明日の株式相場に向けて=三菱重急騰とエネルギー株相場の予兆
「グロース株の逆襲」がこの夏のテーマだったとすれば、今秋は「エネルギー株相場の再来」が市場の関心を集めるかもしれない。
WTI価格は3月に1バレル=130ドルの高値をつけた後、調整入りし6月に123ドルまで値を上げたが、その後、再び下げ局面に入った。相場は「小回り3カ月」と言われるが、原油相場は8月に底を打ち、9~10月頃にかけ再上昇局面となることもあり得る。
気になるのは、ウクライナの戦火がクリミア半島に広がり、新たな局面を迎えかねないことだ。また、原油価格の下落でサウジアラビアなどが減産の意向を示していることも、エネルギー価格の波乱要因となりかねない。米国で天然ガス価格は14年ぶりの水準に上昇。天然ガスの高騰が、原油価格を押し上げることも予想される。引き続きINPEX<1605>などの動向は注目される。
そんななか、この日の市場の話題を集めたのが、原発 関連株の一斉蜂起だ。岸田首相が次世代の原子力発電の開発・建設を検討するように指示し、来夏以降に最大で17基の原発を再稼働させる、との報道が伝わった。これもエネルギー価格の上昇などを背景にしたものだが、この報道を受け、東京電力ホールディングス<9501>や日本製鋼所<5631>、木村化工機<6378>といった原発関連株が軒並み高となった。
なかでも、ひときわ目を引いたのが三菱重工業<7011>の急騰だ。今春は防衛関連株として人気化した三菱重だが、今秋は次世代原発関連株の中核として再び相場の牽引役となることが期待されている。
今晩は米7月耐久財受注が発表される。また、エヌビディア<NVDA>とセールスフォース・ドット・コム<CRM>が決算発表を行う。注目度の高いハイテク企業の決算であり、その結果が全体相場を左右することも考えられる。明日は国内で7月企業向けサービス価格指数が発表される。