【クラウドファンディング】ウコン成分「クルクミン」で食品・医薬品開発 京大発ベンチャー、9月23日募集開始
「ウコン」の成分に着目して、機能性食品や医薬品の開発を行う株式会社セラバイオファーマ(川崎市高津区)が、株式投資型クラウドファンディング(新株予約権型)による出資を募集します。申し込みは9月23日10時開始を予定しています。
・ | 新株予約権型 |
・ | 目標募集額:1008万円、上限募集額:4032万円 |
・ | 事業会社/CVC出資実績あり |
・ | エンジェル出資実績あり |
・ | 類似上場企業:Delta-Fly Pharma、ペルセウスプロテオミクス、メディネット、ナノキャリア、キャンバス、シンバイオ製薬 |
ウコンに含まれる「クルクミン」に着目
(出典:FUNDINNO)
セラバイオファーマは京都大学発のベンチャー。「副作用を最小限にとどめる抗がん剤を開発して、治療中の患者のQOL(生活の質・生命の質)を改善する」「加齢やストレス、生活習慣によってさまざまな不具合が現れる体の状態を、より健康なままでキープし、さらなる劣化を抑制できる食品を開発し、人々の健康に貢献する」という目的の下、医薬品化を目指す「TBP1901」の研究・開発と、機能性食品「クルクルージュ」の開発・提供を行っています。
同社が着目する、ウコンに含まれる「クルクミン」については、がんや生活習慣病、脳神経疾患など、多くの病気に効果があるとする論文が数多く発表されているものの、クルクミンはウコンの粉末を口から摂取するだけではほとんど体に吸収されないため、同社はクルクミンが吸収されやすくなる技術を開発し、価値を生むことを目指しています。
(出典:FUNDINNO)
同社によると、高吸収クルクミン製剤(食品)の「クルクルージュ」はクルクミンの結晶を壊れやすくする技術を用いており、吸収性は通常のクルクミンの約100倍。その原材料は既に、欧米を中心に海外でも販売されています。
開発中の「TBP1901」はクルクミン分子に糖を結合させて、水に溶ける形にしたことで、直接、静脈に注射することができるのが特徴。疾患や炎症のある箇所で糖が切り離されて、元のクルクミンに戻るため、副作用のない抗がん剤などの医薬品として社会実装を進めていく計画です。
コロナ治療薬としての活用も視野に
(出典:FUNDINNO)
同社によると、クルクミンは欧米では、その抗酸化作用や抗炎症作用により、がんや生活習慣病、脳神経疾患、感染症などさまざまな疾患への有効性が数多くの論文で示されているものの、そのまま食べてもほとんど、体内に吸収されないという特性があり、本格的な実用化には至っていないといいます。
ウコンから抽出したクルクミンは大きく硬い結晶体で、水にほとんど溶けず、口から摂取しても腸から吸収されにくく、約99%がそのまま、体外へ排出されてしまいます。同社はクルクミンが体内の病巣や炎症部位で効果を発揮するために、独自の技術を開発したとしています。
(1)結晶を崩して、吸収されやすくする(「クルクルージュ」に応用)
「クルクルージュ」はクルクミンを吸収されやすい状態にする「アモルファス化テクノロジー」を利用して開発され、吸収率は通常のクルクミンの約100倍、市販の高吸収品の5倍以上。「クルクルージュ」を用いた臨床試験も行われており、今後も、さまざまな臨床試験を進めていく計画です。
(2)クルクミンに糖を合成して、水に溶けるようにすることで、静脈注射による投与を可能にした(「TBP1901」に応用)
体内に入った「TBP1901」は健康な細胞にはほとんど影響を及ぼすことなく、炎症を起こしている患部に到達すると、酵素によって糖との結合が切られて、元のクルクミン分子に戻り、さまざまな効果を発揮するといいます。
がん治療に使用されている抗がん剤に強い副作用があるのは、がん細胞の増殖を抑えて死滅させる効果が健康な細胞にも及んでしまうためですが、「TBP1901」は患部に到達するまでは糖と結合しており、健康な細胞に影響を及ぼすことがないため、副作用を最小限にとどめることができるといいます。
また、国立感染症研究所との共同研究で、クルクミンが現有医薬品、および、開発中の薬剤と同程度の感染阻害効果を持つことが示されたため、今後、副作用のない新型コロナウイルスの治療薬としても活用できるように研究を進めていく計画です。
中国市場を目指す「クルクルージュ」
同社によると、「クルクルージュ」は2020年9月の販売開始以来、欧米を中心に海外に幅広く展開。サプリメントの原料を世界各地の販売代理店に提供し、現地工場で最終製品に加工する形態を採用しています。
既にフランスやドイツで6社の顧客を獲得しているほか、今年度は米国で1社が採用を決め、14社が本格的な検討の段階に入り、その他の地域でも2社が採用。今後は、重要な市場と考える中国での販売を開始すべく、現在、アプローチをしているといいます。
一方、「TBP1901」は安全性試験が完了次第、臨床試験に入る予定で、臨床試験で有効性が確認されれば、世界の大手医薬品会社にライセンスアウト(販売権等の権利の使用許諾)する活動を開始する予定です。
なお、クルクミンを吸収しやすくする同社の独自技術はいずれも特許出願済み(一部取得済み)で、がん、脳腫瘍、新型コロナウイルス、変形性膝関節症の治療に「TBP1901」を用いることに対する用途特許も出願済みです。
今後の成長に向けて
(1)自社の技術をベースに、全世界を対象に、加齢、ストレス、肥満が原因の慢性病を予防し、健康的な老化を実現したい
現在進行中の臨床試験のほか、機能性素材の、うつ状態・気分の落ち込み、肝機能障害への効果の有用性についても臨床試験を予定しています。また、免疫機能の維持・改善効果について、機能性表示食品の届け出を行うことも検討中です。臨床試験で認知機能の維持・改善効果が確認できれば、それについても届け出をしたい考えです。
(2)クルクミン以外の有効成分の発見にも積極的に取り組み、新たな価値創造を
同社はクルクミン研究での経験と事業基盤を生かし、さまざまな天然素材の潜在力に着目して、新たな有効成分の発見にも取り組んでいく方針です。
(3)将来のEXITはIPOを想定
(出典:FUNDINNO)
(4)2030年までに20トン以上の機能性素材(クルクルージュ)の年間販売を計画
(出典:FUNDINNO)
株主構成
同社は以下の事業会社、および、エンジェル投資家より出資を受けています。
・株式会社イベロ・ジャパン
類似上場企業(業態やサービス・製品などで類似性の見られる企業)
・Delta-Fly Pharma <4598> [東証G]
・ペルセウスプロテオミクス <4882> [東証G]
・メディネット <2370> [東証G]
・ナノキャリア <4571> [東証G]
・キャンバス <4575> [東証G]
・シンバイオ製薬 <4582> [東証G]
発行者・募集情報
■募集新株予約権の発行者の商号及び住所、資本金等
株式会社セラバイオファーマ
川崎市高津区坂戸三丁目2番1号KSPイノベーションセンタービル東604
資本金:223,066,736円(2022年8月8日現在)
発行済株式総数:2,293株(同)
発行可能株式総数:10,000株
設立日:2016年8月25日
決算日:3月31日
■本新株予約権の発行者の代表者
代表取締役 橋本正
■本新株予約権の数(以下の個数を上限とする)
4,032個
■本新株予約権の払込金額
1個あたり 10,000円
■資金使途
・目標募集額達成時の資金使途内訳
調達額1,008万円を以下の目的に充てる予定
臨床試験費用 786万円
手数料 221万円
・上限応募額達成時の資金使途内訳
上記に追加し、調達額3,024万円(目標募集額1,008万円と上限応募額4,032万円との差額)を以下の目的に充てる予定
臨床試験費用 2,000万円
基礎研究費用 358万円
手数料 665万円
■投資金額のコース及び個数
90,000円コース(9個)
180,000円コース(18個)
270,000円コース(27個)
360,000円コース(36個)
450,000円コース(45個)
900,000円コース(90個)
1,800,000円コース(180個)
3,600,000円コース(360個)
4,500,000円コース(450個)
※特定投資家口座以外からの申し込みの場合、450,000円コース(45個)までしか申し込みできない。特定投資家口座からの申し込みの場合、4,500,000円コース(450個)を上限とする。
■申込期間
2022年9月23日~9月27日
■目標募集額
10,080,000円(上限募集額 40,320,000円)
※特定投資家口座全体からの申し込みの上限は30,240,000円とする。
■払込期日
2022年10月21日
■連絡先
株式会社セラバイオファーマ
電話番号:044-322-0005
メールアドレス:info@therabio.co.jp
※本株式投資型クラウドファンディングの詳細については、FUNDINNOの下記ページをご覧ください。
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