利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第1弾 30社選出 <成長株特集>
本特集では、7月下旬から8月中旬までの決算発表集中期間に配信した「利益成長“青天井"銘柄リスト」を、“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。今回は総集編 第1弾として、時価総額2500億円以上の銘柄を対象に、22年4-6月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。
下表では、本決算月にかかわらず、4-6月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している30社を選び出し、4-6月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのはGMOペイメントゲートウェイ <3769> [東証P]。22年4-6月期(第3四半期)の税引き前利益は218億円と過去最高益だった直前の1-3月期実績を5倍も上回って着地。EC市場の成長を背景にオンライン決済代行事業が拡大したほか、対面決済も政府による行動制限の解除を受けて飲食店などで利用が伸びた。また、タイの持ち分法適用関連会社の全株式を売却したことに伴い、売却益164億円を計上したことも利益を大きく押し上げた。
2位に入ったレーザーテック <6920> [東証P]の4-6月期(第4四半期)は、半導体メーカーがEUV(極端紫外線)リソグラフィを用いた半導体製造能力の増強など先端分野への積極投資を継続するなか、EUV関連を中心に半導体マスクブランクス欠陥検査装置が大きく伸びた。併せて発表した23年6月期の経常利益は前期比25.1%増の420億円と7期連続で過去最高益を更新する見通しだ。
続く3位のサントリー食品インターナショナル <2587> [東証P]は新型コロナウイルス感染拡大の影響が和らいだベトナムで清涼飲料の需要拡大が本格化したほか、欧米では販売数量の増加と値上げ効果で収益が大きく伸びた。海外事業の成長で原材料価格や人件費高騰の影響を吸収し、4-6月期(第2四半期)は7四半期ぶりに過去最高益を更新した。
4位のアドバンテスト <6857> [東証P]はSoC(システム・オン・チップ)半導体用試験装置が先端プロセス品向けの販売が大幅に伸びたうえ、半導体メーカーの増産投資で成熟プロセス品向けも好調だった。また、為替の円安進行も追い風となり、4-6月期(第1四半期)は3四半期連続の最高益更新を遂げた。併せて、上期配当の増配方針や自社株買いの実施を発表するなど、株主還元にも積極姿勢をみせる。
5位の三菱倉庫 <9301> [東証P]は旺盛な貨物需要を背景に、国際運送取扱事業で輸出入貨物の取扱量が増加した。また、海上・航空運賃の単価上昇や円安も寄与し、4-6月期(第1四半期)は売上高、経常利益ともに過去最高を塗り替えた。物流関連では、海運大手の日本郵船 <9101> [東証P]と川崎汽船 <9107> [東証P]のほか、港湾総合運送大手の上組 <9364> [東証P]がリスト入りしている。
6位の日本特殊陶業 <5334> [東証P]は主力とする自動車エンジン向け点火プラグが欧州を中心に補修用製品の販売が好調だったほか、半導体製造装置用部品の引き合いも強かった。また、為替の円安もプラスに働き、4-6月期(第1四半期)は3四半期連続となる最高益を達成した。指標面では配当利回りは4%台後半で推移する一方、予想PERは8.4倍と割安感が強く上値余地はあるとみられる。
28位にリストアップされたフジクラ <5803> [東証P]の4-6月期(第1四半期)経常利益は124億円(前年同期比34.2%増)と実に66四半期ぶりの最高益更新を果たした。エネルギー・情報通信事業でデータセンター向けの高水準な需要が続いたほか、エレクトロニクス事業は採算重視の受注戦略による品種構成の良化や円安の影響で利益が大きく伸びた。業績好調に伴い、23年3月期通期の業績予想を上方修正している。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 4-6月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<3769> GMO-PG 397 21809 4392 137 31538 13285 37.9 *
<6920> レーザーテク 48.5 16303 10978 25.1 42000 33582 47.9
<2587> サントリBF 43.8 58716 40826 5.9 124000 117052 21.3 *
<6857> アドテスト 38.3 48416 35008 49.6 174000 116343 10.7 *
<9301> 三菱倉 35.3 9586 7084 9.3 25300 23151 11.9
<5334> 特殊陶 33.0 34485 25920 16.9 97800 83642 8.4 *
<7309> シマノ 32.4 52728 39824 14.4 174500 152562 16.9
<4063> 信越化 28.7 262633 204130 21.0 840000 694434 11.0
<4528> 小野薬 26.0 39041 30984 39.0 146000 105025 14.9 *
<1605> INPEX 25.4 348329 277865 63.6 1255000 767038 5.9
<9101> 郵船 23.9 377726 304827 3.7 1040000 1003154 1.7
<6806> ヒロセ電 23.1 14507 11784 4.5 45000 43081 20.9 *
<2175> エスエムエス 21.9 4046 3319 10.0 8499 7726 43.0
<9364> 上組 21.5 10283 8460 3.6 32000 30875 14.0
<6967> 新光電工 21.1 28189 23278 27.9 97000 75820 7.3
<9107> 川崎汽 19.4 267397 223878 6.5 700000 657504 1.0
<2181> パーソルHD 19.2 17244 14462 4.5 51700 49484 21.4
<4684> オービック 18.0 18485 15664 9.0 65600 60174 37.4
<1911> 住友林 16.9 57664 49315 27.0 175000 137751 4.7
<6594> 日電産 14.3 56989 49855 20.4 206000 171145 31.9 *
<5444> 大和工 14.1 23174 20306 52.7 88000 57646 4.5
<4186> 東応化 12.4 8123 7230 43.1 31000 21664 12.5
<7272> ヤマハ発 12.1 69724 62220 10.9 210000 189407 6.7
<4091> 日本酸素HD 6.6 25540 23965 3.2 94500 91611 16.3 *
<4182> 菱ガス化 6.0 24884 23476 3.5 83500 80711 6.7
<8439> 東京センチュ 4.8 31986 30533 9.7 100000 91126 30.1
<4307> 野村総研 3.8 27789 26780 8.0 113000 104671 27.4 *
<5803> フジクラ 1.3 12474 12318 29.0 47000 36441 7.7
<9962> ミスミG 1.2 14603 14436 9.7 57600 52500 22.3
<2801> キッコマン 0.7 16979 16860 3.6 56200 54231 39.1 *
※2021年4月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した03年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
※過去最高益は同一会計基準内が対象。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。
株探ニュース