話題株ピックアップ【夕刊】(2):BeeX、テラスカイ、No.1
■ワコム <6727> 667円 -33 円 (-4.7%) 本日終値
ワコム<6727>が急反落。前週末14日の取引終了後、23年3月期の連結業績予想について、売上高を1330億円から1190億円(前期比9.4%増)へ、営業利益を137億円から60億円(同53.9%減)へ、純利益を112億円から59億円(同46.1%減)へ下方修正し、増益予想から一転して営業減益予想としたことが嫌気された。ブランド製品事業で、現行のペンタブレット製品、ディスプレー製品ともに中低価格帯モデルの販売予測を見直し、また製品ポートフォリオ強化の一環として予定していた一部製品の市場投入時期を延期したことが影響する。また、テクノロジーソリューション事業でタブレット・ノートパソコン市場の需要の減退を見込むことも響くとしている。なお、想定為替レートについても従来の1ドル=130円から140円へ見直されている。
■東芝 <6502> 5,435円 -62 円 (-1.1%) 本日終値
東芝<6502>が後場に入り下げに転じた。東芝の非公開化に関し、一部プライベート・エクイティー(PE)ファンド主導の企業連合による買収資金の融資確保が難航していると17日の取引時間中に伝わった。株価へのプレミアムの上乗せを伴うPEファンドによる東芝の買収に不透明感が漂う格好となり、売りが膨らんだ。同社株は5日移動平均線に接近した後は、下げ渋る動きをみせている。
■富士フイルム <4901> 6,778円 -38 円 (-0.6%) 本日終値
富士フイルムホールディングス<4901>が反落。前週末14日の取引終了後、富士フイルム富山化学の抗インフルエンザウイルス薬「アビガン」について、新型コロナウイルス感染症を対象とした開発を中止すると発表しており、これが嫌気された。同薬については、21年にワクチン非接種の新型コロナウイルス感染症患者に対する重症化抑制効果の確認を目的に、目標症例数316例とした国内第3相臨床試験を開始。22年3月に84例で被験者の組み入れを終了していたが、84例で得られたデータの解析では、有意な結果が得られていないことを確認したことから、新型コロナウイルス感染症に係る効能・効果などを追加する製造販売承認事項一部変更承認申請の取り下げを行うことにしたという。
■BeeX <4270> 2,160円 +400 円 (+22.7%) ストップ高 本日終値
BeeX<4270>がストップ高。前週末14日の取引終了後に第2四半期累計(3~8月)単独決算を発表。前年同期は四半期決算を開示していないため対前年同期増減率はないものの、売上高26億3300万円、営業利益2億3200万円、純利益1億5700万円となり、通期計画に対する進捗率が営業利益で83%と高いことが好感されたようだ。既存顧客からの追加案件の受注や新規顧客の獲得もあってプロジェクト数が順調に積み上がり、クラウドインテグレーションが拡大基調を維持した。また、新規顧客の獲得もあって取引社数が堅調に推移し、マネージドサービスプロバイダー売り上げ及びクラウドライセンスリセール売り上げのストック収入も順調に積み上がった。なお、23年2月期通期業績予想は、売上高52億4300万円(前期比20.4%増)、営業利益2億8100万円(同2.7%増)、純利益1億8900万円(同0.6%減)の従来見通しを据え置いている。
■テラスカイ <3915> 2,213円 +341 円 (+18.2%) 本日終値 東証プライム 上昇率3位
テラスカイ<3915>が続急騰し年初来高値を更新。前週末14日の取引終了後、23年2月期の連結業績予想について、営業利益を400万円から3億2800万円(前期比50.1%減)へ、最終損益を2億2300万円の赤字から1億5000万円の黒字(同50.8%減)へ上方修正したことが好感された。キットアライブ<5039>がIPOにより子会社連結から持ち分法連結に移行したことや子会社各社の業績見通しを精査したことで、売上高は158億5800万円から156億4600万円(同24.4%増)へ下方修正した。一方で、ソリューション事業が好調に推移したことや経費削減効果が貢献し、各利益は計画を上回る見通しという。同時に発表した第2四半期累計(3~8月)決算は、売上高73億300万円(前年同期比25.3%増)、営業利益3億6700万円(同31.5%増)、純利益1億3700万円(同5.2%増)だった。セールスフォースを中心としたクラウドサービスの導入開発案件が増加したことが牽引役となり、ソリューション事業が好調だった。
■No.1 <3562> 1,002円 +150 円 (+17.6%) ストップ高 本日終値
No.1<3562>は全般地合い悪のなかで物色人気が集中。同社は中小企業を主要顧客にOA機器やサーバーなどの販売・保守を行うほか、自社企画で利益率の高い情報セキュリティー商品を展開する。サイバー攻撃への対応ニーズが高まるなか、セキュリティー関連商品が好調で業績を押し上げている。前週末14日取引終了後に発表した23年2月期上期(22年3~8月)の決算は営業利益が前年同期比63%増の6億100万円と急拡大しており、これを材料視する投資資金を呼び込む格好となった。対通期進捗率も61%に達し、今期業績予想の上振れ期待も浮上している。
■セラク <6199> 1,251円 +186 円 (+17.5%) 本日終値 東証プライム 上昇率4位
セラク<6199>が大幅続伸。同社は14日取引終了後、23年8月期通期の連結業績予想を公表。営業利益の見通しを前期比60.2%増の14億2000万円としていることが好感されたようだ。売上高は同15.9%増の207億円を見込む。営業体制の拡充によってエンジニア稼働数の拡大と新規顧客開拓に注力するほか、一次請け案件の獲得とパートナー強化を推進し、Sler(システムインテグレーションを行う事業者)として長期拡大できる事業構造を獲得するなどとしている。
■EduLab <4427> 696円 +100 円 (+16.8%) ストップ高 本日終値
EduLab<4427>が後場急伸。午後0時15分ごろ、文部科学省が実施する「令和5年度全国学力・学習状況調査を実施するための委託事業(小学校事業)」を再委託機関として受託したと発表しており、好材料視された。今回の事業受託は、「令和5年度全国学力・学習状況調査」における小学6年生を対象とした小学校事業の募集について、増進会ホールディングス(静岡県三島市)子会社のZ会の再委託機関として受託する。EduLabは今年7月に増進会ホールディングスと資本・業務提携契約を締結し、連携強化に向けた取り組みを進めていたが、同事業の受託はその第1弾となる。なお、同件による業績への影響は、23年9月期に売上高として7億円程度を計上する見込みとしている。
■明治海運 <9115> 743円 +100 円 (+15.6%) ストップ高 本日終値
明治海運<9115>が続急騰。株価は8月初旬に1150円の戻り高値形成後、一貫して下値を探る動きにあったが売りが一巡し、前週末は5日ぶりに反発に転じていた。きょうは一気に買いの勢いが増している。同社は海運株の一角だが、北海道から沖縄までホテルやレストランなどを幅広く展開しており、外国人観光客の入国規制の大幅緩和に伴い、足もとで収益面の追い風が強まっている。また、急速なドル高・円安進行はインバウンド消費を助長するほか、海運セクターにとっても運賃がドル建て決済のためポジティブ材料として意識される。
株探ニュース