歳以上の合併症のない患者及び合併症を併発するリスクが高い患者双方における発症後48時間以内の急性のインフルエンザウイルス感染症治療、12歳以上のインフルエンザウイルス感染曝露後予防の適応で承認されている。今回の追加適応により、5歳以上の小児においても単回経口投与型の新しい治療・予防の選択肢が提供可能になるという。

■ライオン <4912>  1,606円  +19 円 (+1.2%)  本日終値

ライオン<4912>は3日ぶりに反発。SMBC日興証券は19日、同社株の投資評価「1」を継続するとともに目標株価を1800円から1900円に引き上げた。第4四半期(10~12月)以降の値上げ効果発現で23年12月期は増益転換を予想している。22年12月期業績は原材料価格の急騰に加え新工場稼働やシステム投資に伴う償却費増で減益基調が続くが、第4四半期以降は国内日用品で値上げ効果が表面化すると予想。オーラルケアや薬品、ハンドソープなど主要品目の売り上げは堅調に推移しており、23年12月期はコストアップの一巡と値上げ効果で増益転換の確度は高いとみている。22年12月期の連結営業利益は275億円(前期比11.8%減)を維持するが、23年12月期は332億円から334億円に、24年12月期は356億円から365億円に増額修正している。

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