【クラウドファンディング】食用コオロギで食糧不足に挑む 坪井大輔氏のCricketFarm、10月15日募集開始
「食用コオロギ」を活用した次世代タンパク質の生産を手掛ける株式会社CricketFarm(長野県岡谷市)が、株式投資型クラウドファンディング(普通株式型)による出資を募集します。申し込みは10月15日10時開始を予定しています。
・ | 普通株式型 |
・ | 目標募集額:800万円、上限募集額:3200万円 |
・ | エンジェル税制あり(優遇措置A) |
・ | 株主優待あり(直営オンラインショップ商品を割引価格で購入できる) |
・ | みなし時価総額:1億7000万円 |
・ | 類似上場企業:きちりホールディングス、プリマハム、味の素、日清食品ホールディングス、オイシックス・ラ・大地、シグマクシス・ホールディングス、ロイヤルホールディングス、良品計画 |
※「みなし時価総額」はミンカブ編集部が「発行済み株式数×募集株式の払込金額」により試算
次世代栄養素"タンパク質2.0"としての可能性
CricketFarmは、2021年8月に長野県岡谷市で創業したFoodTechベンチャーです。「持続可能な地球へ」をミッションに、現在は食用コオロギ(フタホシコオロギ)を活用した次世代タンパク質の生産を手掛けています。「昆虫食」ではなく、食用コオロギを完全にパウダー化し、次世代の栄養素(素材)として普及させていくことを目指しています。
(出典:FUNDINNO)
同社は、世界的な人口増加による食糧不足問題の解決策を見つけたいと考え、コオロギの養殖に着手。これまで4度の事業売却を実施し成功を収めてきた、代表の坪井大輔氏が次に解決すべき社会課題として着目したのが、動物性タンパク質の新たな選択肢となる食用コオロギのビジネスだったといいます。
(出典:FUNDINNO)
食用コオロギは牛や豚などの他の畜産に比べて、環境に負荷をかけずに飼育ができ、SDGsの観点からも理にかなっているほか、豊富なタンパク質やさまざまな栄養素を蓄えているため、次世代栄養素"タンパク質2.0"としての可能性を秘めていると同社は考えています。
同社は、食用コオロギをパウダー化したものを主原料とした素材やさまざまなオリジナル商品、地元企業とのコラボ商品を販売しているほか、2022年8月から稼働を開始した長野県茅野市の新工場では、一般消費者向けの工場見学や商品の直売所を設け、コオロギに親しめる環境も作りました。
同工場は、これまで独自に培ってきたセンシング技術やロボットの活用など最新鋭のテクノロジーを導入したスマートファクトリーとして操業中で、データ化・見える化などを徹底して、業務の効率化や省力化、省人化を図り、コストを抑えることで、国産コオロギパウダーの低価格化を実現しています。
(出典:FUNDINNO)
今後はパウダーの流通拡大に向け、スマート養殖生産システムを世界中の企業へ提供することで、サプライチェーンの強化を図る計画で、「農業新時代の糸口を切り開くことができれば、世界のあらゆる場所で栄養価のあるコオロギの生産が可能になり、それが世界の『タンパク質危機』の解決はもとより、『飢餓をゼロに』の実現にも近づけると考えています」(同社)としています。
流通価格の安定化が課題
日本は少子高齢化による人口減少が危惧されている一方で、地球の人口は増加傾向にあり(世界人口白書2021)、特に新興国では、経済発展による人口の増加や、小麦や米などを主食としていた人たちが副食として、肉や魚などを消費する傾向が出てきたことから、地球規模でのタンパク質の供給不足が懸念されていると同社は考えています。
その対策として、各国の食品業界やスタートアップ企業が次世代タンパク質の開発を急いでおり、昨今、昆虫の活用が注目され、ミドリムシや蜂の幼虫、コオロギなど、さまざまな生物が脚光を浴びているといいます。昆虫は高タンパク、低脂質といった栄養面はもちろん、設備投資も少なく、畜産物に比べて低コスト、かつ、環境負荷が少ないため、SDGsの観点でも理にかなっているそうです。
しかし、同社は、日本で昆虫の活用が一般的になるには「昆虫食」に対する消費者の心理的抵抗を減らすこと、流通価格を安定化させることが必要だと考えています。昆虫を粉末状にして、他の素材と混ぜて風味を変えるなど、いわゆる加工食品化は進んでいるものの、大量生産に向けた養殖方法や加工技術などのノウハウが蓄積されていないため、国内産の価格は高いままだといいます。
同社は「せっかくの次世代タンパク質も、国内産は海外産よりも品質が良いのに価格面では勝てず、普及が困難になってしまいます。日本の消費者が普段の食生活で、次世代タンパク質を自然に受け入れてもらうためには、これらの問題を解決しなければならないと考えています」としています。
スマート養殖システムを海外へも
同社の先進技術を活用したスマート養殖システムにより、養殖したコオロギをそのままパウダー化することで、栄養素(素材)として低価格で販売可能になるといいます。同システムで不要な経費を削り、商品を安定的に供給し続けることで、市場での流通金額を安定化させられると考えています。
同社でコオロギを分析した結果、100グラム当たりのタンパク質は71.5グラムとその含有量は70%以上に上り、脂質も13.4グラムと低い数値を記録しました。また、亜鉛や鉄、カルシウムにマグネシウム、ビタミンB1・B2に加えて、豊富なアミノ酸が含まれることも確認できたといいます。
(出典:FUNDINNO)
同社は現在、長野県岡谷市と茅野市(2022年8月新設)に工場を持ち、2カ所合計約1600平方メートルの施設で、最大年間約2100万匹、約6.3トンのパウダーを生産していく計画です。コオロギパウダーは現在、1キロあたり約5000円(税別)で販売しており、これは国内の国産競合商品よりも安価で、海外へ輸出しても競争力を発揮できる価格帯だといいます。
低価格の背景には独自のスマート養殖システムがあり、コストを持続的に抑制するために業務をすべてマニュアル化し、データに基づき、センサーやロボットが適切な処理を行える仕組みを実装しています。スマホで飼育管理ができる専用アプリ、室内温度や湿度の管理を目的としたセンシング技術も複数導入しており、第二工場(茅野市)にはコオロギ養殖専用ロボットも導入予定です。
また、同社はスマート養殖システムをアセットにして、国内のみならずアフリカなどの国にも提供し、自国で安価に栄養価のあるコオロギ養殖ができるようサポートしていく計画です。
地元・長野県の企業とコラボも
同社の収益モデルは主に2つで、一つはパウダーを活用した商品展開です。コオロギパウダーを食材として、飲食店や食品メーカーなどに流通させているほか、パウダーを活用したオリジナル食品やペットフードなどの販売も行っています。
もう一つは生産パートナー制度の導入によるマネタイズで、スマート養殖システムを一式パッケージにして、国内企業へ業種横断的に提供していく計画です。農業経験のない企業も土地さえあれば、同システムと養殖技術を飼育アセットとして提供できるといいます。
また、同社はパウダーの認知を上げる施策として、地元・長野県の各種企業とのコラボレーション企画を推進しています。創業130年以上の老舗みそメーカーと開発した「コオロギ味噌」など数多くのコラボ商品を手掛けており、順次、販売していく計画です。
一方で、消費者向けには、コオロギの魅力・可能性を直接知ってもらおうと、2022年8月から、茅野工場で工場見学を実施しており、土日祝日に一般営業し、毎週多くの人が見学に訪れているといいます。
今後の成長に向けて
(1)独自のコオロギオイルの化粧品成分の国際名称を世界初登録。抽出方法で特許も出願し、化粧品素材として展開する
同社は産学連携を通じて、コオロギパウダーのR&D(研究開発)も継続的に進めていきたい考えです。すでに長野県内の大学と、自社コオロギの味・においの改良や、成分成果と効能調査を行っており、今後も継続して、ブランド強化と新商品開発につなげていくとしています。
また、フタホシコオロギを活用した独自のオイル精製方法を確立し、特許を出願中です。同オイルを活用した世界でも数少ない化粧品素材として、INCI(化粧品成分の国際的名称)へも国際登録しており、今年度内の美容領域参入を視野に入れています。
(2)「飢餓をゼロに」へ向け、生産者パートナー制度のアフリカモデルを構築
同社は創業1年で2つの工場を保有しており、今後、第3、第4工場の稼働も計画中で、スーパーフードとして期待されるコオロギパウダーの大量生産への取り組みを加速させたい考えです。今後は国内のパートナー制度をアフリカにも適用し、コオロギ養殖が行えるようサポートすることも計画しています。
(3)将来のEXITはIPOを想定
(出典:FUNDINNO)
(4)2028年に62万個以上の、コオロギを原料として配合した栄養食品の販売を計画
(出典:FUNDINNO)
類似上場企業(業態やサービス・製品などで類似性の見られる企業)
・きちりホールディングス <3082> [東証S]
・プリマハム <2281> [東証P]
・味の素 <2802> [東証P]
・日清食品ホールディングス <2897> [東証P]
・オイシックス・ラ・大地 <3182> [東証P]
・シグマクシス・ホールディングス <6088> [東証P]
・ロイヤルホールディングス <8179> [東証P]
・良品計画 <7453> [東証P]
株主優待
■優待内容
2株未満:直営オンラインショップの商品を10%オフで購入できる。
2~3株:同15%オフで購入できる。
4株以上:同20%オフで購入できる。
■注意事項
株主本人以外は利用できない。また、利用は優待基準日(毎年11月末日)を基準に、1年に1度。
発行者・募集情報
■募集株式の発行者の商号及び住所、資本金等
株式会社CricketFarm
長野県岡谷市川岸上一丁目13番19号
資本金:8,500,000円(2022年9月21日現在)
発行済株式総数:1,700株(同)
発行可能株式総数:3,000株
設立日:2021年8月11日
決算日:3月31日
■募集株式の発行者の代表者
代表取締役 坪井大輔
■募集株式の種類及び数(上限)
普通株式 320株
■募集株式の払込金額
1株あたり 100,000円
■資金使途
・目標募集額達成時の資金使途内訳
調達額800万円を以下の目的に充てる予定
外注費 624万円
手数料 176万円
・上限募集額達成時の資金使途内訳
上記に追加し、調達額2,400万円(目標募集額800万円と上限募集額3,200万円との差額)を以下の目的に充てる予定
外注費 1,472万円
広告宣伝費 400万円
手数料 528万円
■投資金額のコース及び株数
100,000円コース(1株)
200,000円コース(2株)
300,000円コース(3株)
400,000円コース(4株)
500,000円コース(5株)
1,000,000円コース(10株)
2,000,000円コース(20株)
3,000,000円コース(30株)
4,000,000円コース(40株)
5,000,000円コース(50株)
6,000,000円コース(60株)
7,000,000円コース(70株)
8,000,000円コース(80株)
9,000,000円コース(90株)
10,000,000円コース(100株)
※特定投資家口座以外からの申し込みの場合、500,000円コース(5株)までしか申し込みできない。なお、特定投資家口座からの申し込みの場合、10,000,000円コース(100株)を上限とする。
■申込期間
2022年10月15日~10月19日
■目標募集額
8,000,000円(上限募集額 32,000,000円)
※特定投資家口座全体からの申し込みの上限は25,000,000円とする。
■払込期日
2022年11月14日
■連絡先
株式会社CricketFarm
電話番号:0266-75-2113
メールアドレス:info@cricketfarm.co.jp
※本株式投資型クラウドファンディングの詳細については、FUNDINNOの下記ページをご覧ください。
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