話題株ピックアップ【夕刊】(1):ツルハHD、コシダカHD、郵船

注目
2022年9月21日 15時12分

■レーサム <8890>  1,627円  +90 円 (+5.9%)  本日終値

レーサム<8890>が3日ぶり反発。20日の取引終了後、香港の投資会社オアシス・マネジメントの子会社が100%出資するRays Companyがレーサムに対し、経営権の取得を目的にTOBを実施することを明らかにしており、これが好感されたようだ。TOB価格は1株1700円。このTOBによりRays Companyは、レーサムの取締役会長だった田中剛氏の資産管理会社が保有するレーサム株1836万4300株(発行済み株式数の64.21%)を取得する。買い付け予定数は同数の1836万4300株(下限・上限設定とも同じ)で、買い付け期間は21日から11月4日まで。なお、TOB成立後もレーサムの上場は維持される。

■ソフトウェア・サービス <3733>  7,640円  +380 円 (+5.2%)  本日終値

ソフトウェア・サービス<3733>は大幅続伸。20日の取引終了後、上限を20万株(発行済み株数の3.68%)、または14億5200万円とする自社株を21日朝の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)で取得すると発表しており、これが好感された。資本効率の向上を図るとともに、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を可能とすることが目的という。

■ツルハホールディングス <3391>  8,520円  +390 円 (+4.8%)  本日終値  東証プライム 上昇率3位

ツルハホールディングス<3391>はマドを開けての大幅高で3連騰、前週13日につけた戻り高値8170円を払拭し、約半年ぶりの高値圏に急浮上してきた。北海道を発祥とするドラッグストアで業界トップクラスの売り上げ規模を誇る。23年5月期のトップラインは前期比6%増の9688億円で1兆円の大台を視野に捉えている。同社が20日取引終了後に発表した第1四半期(5月16日~8月15日)決算は売上高が前年同期比3%増の2431億8100万円、営業利益が同3%増の133億1700万円と増収増益を達成した。営業利益の対通期進捗率は31%に達しており、通期業績の上振れも視野に入る。全体地合い悪のなかもこれを好感する買いを誘導している。

■コシダカHD <2157>  937円  +41 円 (+4.6%)  本日終値  東証プライム 上昇率4位

コシダカホールディングス<2157>が全体悪地合いの間隙を縫って大幅高、前週16日につけた年初来高値917円を大きく上抜いてきた。世界的なリセッション懸念が意識されるなかも、日本は政府の水際対策の大幅緩和に伴いインバウンド消費が再び期待される状況にある。外国為替市場でドル高・円安基調にあることも訪日外国人観光客の購買意欲を高め、消費関連には強力な追い風となる。モノ消費だけでなくコト消費への訪日外客特需も期待され、カラオケを直営展開する同社にとって収益機会が高まる。特に、同社はカラオケルームでのライブ視聴など新たなコンテンツ導入で集客力を高めており、顧客ニーズ獲得に期待が大きい。

■日本製鋼所 <5631>  3,170円  +125 円 (+4.1%)  本日終値  東証プライム 上昇率5位

日本製鋼所<5631>が大幅続伸。20日の取引終了後、23年3月期の連結業績予想について、売上高を2660億円から2630億円(前期比23.0%増)へ、営業利益を215億円から190億円(同22.9%増)へ下方修正したが、アク抜け感から買われたようだ。下方修正は、子会社の日本製鋼所M&Eが製造する製品の一部で判明した不適切行為に起因するISO認証停止などの影響から、素形材・エンジニアリング事業において一部製品で出荷遅れが生じていることが要因。また、産業機械事業で部品価格や輸送費の高騰への対策として取り組む代価改善の効果が出るまでに、想定よりも時間を要していることも響くとしている。なお、未定としていた純利益を140億円(同0.4%増)、配当予想を中間・期末各29円の年58円(前期57円)にすると発表しており、これも好材料視されているようだ。

■バイセル <7685>  6,240円  +170 円 (+2.8%)  本日終値

BuySell Technologies<7685>が6日ぶりに反発。SBI証券が20日付で投資判断「買い」を継続し、目標株価を7440円から8200円へ引き上げたことが好材料視された。同証券では、会社側が8月12日に発表した上期決算と22年12月期業績予想の上方修正を踏まえ、22年12月期以降の業績予想の見直しを実施。出張訪問回数及び出張訪問あたり変動利益の前提を引き上げたほか、22年12月期第4四半期からPL連結されるフォーナインの影響を加味し、22年12月期営業利益予想を31億4000万円から34億7000万円へ、23年12月期を同45億円から51億6000万円へそれぞれ引き上げた。

■日本郵船 <9101>  9,730円  +130 円 (+1.4%)  本日終値

日本郵船<9101>、商船三井<9104>など大手海運株が全般リスクオフ相場のなかで強さを発揮し、プラス圏で売り物をこなしている。いずれも超低PER高配当利回りで割安感が際立つが、コンテナ船市況の先行き軟化を警戒してここ機関投資家の保有ポジションを軽くする動きなどが加速し、株価も調整を余儀なくされた。ただ、両銘柄ともに13週移動平均線は上向きを維持しており、目先は同移動平均線との下方カイ離を修正する動きをみせている。世界的な金利上昇局面でハイテク系・グロース株は手掛けにくく、インカムゲイン狙いで魅力が際立つ海運セクターは、目先下値リスクを考慮しながらも押し目を拾う動きが顕在化している。

■フリュー <6238>  1,062円  +14 円 (+1.3%)  本日終値

フリュー<6238>は4日続伸。20日の取引終了後に発表した8月度の月次概況(速報)が前年同月比15.7%増と2ケタ増となり、2カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。事業別では主力のキャラクタMDが同9.1%増となったほか、プリントシールが同10.7%増、コンテンツ・メディアが同6.2%増、ゲームが同2.4倍とともに伸長した。

■TSIホールディングス <3608>  425円  +5 円 (+1.2%)  本日終値

TSIホールディングス<3608>は年初来高値を更新。20日の取引終了後、次世代ファッションブランド体験の実現に向け、中国IT大手アリババ集団<BABA>傘下のアリババクラウド、ゲーム開発スタジオのJP GAMES(東京都千代田区)との間で技術提携と共同プロジェクトを開始すると発表。JP GAMESが提供するメタバース空間上でTSIHDが運営する多様なブランドによるエンターテインメントコンテンツの展開を検討しているという。今後、アリババクラウドが持つ最新技術とJP GAMESのメタバース空間構築技術を活用し、デジタルとリアルが融合する新たなものづくりの仕組みを開発するとしている。

■アダストリア <2685>  2,220円  +24 円 (+1.1%)  本日終値

アダストリア<2685>は続伸。正午ごろ、米国発のファッションカジュアルブランド「FOREVER21」の日本再上陸にあたり、子会社Gate Win(ゲートウィン)が、マスターライセンスを保有する伊藤忠商事<8001>とサブライセンス契約を締結したと発表しており、これが好感された。アダストリアグループでは“トレンド&ハイクオリティへの転換”というテーマを掲げており、高いファッション感度と多様なカルチャーを背景に持つFOREVER21のファッションブランドとしてのポテンシャルとアダストリアの1400万人以上の会員を保有する自社EC、店舗開発力、商品開発力などの強みを掛け合わせることで、かつての大量生産・大量販売・大量廃棄のイメージから脱却し、現在の日本マーケットにローカライズしたファッションを届けることを目指す。なお、数値目標として28年2月期に売上高100億円を計画している。

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