話題株ピックアップ【夕刊】(2):トレファク、キャンバス、アミタHD
■パルHD <2726> 2,155円 -134 円 (-5.9%) 本日終値
パルグループホールディングス<2726>は大幅安。12日の取引終了後に発表した23年2月期上期(3~8月)の決算は、会計基準の変更により単純比較はできないものの実質大幅な増収増益と好調だった。ただ、前回の四半期決算発表で通期の上方修正をあわせて開示し株価水準を切り上げていただけに、目先は利益確定の動きが強まったようだ。上期の売上高は781億9300万円(前年同期631億9500万円)、営業利益は75億8200万円(前年同期比2.7倍)だった。EC販売の強化や新規出店などの各種施策が奏功し、売り上げを伸ばした。通期の見通しは据え置いている。
■ビックカメラ <3048> 1,181円 -58 円 (-4.7%) 本日終値
ビックカメラ<3048>は続落。12日の取引終了後、23年8月期の連結業績予想を発表した。売上高は前期比3.9%増の8235億円と増収を計画する一方、営業利益は同3.2%減の173億円の見通し。市場には、210億円前後の営業利益を予想する見方も出ていたことから、失望売りが膨らんだ様子だ。インターネット通販や法人事業は拡大を予想する半面、インバウンド向けは回復を織り込んでいないという。9月に開始した水宅配事業については創業赤字を見込む。あわせて同社は22年8月期決算において、携帯ショップ事業の一部に関するのれん・無形固定資産の減損損失を特別損失として計上したと発表。前期の最終利益は95億円から57億6500万円に下振れて着地した。前期の特損計上の反動もあって、今期の最終利益は前期比35.3%増の78億円を見込む。
■スタジオアリス <2305> 2,003円 -84 円 (-4.0%) 本日終値
スタジオアリス<2305>は6日続落し年初来安値を更新した。12日の取引終了後に発表した第2四半期累計(3~8月)連結決算が、売上高163億8100万円(前年同期比6.7%減)、営業利益8700万円(同94.6%減)、最終損益1億4100万円の赤字(前年同期8億4900万円の黒字)となり、最終損益が赤字に転落したことが嫌気された。新型コロナウイルス感染拡大第7波で子どもの感染者数が増加したことにより、撮影件数が前年を下回った。また、成人式撮影・振袖レンタルサービス「ふりホ」の衣料投資の投下に伴う償却費の増加や、原料価格や光熱費の上昇も利益を圧迫した。23年2月期通期業績予想は、売上高450億円(前期比10.6%増)、営業利益66億円(同9.7%増)、最終利益37億5000万円(同3.8%増)の従来見通しを据え置いている。
■東宝 <9602> 4,885円 -195 円 (-3.8%) 本日終値
東宝<9602>は反落。12日の取引終了後、第2四半期(3~8月)の連結決算発表にあわせ、23年2月期の業績予想を修正した。純利益予想は285億円から320億円に引き上げた。23年2月期の期首から適用する「収益認識に関する会計基準」の影響を考慮せず、前期の実績と単純比較すると、純利益は8.2%増となる見通し。だが370億円前後とする市場のコンセンサスを下回っており、これが嫌気されたようだ。映画事業において「トップガン マーヴェリック」や「ONE PIECE FILM RED」がヒットしたことなどを業績予想に反映した。
■セントラル警備保障 <9740> 2,438円 -67 円 (-2.7%) 本日終値
セントラル警備保障<9740>が3日続落。12日の取引終了後に発表した第2四半期累計(3~8月)連結決算が、売上高318億2800万円(前年同期比7.6%減)、営業利益19億3700万円(同32.6%減)、純利益12億5200万円(同39.9%減)と大幅減益となったことが嫌気された。前年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に伴う臨時警備の反動に加えて、機械警備部門で新型コロナウイルス感染拡大の影響による業務見直し要請などがあり、主力のセキュリティー事業が落ち込んだ。なお、23年2月期通期業績予想は、売上高660億円(前期比4.4%減)、営業利益40億円(同22.7%減)、純利益27億円(同26.4%減)の従来見通しを据え置いている。
■堺化学工業 <4078> 1,900円 -9 円 (-0.5%) 本日終値
堺化学工業<4078>は4日続落。午前10時ごろ、樹脂添加剤製品を11月1日の納入分から値上げすると発表したが、全般安とあってこれを好感する動きは限定的のようだ。値上げ幅は、粉状安定剤、金属石鹸、ハイドロタルサイト5%以上、液状安定剤10%以上となる。円安の歴史的な進行に伴い輸入原料コストの上昇が続くなか、LNGや電力価格、原料の苛性ソーダや特殊脂肪酸、包装資材など事業活動に必要な費用が高騰し、自助努力によるコストアップ分の吸収は限界に達していることから、再度の価格改定を実施するという。
■トレファク <3093> 2,058円 +393 円 (+23.6%) 一時ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率トップ
トレジャー・ファクトリー<3093>が急反騰し約1カ月ぶりに年初来高値を更新した。12日の取引終了後、23年2月期の連結業績予想について、売上高を260億3800万円から265億1400万円(前期比13.7%増)へ、営業利益を14億円から19億4300万円(同95.2%増)へ、純利益を8億8600万円から12億2000万円(同73.4%増)へ上方修正し、あわせて10円を予定していた期末配当予想を15円へ引き上げたことが好感された。上期において、新品の物価高や供給不足も追い風となってリユースへの需要が引き続き強く推移し、既存店売上高が高い伸びとなったことが要因としている。なお、年間配当は27円(前期17円)を予定している。同時に発表した第2四半期累計(3~8月)決算は、売上高128億2500万円(前年同期比19.5%増)、営業利益10億200万円(同6.5倍)、純利益6億6500万円(同14.7倍)だった。あわせて、上限を12万株(発行済み株数の1.08%)、または2億円とする自社株買いを実施すると発表した。取得期間は10月13日から10月20日までで、経営環境に応じた機動的な資本政策の遂行や株主還元の充実を図ることが目的。東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による買い付けを予定しているという。
■キャンバス <4575> 722円 +100 円 (+16.1%) ストップ高 本日終値
キャンバス<4575>がストップ高。12日の取引終了後、膵臓がん3次治療を対象として米国で実施しているCBP501の第2相臨床試験ステージ1の3剤併用投与群で2例目となる部分奏効(がんの縮小)が確認されたと発表しており、これが好感された。膵臓がんの3次治療とは、効果の期待できる治療選択肢を既に2つ済ませた状態への次の治療のこと。同領域では現在までに承認された医薬品や治療がなく、新薬候補や既存治療の併用による多数の臨床試験が実施されているが、多くの試験結果は残念ながら芳しくなく、また、奏効出現率は低いことが知られている。今回、3剤併用投与群の一つで新たに1例の部分奏効が確認されたが、1例目と同じ投与群であり、対象となる患者9人のうち2例で部分奏効が確認されたことになる。
■鉄人化計画 <2404> 329円 +26 円 (+8.6%) 本日終値
鉄人化計画<2404>が大幅続伸。コシダカホールディングス<2157>が12日の取引終了後に決算を発表し、23年8月期の連結営業利益予想を74億3000万円(前期比3.4倍)を見込むとしたことを受けて、同じくカラオケ大手である鉄人化計画にも好決算を期待した買いが向かったもよう。なお、同社の22年8月期決算は10月17日に発表を予定している。
■アミタホールディングス <2195> 800円 +58 円 (+7.8%) 本日終値
アミタホールディングス<2195>が後場急伸。午後2時、NTTコミュニケーションズ(東京都千代田区)と「サーキュラー・プラットフォームの構築による市場創造に関する基本合意書」を締結したと発表。中長期的な業績への好影響を期待した買いが集まった。循環型経済の実現に向け、アミタHDが社会実証の企画・運用などを担当。NTTコミュニケーションズは必要な情報システムの企画などを担い、共同で新規事業の開発に向けた検討を進める。
株探ニュース