ユーロ週間見通し:もみ合いか、高インフレで域内経済の先行きは不透明

通貨
2022年8月27日 14時38分

■弱含み、ドイツの景気後退リスク高まる

今週のユーロ・ドルは弱含み。一時0.9901ドルまで売られた。ロシアが欧州への天然ガス供給を一段と制限すること、ナーゲル独連銀総裁がドイツの景気後退リスクは高まっていると発言したことがユーロ売りにつながった。欧州中央銀行(ECB)の次回理事会での0.75ポイントの利上げ観測が浮上し、ユーロ買いが一時優勢となったが、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言を受けて早期利下げ観測は後退し、週末前にユーロ売り・米ドル買いが再び活発となった。取引レンジ:0.9901ドル-1.0090ドル。

■弱含みか、域内経済の先行き不透明感強まる

来週のユーロ・ドルは弱含みか。ユーロ圏経済のエネルギー供給不安が広がるなか、8月31日発表のユーロ圏8月消費者物価コア指数は高止まりが予想されている。高インフレが続いており、域内経済の先行き不透明感からユーロ売りが先行しそうだ。米連邦準備制度理事会(FRB)による追加利上げ観測は後退していないこともユーロ売り・ドル買いにつながる要因となる。

予想レンジ:0.9850ドル-1.0050ドル

■強含み、米ドル安・円高の相場展開の影響受ける

今週のユーロ・円は強含み。ユーロ圏の8月PMI速報値が製造業、サービス業とも前月から低下したことを受けて、ユーロ圏の景気減速懸念が広がり、ユーロ売り・円買いが一時活発となった。その後、欧州中央銀行(ECB)の9月理事会で0.75ポイントの利上げが検討されるとの思惑が浮上し、ユーロ買い・円売りが優勢となった。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言を受けて週末前にユーロ売り・米ドル買いが再び活発となったが、米ドル・円の取引でもドル買いが優勢となり、ユーロ・円は週末前に137円台に戻した。取引レンジ:135円52銭-137円96銭

■もみ合いか、高インフレで域内経済の先行きは不透明

来週のユーロ・円はもみ合いか。ユーロ圏向け天然ガスの高騰で8月31日発表の消費者物価指数は記録的な高水準が見込まれ、高インフレの影響で先行き不透明感からユーロ・ドルはさえない動きとなる可能性がある。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締め期待でドル・円は下げづらく、リスク回避的なユーロ売り・円買いがただちに拡大する可能性は低いと予想される。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント

・8月31日:8月消費者物価コア指数(7月:前年比+4.0%)

・9月1日:7月失業率(6月:6.6%))

予想レンジ:136円00銭-138円50銭

《FA》

提供:フィスコ

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