【クラウドファンディング】累計1.3億円調達 フリーランス向けマッチングサービスのビズリンク、10月10日募集開始

経済
2022年10月4日 15時30分

フリーランス向けのマッチングプラットフォーム「Bizlink」を展開する株式会社ビズリンク(東京都品川区)が、株式投資型クラウドファンディング(普通株式型)による出資を募集します。申し込みは10月10日10時開始を予定しています。

・ 普通株式型
・ 目標募集額:1501万円、上限募集額:8996万5000円
・ VC出資実績あり
・ 事業会社/CVC出資実績あり
・ エンジェル出資実績あり
・ エンジェル税制あり(優遇措置B)
・ 4回目(過去3回はいずれも成約。1回目3740万円、2回目1890万円、3回目7810万円)
・ みなし時価総額:19億8960万4000円
・ 類似上場企業:クラウドワークス、ココナラ、i-plug、ビジョナル、ワンキャリア、ランサーズ、ユナイトアンドグロウ

※「みなし時価総額」はミンカブ編集部が「発行済み株式数×募集株式の払込金額」により試算

人材不足やデジタルデバイド問題を解決

【タイトル】

(出典:FUNDINNO)

ビズリンクは、フリーランス約5500人が登録するマッチングプラットフォーム「Bizlink(ビズリンク)」を運営するIT企業で、この仕組みを活用し、「ビズリンク フリーランス」「ビズリンク プロシェアリング」をクライアント企業に提供しています。

「ビズリンク フリーランス」は、エンジニアやデザイナー、ディレクターなどの受託側を、ITニーズのある企業へマッチングすることをメインとしたサービス、「ビズリンク プロシェアリング」は、CXOクラス(CMO、CTO、CFOなど)の経験やスキルのあるITプロ人材のスキルをシェアし、企業のデジタルシフト(DX)を支援するものです。

【タイトル】

(出典:FUNDINNO)

今後は、人材・案件データベースでもある「Bizlink」をSaaS(Software as a Service:クラウド事業者が提供するソフトウェアをインターネット経由で利用できるサービス)として、クライアント企業やSES(System Engineering Service:エンジニアを派遣するサービス)企業に提供することで、企業が案件を掲載してITプロ人材を活用したり、自社で案件を獲得したりすることができるようにする計画です。

同社は「フリーランスや副業のITプロ人材のスキルや労働力をシェアできるインフラを構築することで、日本の人材不足問題やデジタルデバイド問題を解決したいと考えています。ベンチャー・中小企業・地方企業を活性化し、ひいては新しい働き方のグローバルスタンダードを創出し、より新しい働き方や仕事の依頼の仕方が日本全国、ひいては世界に浸透する仕組みを構築していくことを目指します」としています。


前回からの進捗

(1)前期約8.64億円、前年比約1.84倍の売り上げを実現。今期17.9億円超の売り上げを目指し、上場へ準備

前期は前年比約1.84倍の約8.64億円の売り上げで着地、「ビズリンク フリーランス」「ビズリンク プロシェアリング」の登録フリーランスなども、FUNDINNO第3回目募集時から増えており、組織人材も正社員が約30人まで増加しています。

また、新規事業の立ち上げやインサイドセールス(電話やメールなどを活用した非対面の営業手法)部門の設立、企業のM&Aにも着手しており、これらの施策により、今後さらに事業を拡大していきたい考えです。

【タイトル】

(出典:FUNDINNO)

(2)各種事業を推進し、子会社においても大手企業との連携などが進行中

株式会社ビズリンクとしては、SaaS事業のためのシステム開発を進め、企業・人材・案件の自動AIマッチング機能や、履歴書・スキルシートの自動生成機能を開発中です。サービスはテストマーケティング中で、リリースは来年夏を予定しています。BPO事業としては、企業からの業務を代行し、そこに必要な人材を同社で選定、育成し、最終的に同社社員に登用したり、IT企業などに紹介したりする事業も立ち上げました。

子会社の株式会社ビズリンクキャリアは前期の売り上げが約2000万円で、今後、大手IT企業のプログラミングスクールと連携し、スクールを卒業した人材の就職支援などを実施していく取り組みを進めています。また、同社代表が代表理事を務める一般社団法人ITフリーランス協会は加盟者数が約400人となり、今年秋ごろには、賃貸補償サービスの提供も計画しています。

【タイトル】

(出典:FUNDINNO)

IT業界のピラミッド構造が引き起こす問題

同社は「解決したい課題」として、以下の3つを挙げています。

(1)IT業界の多重マージン構造により、エンジニアは非効率な働き方やミスマッチが多い

同社によると、現在約107万人いるIT人材(エンジニアなど)のうち約4割はSES業界で従事しているものの(イーデス@人事)、同業界は、案件情報が降りてくるまでがピラミッド方式の構造で、末端の人材に情報が伝わりにくく、また、多くが多重マージン構造になってしまっているなどの問題があります。

この構造により、川下の企業は川上の企業に案件が左右されてしまうため、案件が急にストップすると人材リソースが余ってしまうといったことが起こり得るほか、情報伝達がうまくいかず、開発システムやサービスの不具合が発生し、プロジェクトが炎上するリスクもあるそうです。

【タイトル】

出典:FUNDINNO)

(2)国内約350万社の企業のうち約8%しか、業務のDXが進んでいない

同社は、国内約350万社の企業の約99.7%を占める「中小企業」のうち、約64.3%が赤字決算(国税庁調査)である事実に着目。IT投資を行っている企業は、行っていない企業の約1.26倍の経常利益を生んでいるという経済産業省の調査もあり、「企業はDX推進で利益を拡大できる可能性があるものの、経営者の高齢化によるITリテラシーの欠如や国内のIT人材不足などにより、2019年時点で、DX完了済みの企業はわずか8%ほどと、あまりDXが進んでいない」と分析しています。

(3)フリーランスが最大限活躍するための仕組みや社会保障が欠如

フリーランスで働く人は自ら、案件の獲得や報酬の交渉などを行わなければならず、交渉力が弱いと、自身のスキルに合わない案件を依頼されたり、安価な報酬で依頼されたりといったことが発生するほか、福利厚生や教育体制がないなどの問題もあると同社は考えています。

課題をどう解決するか

これらの課題に対して、同社は以下の解決策を示しています。

(1)エンジニアの人材不足問題と構造問題を解決する「ビズリンク フリーランス」

「ビズリンク フリーランス」では、ITプロ人材(主にエンジニア)のスキルに合った案件を同社が直接マッチングしています。

これにより、多重構造だった案件依頼の商流や中間マージンを一部なくすことで、エンジニアに案件の情報が正しく伝わることから、クライアントは品質の高いシステムやサービスを構築できる一方で、エンジニアにとっても、今まで中抜きされていた中間マージンを適正価格に近い価格で獲得できるため、高単価の報酬を得られるといいます。

今後、この仕組みをSaaSとしてクライアント企業やSES企業に開放することで、クライアント企業が直接、エンジニアをプロジェクトに加えたり、SES企業がリソースの空いているエンジニアを「Bizlink」のモデルを通じて、直接、クライアントに提案したりすることができるとしています。

【タイトル】

(出典:FUNDINNO)

(2)ITプロ人材を活用し、日本中の企業のDXを可能にする「ビズリンク プロシェアリング」

「Bizlink」に登録しているITプロ人材はエンジニアだけでなく、マーケターやクリエイターなど多種多様なため、「ビズリンク プロシェアリング」では、彼らのノウハウやスキルをパッケージにすることで、ITツール導入から、ホームページ作成やECによる商品の販売支援まで可能になるといいます。

また、「CXO顧問」というサービスもパッケージ化しており、CXO経験者やCXO相当レベルの人の知識やネットワークを活用できるほか、同社はIT導入補助金に関して、IT導入支援事業者としての登録が採択されているため、企業は補助金を活用しながら、サービスを導入できるとしています。

(3)フリーランスの業務サポートから福利厚生サポートまでを一気通貫で提供

「Bizlink」では、登録するフリーランスに営業担当がつき、面談結果を基にその人に適した案件を提供するため、案件のミスマッチが起こりにくく、クライアント企業にとっても、最適なフリーランスを選びやすくなるといいます。

また、ビズリンクキャリアやITフリーランス協会を通して、転職や教育機会を提供し、また、事務代行や確定申告のサポート、福利厚生を提供することで、フリーランスが働きやすい環境を構築できるとしています。

「Bizlinkパートナー」「FC企業」のネットワーク

ビズリンクは「Bizlinkパートナー」「FC企業」制度を設けています。「Bizlinkパートナー」は士業の人や顧問・エンジェル投資家など、自身でさまざまな企業と接点を持つ人で、クライアント先などから、人材やマーケティング、DXなどの相談を受けている人を指します。「FC企業」は人材系企業やコンサル会社、広告代理店など自社で顧客を抱えているものの、エンジニアニーズなどの求人や各種専門領域の事業相談に対応できていないような企業です。

【タイトル】

(出典:FUNDINNO)

同社はこれらのネットワークを全国に拡大し、「Bizlink」に新鮮な案件が大量に集まる仕組みを構築しており、また、非IT系企業とも接点を持つことができ、つながりを重視するこれら非IT系企業はWeb広告などではリーチできないため、「Bizlink」のサービス展開をすることで、同社が高い優位性を持つことができるとしています。

また、同社は他社との違いとして、「フリーランスなどの新しい働き方を軸とするサービスに特化した企業である」ことを挙げています。そこへITに特化したプロ人材を集結させることで、システム開発やDX、マーケティングなど、専門性の高い分野での案件獲得を行っており、クラウドソーシング系サービスとの差別化も図れているといいます。

今後の成長に向けて

(1)「Bizlink」データベースをSaaSで開放し、働き方や業界の課題解決にも貢献

「Bizlink」の仕組みをSaaSとして、SESやクライアント企業に提供する仕組みを開発中で、SES企業がエンジニアの空きリソースを「Bizlink」の案件に提案したり、人材や案件の管理、さらには請求管理まで、一気通貫で使えるシステムを提供予定です。

(2)フリーランス向けの教育機関や社会保障の仕組みを構築し、「Bizlink」の発展にもつなげる

ITフリーランス協会を通じて、フリーランス向けの福利厚生の仕組みを作ることを検討しているほか、フリーランス向けの教育機関の整備も検討中です。同社では、彼らの雇用や教育をサポートすることが「Bizlink」の発展にもつながると考えています。

(3)将来のEXITはIPO(グロース市場上場)を想定

【タイトル】

(出典:FUNDINNO)

(4)2026年までに、フリーランサー累計登録者数2.6万人以上の獲得を計画

【タイトル】

(出典:FUNDINNO)

株主構成

同社は、以下のVCのほか、事業会社、FUNDINNO第1回目・2回目・3回目募集時の投資家、その他のエンジェル投資家より出資を受けています。

・株式会社TECHFUND

類似上場企業(業態やサービス・製品などで類似性の見られる企業)

・クラウドワークス <3900> [東証G]

・ココナラ <4176> [東証G]

・i-plug <4177> [東証G]

・ビジョナル <4194> [東証G]

・ワンキャリア <4377> [東証G]

・ランサーズ <4484> [東証G]

・ユナイトアンドグロウ <4486> [東証G]

発行者・募集情報

■募集株式の発行者の商号及び住所、資本金等

株式会社ビズリンク

東京都品川区西五反田七丁目1番10号U's-1ビル8階

資本金:70,798,000円(2022年7月4日現在)

発行済株式総数:5,235,800株(同)

発行可能株式総数:11,000,000株

設立日:2015年4月1日

決算日:3月31日

■募集株式の発行者の代表者

代表取締役 姜大成

■募集株式の種類及び数(上限)

普通株式 236,750株

■募集株式の払込金額

1株あたり 380円

■資金使途

・目標募集額達成時の資金使途内訳

調達額1,501万円を以下の目的に充てる予定

広告宣伝費 501万円

営業人件費 250万円

開発人件費 376万円

上場準備費用 125万円

手数料 247万円

・上限募集額達成時の資金使途内訳

上記に追加し、調達額7,495万円(目標募集額1,501万円と上限募集額8,996万円との差額)を以下の目的に充てる予定

広告宣伝費 2,503万円

営業人件費 1,251万円

開発人件費 1,877万円

上場準備費用 625万円

手数料 1,236万円

■投資金額のコース及び株数

95,000円コース(250株)

190,000コース(500株)

285,000円コース(750株)

380,000円コース(1,000株)

475,000円コース(1,250株)

950,000円コース(2,500株)

1,900,000円コース(5,000株)

2,850,000円コース(7,500株)

3,800,000円コース(10,000株)

4,750,000円コース(12,500株)

5,700,000円コース(15,000株)

※特定投資家口座以外からの申し込みの場合、475,000円コース(1,250株)までしか申し込みできない。特定投資家口座からの申し込みの場合、5,700,000円コース(15,000株)を上限とする。

■申込期間

2022年10月10日~10月16日

■目標募集額

15,010,000円(上限募集額 89,965,000円)

※特定投資家口座全体からの申し込みの上限は47,500,000円とする。

■払込期日

2022年11月9日

■連絡先

株式会社ビズリンク

電話番号:03-6722-6028

メールアドレス:info@bizlink.io

※本株式投資型クラウドファンディングの詳細については、FUNDINNOの下記ページをご覧ください。

【第4回】<前期:売上約8.64億円(前年比約1.84倍)>IPOに向け年々売上・実績を拡大中!約4,000社が利用したHRTechサービス「Bizlink」

【タイトル】

~こちらの記事も読まれています(※外部リンク)~
 
▼ベンチャー企業へ投資した年に受けられる優遇措置
エンジェル税制とは?
 
▼クラウドファンディングについてもっと詳しく知りたい
クラウドファンディングとは?

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.